フォーラムへの返信
-
投稿者投稿
-
人事・給与のご担当、おつかれさまです。年度途中の人の出入りは毎年必ず起こるだけに、報告書でどう扱うか迷われるのは当然です。結論から申し上げると、ご質問者様の解釈で合っています。年度途中で雇用または退職した対象職員は、入職した月以降、退職した月までは対象職員として扱って差し支えありません。あわせて、対象職員の数に1割以上の変動があり区分が変わる場合は、届出が必要になります。この回答では、年度途中の入退職の扱いと、1割以上の変動が生じたときの手続きを整理します。
ポイントは3つです。第一に、年度途中の入退職者は、在籍した期間について対象職員として扱えます。第二に、対象職員数に1割以上の変動があり区分が変わる場合は、届出が必要です。第三に、報告書には「在籍期間の基本給等総額」を「総算定月数」で割った値を計上します。以下、順に解説します。
1. 年度途中の入退職者は在籍期間について対象に含める
年度途中で雇用または退職した対象職員は、在籍していた期間について対象職員として扱えます。疑義解釈資料(その3)問4は、この点を示しています。同問は、年度途中で雇用または退職した対象職員の取扱いを問う問いに対し、「雇用した月以降又は退職した月までは、対象職員として取扱って差し支えない」と回答しています。つまり、年度を通して在籍していたかどうかは問われず、在籍していた月については対象に含めてよい、ということです。
2. 対象職員数が1割以上変動し区分が変わる場合は届出が必要
在籍期間を対象に含める一方で、対象職員数が大きく動いたときは手続きが必要になります。同じ問4は、この点も示しています。対象職員の数に1割以上の変動があった場合であって、改めて区分を算出した結果、区分の変動があるときは、算出を行った月内に地方厚生(支)局長へ届出を行ったうえで、翌月から変更後の区分に基づく点数を算定する、とされています。つまり、1割以上動いただけでは足りず、「区分が実際に変わる」ことが届出の引き金になる、とご理解ください。
1割以上の変動と区分の変動は、両方そろって初めて届出につながる点に注意が必要です。対象職員数が1割以上動いても、再計算した区分が変わらなければ、届出は不要です。逆に、1割以上動いて区分も変わる場合は、算出した月のうちに届出を行い、翌月から新しい区分で算定します。年度途中で人の出入りが重なる病院では、変動が1割を超えた段階で区分を再計算する習慣をつけておくと安心です。
3. 報告書には「在籍期間の基本給等総額÷総算定月数」を計上する
年度途中の変動があった場合、報告書への記載方法も定められています。問4は、当該評価料の算定期間中に対象職員の変動があった場合について、報告書への記載方法を示しています。具体的には、「対象職員として取扱って賃金改善を行った期間における基本給等の総額」を「ベースアップ評価料の総算定月数」で割った値を、1月当たりの基本給等総額に計上する、とされています。つまり、在籍が一部の期間にとどまる職員も、在籍期間の総額を月数で平準化して報告書に反映する、という考え方です。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、年度途中の入退職者を「在籍月」で管理する台帳を整えましょう。誰がいつ入職し、いつ退職したかを月単位で押さえておけば、対象に含める期間が一目でわかります。在籍月が確定すれば、報告書に計上する基本給等総額の集計もスムーズになります。
次に、対象職員数の変動を定期的にチェックする運用をつくってください。入退職が重なって変動が1割を超えそうな局面では、区分を再計算します。再計算で区分が変わる場合は、算出した月のうちに届出を行い、翌月から新しい区分で算定する必要があります。期限を逃さないよう、変動の確認を月次の作業に組み込んでおくと安心です。
最後に、根拠を院内で共有しておきましょう。疑義解釈資料(その3)問4を印刷し、報告書のファイルに綴じておくと、年度途中の入退職が出るたびに判断に迷わずに済みます。来年度以降の担当者への引継ぎにも役立ちます。
まとめ
年度途中で雇用または退職した対象職員は、入職した月以降、退職した月までは対象職員として扱えます。対象職員数に1割以上の変動があり、再計算した区分が変わる場合は、その月のうちに届出を行い、翌月から新区分で算定します。報告書には、在籍期間の基本給等総額を総算定月数で割った値を計上します。根拠は疑義解釈資料(その3)問4です。まずは、年度途中の入退職者を在籍月で管理する台帳を整えることから始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いません複数施設の本部事務、おつかれさまです。通算規定は便利ですが、どこまでまとめてよいのか線引きが見えにくく、整理に苦労されるのは当然です。結論から申し上げると、2点とも、ご質問者様の整理で合っています。届出を行わない施設や基準に満たない施設は、報告書や区分算出の対象から外します。一方で、注5などの継続的な賃上げの取組は、施設ごとに満たす必要があり、通算できません。この回答では、通算できる範囲と、通算できない範囲を切り分けて整理します。
ポイントは3つです。第一に、届出を行わない施設・基準に満たない施設は、報告書や区分算出の対象に含めません。第二に、注5などの継続的な賃上げの取組は、施設ごとに基準を満たす必要があります。第三に、つまり「区分計算は通算、継続的な賃上げは施設ごと」という二段構えで考えます。以下、順に解説します。
1. 届出をしない施設・基準に満たない施設は対象に含めない
通算で計算した結果、基準に満たない施設や届出を行わない施設は、報告書や区分算出の対象から外します。疑義解釈資料(その5)問2は、この点を示しています。同問は、対象職員数や社会保険診療等収入金額の割合が施設基準に満たない医療機関、およびベースアップ評価料の届出を行わない医療機関について、「賃金改善実績報告書」「賃金改善中間報告書」における実績や、届出区分の算出時の対象に含まれないか、という問いに「そのとおり」と回答しています。つまり、通算の対象になるのは、あくまで施設基準を満たして届出を行う施設に限られる、ということです。
2. 注5などの継続的な賃上げの取組は施設ごとに満たす
区分計算が通算できる一方で、継続的な賃上げの取組に係る施設基準は、施設ごとに満たす必要があります。疑義解釈資料(その5)問3は、この点を明確にしています。同問は、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)の注5などの継続的な賃上げの取組に係る施設基準について、「法人内で通算して算出することはできず、届出を行う保険医療機関等毎に、施設基準を満たす必要がある」と回答しています。つまり、注5などについては法人全体でまとめて判定することができず、各施設が単独で水準を満たさなければなりません。
区分計算と継続的な賃上げの取組では、通算の可否が分かれる点に注意が必要です。「月額賃金総額」や「対象職員数」の区分計算は法人内で通算できますが、注5などの継続的な賃上げの取組は施設ごとの判定です。同じベースアップ評価料の話でも、扱いが二段構えになっている、とご理解ください。ここを取り違えると、注5の届出可否を法人全体で誤判定してしまうおそれがあります。
3. 「区分計算は通算、継続的な賃上げは施設ごと」で考える
2つの問を合わせると、通算の考え方は「区分計算は通算、継続的な賃上げは施設ごと」と整理できます。区分計算では、同一給与体系の複数施設をまとめられますが、まとめられるのは届出を行う施設に限られます。継続的な賃上げの取組では、各施設が単独で基準を満たす必要があり、法人全体での通算はできません。この二段構えを押さえておくと、どの数字を通算し、どの基準を施設ごとに見るのかが、迷わず判断できます。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、通算の対象に含める施設と、含めない施設を仕分けしましょう。届出を行う施設だけを通算の対象とし、届出をしない施設や基準に満たない施設は、区分算出・報告書の両方から外します。施設ごとに「届出の有無」「基準充足の有無」を一覧化しておくと、仕分けの根拠が明確になります。
次に、注5などの継続的な賃上げの取組は、施設ごとに判定する前提で確認を進めてください。各施設が単独で水準を満たすかどうかを、施設ごとに試算します。法人全体で満たしていても、個別の施設で満たさなければ、その施設では注5の届出ができない点に注意が必要です。
最後に、根拠を本部内で共有しておきましょう。疑義解釈資料(その5)問2・問3を印刷し、届出の判断基準としてファイルに綴じておくと、各施設の担当者との認識合わせや、来年度以降の引継ぎがスムーズになります。
まとめ
法人内の複数医療機関について、区分計算は同一給与体系であれば通算できますが、通算できるのは届出を行う施設に限られます。届出をしない施設や基準に満たない施設は、報告書・区分算出の対象から外します。一方で、注5などの継続的な賃上げの取組は、施設ごとに基準を満たす必要があり、通算できません。根拠は疑義解釈資料(その5)問2・問3です。まずは、通算の対象に含める施設と含めない施設の仕分けから始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いません派遣というお立場で、自分は対象外なのかと気にされるお気持ち、よくわかります。同じ現場で働いていればなおさらですね。結論から申し上げると、「一切なれない」わけではありません。一定の要件を満たせば、派遣職員も対象とすることが可能です。ただし、これは病院側が要件を整えて初めて成り立つもので、すべての派遣職員が自動的に対象になるわけではありません。この回答では、対象にできる条件と、対象外となる職員との違いを整理します。
ポイントは3つです。第一に、一定の要件を満たせば、派遣職員も対象にできます。第二に、業務委託(請負)の職員は対象外です。第三に、対象とするには、賃金改善・区分計算・実績報告の3点を病院側が満たす必要があります。以下、順に解説します。
1. 要件を満たせば派遣職員も対象にできる
派遣職員は、病院に直接雇用されていなくても、一定の要件を満たせば対象とすることが可能です。疑義解釈資料(その2)問2は、この点を示しています。同問は、派遣職員(労働者派遣法第2条第2項に該当する職員)に限り、対象とすることを可能とする、と回答しています。つまり、直接雇用でないこと自体は、対象から外れる決定的な理由にはなりません。ご質問者様のように現場で継続して働く派遣スタッフも、病院が要件を整えれば対象になり得ます。
2. 業務委託(請負)の職員は対象外
同じ「直接雇用でない」働き方でも、業務委託の職員は対象になりません。問2は、対象にできるのはあくまで労働者派遣法上の派遣職員に限る、としたうえで、業務委託(請負業務を行う職員)については対象外とする、と明記しています。派遣と業務委託は、契約形態が法律上はっきり分かれています。ご自身が「派遣」なのか「請負」なのかで扱いが変わりますので、まずはご自身の契約形態を確認しておくと安心です。
3. 対象とするには病院側が3点を満たす必要がある
派遣職員を対象にするには、病院側が3つの取扱いを満たす必要があります。第一に、派遣元と相談・協力したうえで、病院の職員と同程度以上の賃金改善を行うことです。第二に、区分計算にあたって、派遣職員も対象職員数に含めて計算することです。第三に、賃金改善の実績を、実績報告書・中間報告書に派遣職員を含めて作成・提出することです。これら3点が、派遣職員を対象とする際の条件として、問2に並べて示されています。
あわせて、賃金や費用の扱いにも注意点があります。「月額賃金総額」を算出する際は、原則として派遣元から派遣職員の賃金情報の提供を受ける必要があります。派遣元に支払う費用を、そのまま月額賃金として記載することはできません。報告書の作成にあたっても、派遣元と相談し、実際の賃金改善額などの記載に必要な情報を派遣元から提供してもらう取扱いです。つまり、派遣職員を対象にするには、病院と派遣元の連携が前提になる、とご理解ください。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、ご自身の契約形態が「派遣」か「請負(業務委託)」かを確認しましょう。対象になり得るのは派遣職員に限られ、業務委託は対象外です。派遣会社との契約書や就業条件明示書で、どちらに該当するかを確かめてみてください。
次に、派遣会社(派遣元)の担当者に、賃金改善の連携について相談してみるとよいでしょう。派遣職員を対象にするかどうかは病院側の判断ですが、対象とする場合は派遣元との連携が必要です。賃金改善や情報提供の話が派遣元に届いているかを、ご自身から確認しておくと、状況が見えやすくなります。
最後に、病院の医事課に、派遣職員を対象に含める方針かどうかをたずねてみてください。要件を満たして対象にするかは、最終的に病院側の取組次第です。根拠として疑義解釈資料(その2)問2を示しながら相談すると、話が具体的に進みやすくなります。
まとめ
派遣職員は、一定の要件を満たせば、ベースアップ評価料の対象とすることが可能です。一方で、業務委託(請負)の職員は対象外です。対象とするには、同程度以上の賃金改善・区分計算への算入・報告書への記載という3点を、病院側が派遣元と連携して満たす必要があります。根拠は疑義解釈資料(その2)問2です。まずは、ご自身の契約形態が派遣か請負かを確認することから始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いません施設基準の届出ご担当、お疲れさまです。改定で示された「3.2%・5.7%」という数字を前に、届かなければ算定できないのではと不安になるお気持ち、よくわかります。結論から申し上げると、ご質問者様の解釈で合っています。3.2%・5.7%のベースアップを達成できない場合であっても、ベースアップ評価料は算定できます。ただし、得られた収入の使い道には、守らなければならない条件があります。この回答では、算定の可否と、あわせて守るべき条件を整理します。
ポイントは3つです。第一に、3.2%・5.7%に届かなくても算定そのものは可能です。第二に、得られた収入は、全額を対象職員の賃上げに充てる必要があります。第三に、3.2%・5.7%はあくまで「支援の目安」であり、算定の合否ラインではありません。以下、順に解説します。
1. 目標に届かなくても算定は可能
3.2%・5.7%のベースアップを達成できない場合でも、ベースアップ評価料は算定できます。疑義解釈資料(その2)問7は、この点を明確にしています。同問は「ベースアップ評価料を算定しても3.2%及び5.7%のベースアップを達成できない場合であっても、ベースアップ評価料は算定できるのか」という問いに対し、「可能」と回答しています。つまり、目標の引上げ率に届くかどうかは、算定の前提条件ではない、ということです。
2. 得られた収入は全額を賃上げに充てる
算定が可能である一方で、得られた収入の使い道には明確な条件が付いています。同じ問7は「可能」としたうえで、ただし書きで条件を示しています。具体的には、当該評価料により得られる収入は、全て、対象職員の基本給または決まって毎月支払われる手当の引上げ、およびそれに伴う賞与・時間外手当・法定福利費(事業者負担分等を含む)等の増加分に用いること、とされています。算定できるかどうかではなく、得た収入を漏れなく賃上げに回せるかどうかが、本当に問われている点だとご理解ください。
この条件は、引上げ率の大小にかかわらず一律に適用されます。3.2%に届く病院も、届かない病院も、得た収入を全額賃上げに充てる義務は同じです。届かないこと自体は問題になりませんが、得た収入を賃上げ以外に使うことは認められません。ここを取り違えると、後の実績報告で説明がつかなくなりますので、注意が必要です。
3. 3.2%・5.7%は「支援の目安」であり合否ラインではない
3.2%・5.7%という数字は、達成を義務づける合否ラインではなく、国が示した支援の目安です。令和8年度・令和9年度にそれぞれ3.2%分(看護補助者・事務職員はそれぞれ5.7%分)のベースアップ実現を支援するために、評価料という形で原資を手当てした、という位置づけです。あくまで支援の規模感を示した数字であって、各医療機関にその達成を強制するものではありません。この整理ができると、試算で目標に届かなくても、過度に身構える必要がないことが見えてきます。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、算定の可否ではなく「得た収入を全額賃上げに回せる設計」になっているかを確認しましょう。ご懸念の3.2%・5.7%は、達成できなくても算定の妨げにはなりません。優先すべきは、ベースアップ評価料による収入が、基本給・手当・賞与・法定福利費の引上げに過不足なく充てられる仕組みを整えることです。
次に、賃上げの配分計画を、対象職員ごとに見える形で残しておいてください。実績報告の段階で、得た収入と賃上げ額が対応していることを示せるよう、配分の根拠を記録しておくと安心です。試算が目標率に届かない場合でも、得た収入を全額賃上げに充てた記録があれば、施設基準上の問題は生じません。
最後に、根拠を院内で共有しておきましょう。疑義解釈資料(その2)問7を印刷し、届出ファイルに綴じておくと、経営層への説明や、来年度以降の担当者の引継ぎがスムーズになります。
まとめ
3.2%・5.7%のベースアップに届かなくても、ベースアップ評価料は算定できます。ただし、得られた収入は全額を対象職員の賃上げに充てる必要があります。3.2%・5.7%は支援の目安であり、達成を義務づける合否ラインではありません。根拠は疑義解釈資料(その2)問7です。まずは、得た収入を漏れなく賃上げに回せる設計になっているかを確認することから始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いませんご質問の核心は、「包括の対象者にも、基本療養費のまま算定できるのか」という点ですね。結論からお伝えすると、対象者に基本療養費を算定できるかどうかは「1日の訪問回数」で決まります。
令和8年度改定で包括型訪問看護療養費が新設され、届出を出した建物の対象者については、訪問回数によって算定する区分が変わるようになりました。本回答では、対象者に基本療養費を算定できる場合と、できない場合を切り分けてお伝えします。
対象者への算定は、1日の訪問回数で2つに分かれます。1日1回の訪問なら、対象者にも訪問看護基本療養費(Ⅱ)を算定します。1日2回以上の訪問なら、包括型に限られ、基本療養費は算定できません。なお、すべての対象者で基本療養費に戻したい場合は、届出そのものの取り下げが必要になります。
包括型訪問看護療養費の対象者も、1日1回の訪問なら基本療養費(Ⅱ)
1日1回の訪問なら、対象者であっても訪問看護基本療養費(Ⅱ)を算定します。ここが、最初の答えです。
その理由は、包括型の算定要件にあります。包括型は、日中と夜間帯(午後6時から午前8時)に、少なくともそれぞれ1回ずつの訪問が必要とされています。つまり、包括型はそもそも1日2回以上の訪問がなければ算定できません。1日1回だけの訪問は包括型の要件を満たさず、従来どおり訪問看護基本療養費(Ⅱ)での算定になります。実際、疑義解釈(その3・問1)でも、日中に40分の訪問を1回行い訪問看護基本療養費(Ⅱ)等を算定する、という前提が示されています。
1日2回以上の訪問は包括型に限られ、基本療養費は算定できない
1日2回以上の訪問なら、対象者には包括型に限られ、基本療養費は算定できません。ここが、届出を出したことで変わる部分です。
この扱いは、算定要件で明確に定められています。届出を行った建物に居住する対象者に、1日2回以上の指定訪問看護を行う場合は、包括型訪問看護療養費以外の訪問看護基本療養費等は算定できません。ここでいう対象者とは、別表第七の疾病等の者、別表第八に掲げる者、または特別訪問看護指示書による指定訪問看護を受けている者です。
しかも、この切り替えは計画的な訪問に限りません。疑義解釈(その3・問1)でも、予定外の緊急訪問で1日2回になった場合は、計画による訪問でなくても包括型を算定する、と示されています。届出が活きている間は、対象者への2回以上の訪問は自動的に包括型へ切り替わるとお考えください。
すべての対象者で基本療養費に戻すなら、届出の取り下げを検討する
すべての対象者で基本療養費に戻したいなら、届出そのものの取り下げを検討してください。届出は義務ではなく任意ですから、取り下げという選択肢が残されています。
取り下げの手続きは、地方厚生局への相談から始めます。ただし、取り下げが完了するまでは、届出は有効なままです。その間に対象者へ1日2回以上訪問したときは、包括型での算定が必要になる点にご注意ください。あわせて、届出を残す場合は、24時間の対応体制、夜間帯の看護職員配置、記録の電子化、毎年の調査への参加、地域の医療機関等との連携実績といった施設基準を満たし続ける必要があります。
結論として、対象者に基本療養費を算定できるかは、1日の訪問回数で決まります。1日1回なら訪問看護基本療養費(Ⅱ)を算定し、1日2回以上なら包括型に限られます。すべての対象者で基本療養費に戻したい場合は、地方厚生局に相談して届出を取り下げてください。まずは、対象者のうち1日2回以上訪問している方がどれだけいるかを確認しましょう。その人数が見えれば、包括型を活かすか、届出を取り下げるかの判断が、ぐっとつけやすくなりますよ。
♥ 0いいねをした人: いません回復期での理学療法、お疲れさまです。出向という慣れない立場で、自分の処遇がどちらの病院に紐づくのか見えないのは、不安になって当然です。結論から申し上げると、ご質問者様の解釈で合っています。在籍型出向の場合、あなたは実際に勤務している「出向先」の病院の対象職員として扱われます。給与の振込元が出向元であっても、対象職員としてカウントするのは出向先です。この回答では、なぜ出向先で扱うのか、そして賃上げがどう確保されるのかを整理します。
ポイントは3つです。第一に、在籍型出向の職員は出向先の対象職員として扱われます。第二に、ベースアップ評価料による収入は、出向先から出向元へ精算されます。第三に、賃金改善の実績は、出向元と出向先が連携して報告します。以下、順に解説します。
1. 在籍型出向は「出向先」の対象職員として扱う
在籍型出向の職員は、給与の支払い元ではなく、実際に勤務している出向先で対象職員に数えます。ご質問者様のように、出向元との労働契約を維持したまま出向先とも契約を結び、出向先で継続的に勤務し、給与は出向元から受け取る形が、典型的な在籍型出向です。このケースでは、出向先の病院が、あなたを対象職員に含めて区分計算と賃金改善実績報告書を作成します。給与の振込が出向元から行われていても、この扱いは変わりません。
2. 収入は出向先から出向元へ精算される
出向先で扱うとはいえ、賃上げの原資が宙に浮くわけではありません。疑義解釈資料(その5)問9は、この点を明確にしています。同問は「出向先の保険医療機関の対象職員として、区分計算及び賃金改善実績報告書等の作成を行う」と回答しています。そのうえで、出向先で得たベースアップ評価料による収入は、出向先から出向元へ支払うなど、両者の合議で適切に精算する、とされています。つまり、出向先が得た原資が、精算を通じて出向元のあなたの賃上げに回る仕組みです。
報告書の作成も、出向元と出向先の連携で行われます。出向先が報告書を作成するにあたっては、出向元と相談したうえで、実際の賃金改善額などの記載に必要な情報を、出向元から提供してもらう取扱いです。あなたの賃上げ実績は、出向元の給与データをもとに出向先が記載するため、どちらか一方だけで完結するものではない、とご理解ください。
3. 現場での具体的なアクション
まずは、出向元・出向先の両事務担当が「あなたを出向先で計上する」認識を共有できているかを確認しましょう。在籍型出向は事務処理が両者にまたがるため、認識のずれが最も起こりやすい部分です。出向先の医事課に、自分が対象職員に含まれているかを一度たずねてみてください。
次に、賃上げの原資が出向元へ精算される取り決めがあるかを確認しておくと安心です。原資の精算と給与への反映は、出向元・出向先の合議に委ねられています。ご自身の賃上げが給与にどう反映されるのかは、出向元の人事・給与担当に確認するのが近道です。
なお、医師が医療機関間で短期間の研修を行うようなケースは、扱いが異なります。短期研修中の医師は、例外的に出向元の対象職員として扱って差し支えないとされています。あなたのケース(継続的な在籍型出向)とは別の取扱いですので、混同しないよう、念のため申し添えます。
まとめ
在籍型出向の職員は、給与の振込元ではなく、実際に勤務している出向先の対象職員として扱われます。出向先が区分計算と報告書を作成し、得た収入は出向先から出向元へ精算されます。報告書は、出向元から賃金改善額の情報提供を受けて作成されます。根拠は疑義解釈資料(その5)問9です。まずは出向先の医事課に、ご自身が対象職員に含まれているかを確認することから始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いません医事課でのご担当、お疲れさまです。届出と報告書の作業を同時に抱える時期は、本当に神経をすり減らしますね。結論から申し上げると、ご担当者様の解釈で合っています。令和8年6月から算定を開始する場合、8月提出の「賃金改善中間報告書」に記載するのは「6月分・7月分」の賃上げ実績です。たとえ4月から賃上げを先行していても、報告するのは6月・7月分となります。この回答では、なぜ4月・5月分が報告に含まれないのかという疑問を、根拠とあわせて整理します。
ポイントは3つです。第一に、中間報告書の対象期間は「算定開始月から」起算します。第二に、4月から賃上げしていても、報告するのは6月・7月分です。第三に、この取扱いは疑義解釈資料(その5)問6に明記されています。以下、順に解説します。
1. 中間報告書の対象は「算定開始月から」の2か月分
中間報告書の実績期間は、賃上げを始めた月ではなく、算定を開始した月を起点に数えます。令和8年6月から算定を開始する場合、起点は6月です。8月提出の中間報告書には、この6月分と、続く7月分の、あわせて2か月分の賃上げ実績を記載します。賃上げをいつから先行したかにかかわらず、起点は算定開始月で固定される、とご理解ください。
2. 4月から賃上げしていても、報告は6月・7月分
賃上げを4月分から先行していても、中間報告書に書くのは4月・5月分ではありません。疑義解釈資料(その5)問6は、この点を明確に示しています。同問では「同年4月から賃上げを行う場合においても、同年4月及び5月分の賃上げ実績ではなく、同年6月及び7月分の賃上げ実績を報告する必要がある」と回答しています。つまり、報告の単位はあくまで算定期間に揃える、という考え方です。
4月・5月分の賃上げが無駄になるわけではない点も、あわせて押さえておきましょう。先行した4月・5月分の賃金改善は、年度末に提出する「賃金改善実績報告書」のなかで通年の実績として反映されます。中間報告書で見えないだけで、実績として消えるわけではありません。この整理ができると、上司の方への説明もしやすくなるはずです。
3. 現場での具体的なアクション
まずは、当院の「算定開始月」を6月で確定させてください。届出スケジュール上、6月算定開始で間違いがないかを、施設基準の届出控えで確認します。算定開始月が固まれば、中間報告書の対象期間は自動的に6月・7月分と決まります。
次に、給与システム側で6月・7月分の賃上げ実績を切り出す準備を進めてください。先行した4月・5月分とは別枠で、6月・7月分の賃金改善額を集計できるようにしておくと、8月の作業が一気に楽になります。あわせて、4月・5月分は年度末の実績報告書で計上する旨を、引継ぎメモに残しておくと安心です。
最後に、根拠の出どころを上司の方と共有しておきましょう。疑義解釈資料(その5)問6を印刷し、報告書のファイルに綴じておくと、来年度以降の担当者も迷わずに済みます。
まとめ
令和8年6月から算定を開始する場合、8月提出の中間報告書には6月分・7月分の賃上げ実績を記載します。4月から賃上げを先行していても、報告するのは6月・7月分です。先行した4月・5月分は、年度末の実績報告書で反映されますので、ご安心ください。根拠は疑義解釈資料(その5)問6です。まずは算定開始月を6月で確定させ、給与システムで6月・7月分を切り出す準備から始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いませんご質問ありがとうございます。移行期の請求は患者さんの負担額に直結する大切な論点ですので、順を追って整理します。令和8年6月1日から、陽子線治療・重粒子線治療の一部が先進医療から保険診療へ移行します。この移行をまたぐ患者さんの請求方法を誤ると、患者さんの自己負担額が変わってしまいます。本回答では、移行期における請求の取り扱いを、患者さんの状態別に整理します。
結論は、「治療を開始した時点」で取り扱いが決まる、という点に尽きます。第一に、令和8年5月31日以前に先進医療として開始した治療は、6月1日以降も先進医療として請求します。第二に、6月以降の分だけを保険診療へ切り替えて請求することはできません。第三に、同意は取得済みでも一連の治療をまだ開始していない患者さんは、改めて保険診療の同意を取得すれば、保険診療として開始できます。
1. 5月31日以前に治療を開始した患者さんは、最後まで先進医療として請求します
5月31日以前に先進医療として治療を開始した患者さんは、6月1日以降の治療も先進医療の枠組みで実施し、先進医療として費用を請求してください。つまり、ご質問の「6月以降の分は保険でレセプト請求してよいか」という点については、不可です。途中から保険診療へ切り替えることはできません。一連の治療は、開始時の枠組みのまま完結させる取り扱いになります。
この取り扱いの根拠は、疑義解釈資料(その2)の問145にあります。同問では「令和8年5月31日以前に先進医療による治療を開始した患者については、同年6月1日以降の治療についても先進医療の枠組みにおいて実施し、費用の請求を行うこと」と明記されています。5月に照射を開始した患者さんは、6月以降の照射分を含めて、引き続き先進医療として請求する、という整理です。
2. 同意のみで未開始の患者さんは、保険診療へ切り替えられます
5月31日時点で先進医療の同意を取得済みでも、一連の治療をまだ開始していない患者さんは、保険診療として6月から開始できます。先ほどの「開始済みの患者さんは切り替え不可」とは対照的に、こちらは切り替えが認められます。両者を分けるのは、同意の有無ではなく、治療をすでに開始しているかどうかです。
この場合の手順も、同じく問145に示されています。同問では「先進医療による治療に係る同意を取得しているが、一連の治療を開始していない患者が、同年6月1日以降に保険診療による治療を開始することを希望する場合には、改めて保険診療による治療に係る同意を取得することで、保険診療に切り替えて治療を開始して差し支えない」とされています。注意点は、先進医療の同意書がそのまま使えるわけではない、という点です。保険診療として、改めて同意を取得し直す必要があります。
3. 現場で進めていただきたいこと
移行期の請求を正しく処理するために、まずは対象患者さんの「治療開始日」を一覧で確認しましょう。5月31日以前に照射を開始しているか、それとも同意のみで未開始かで、取り扱いが二つに分かれます。この一覧があれば、どの患者さんを先進医療のまま請求し、どの患者さんを保険診療に切り替えられるかが一目で判断できます。
次に、放射線治療部門と連携し、同意取得の状況を突き合わせてください。未開始かつ患者さんが保険診療を希望する場合は、保険診療としての同意書の取り直しが必要になります。同意書の様式と説明の段取りを、6月までに準備しておくと安心です。
最後に、患者さんへの費用説明の準備を進めてください。先進医療のまま継続する患者さんと、保険診療へ切り替わる患者さんとでは、自己負担額が大きく異なります。トラブルを避けるため、それぞれの患者さんに対し、どの枠組みで請求するか、自己負担がどう変わるかを、文書で丁寧にご案内されることをお勧めします。
以上をまとめます。5月31日以前に開始した治療は、6月以降も先進医療として最後まで請求します。6月分のみの保険切り替えはできません。一方、同意済みでも未開始の患者さんは、保険診療の同意を取り直せば保険診療として開始できます。判断の分かれ目は「治療を開始しているかどうか」です。まずは対象患者さんの治療開始日の確認から始めてください。
♥ 0いいねをした人: いません届出に向けて責任者要件を整理しておられる、まさに改定対応の要となるご質問ですね。特別食加算(嚥下調整食)の責任者要件は、対象となる研修が複数あり、しかも経過措置も絡むため、どこから手をつけるか迷いやすい部分です。今回は、責任者の管理栄養士が受けるべき研修、調理師向け研修を既に修了した方の扱い、調理師の研修の要否という3点を、順に整理します。
結論から申し上げます。責任者の管理栄養士は、専門管理栄養士の研修か、要件を満たす10時間以上の研修のいずれかを修了すれば要件を満たします。過去に調理師向け研修を修了した管理栄養士は、令和7年度までの修了であれば当面の間は責任者として認められますが、速やかに責任者要件の研修を修了することが望ましいとされています。そして、調理師への研修は「修了しておくことが望ましい」もので、必須ではありません。
1.責任者の管理栄養士が受ける研修は、大きく2系統あります。
1系統目は、専門資格に係る研修です。疑義解釈資料(その2)の問143では、責任者要件の「適切な研修」として、「日本摂食嚥下リハビリテーション学会及び日本栄養士会が共同して認定している『摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士』に係る研修」が該当すると回答されています。
2系統目は、要件を満たす10時間以上の研修です。同じ問143では、専門管理栄養士の研修のほかに、「10時間以上の研修」であって3つの要件(嚥下調整食に一定の知識と経験を有する管理栄養士を対象とすること、摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士が監修や講師として関与すること、テクスチャーの実食や調理実習等を含む実習を5時間以上行うこと)を全て満たすものも該当するとされています。この10時間以上の研修の具体例は、疑義解釈資料(その5)の問22で示されており、日本栄養士会が主催する「特別食加算(嚥下調整食)に係る研修会」と、日本健康・栄養システム学会が主催する「特別食加算(嚥下調整食)対応:適切な嚥下調整食提供のための研修」が該当します。いずれか一方を修了すれば、責任者要件を満たせます。
2.調理師向け研修を既に修了した管理栄養士は、令和7年度までの修了なら当面の間は認められます。
この点は、疑義解釈資料(その7)の問25で明確にされています。問25では、調理師等を対象とした研修を既に修了している管理栄養士が責任者に該当するかという問いに対し、「令和7年度までに修了している場合、当面の間は該当する」と回答されています。ご相談者様の「改めて研修を受けなくても責任者になれる」という解釈は、令和7年度までの修了であれば正しいご理解です。
ただし、この扱いはあくまで経過的なものです。問25では続けて「令和8年度以降、速やかに当該加算の責任者要件を満たす管理栄養士を対象とした研修を修了することが望ましい」とされています。当面は届出可能ですが、いずれは1で述べた専門管理栄養士の研修か10時間以上の研修を受けていただくことになりますので、計画的に受講予定を組んでおきましょう。
3.調理師への研修は、必須ではなく「望ましい」ものです。
調理師の研修については、疑義解釈資料(その2)の問144で「嚥下調整食に関わる調理師等についても同様の研修を修了しておくことが望ましい」とされており、必須要件ではありません。その具体例は疑義解釈資料(その7)の問24で示されており、調理技術技能センター主催の「調理師のための嚥下調整食研修」と、日本病院調理師協会主催の「嚥下調整食研修」が該当します。届出に必須ではないため、まずは責任者である管理栄養士の研修を優先し、調理師の研修は体制充実の一環として後追いで進めて差し支えありません。
4.現場では、次の順番で準備を進めてください。
まず、責任者となる管理栄養士の研修受講歴を確認しましょう。すでに専門管理栄養士の研修や10時間以上の研修を修了していれば、その時点で責任者要件は満たせます。
次に、調理師向け研修のみを修了している管理栄養士がいる場合は、その修了が令和7年度までかを確認しましょう。令和7年度までであれば当面は届出可能ですが、責任者要件の研修受講を早めに計画してください。
最後に、どの研修も未修了であれば、日本栄養士会や日本健康・栄養システム学会の研修日程を早急に確認し、受講予約を進めましょう。研修は開催時期が限られるため、届出予定日から逆算してスケジュールを押さえておくと安心です。
まとめます。責任者の管理栄養士は、専門管理栄養士の研修か要件を満たす10時間以上の研修のいずれかを修了すれば要件を満たします。調理師向け研修を令和7年度までに修了した管理栄養士は当面の間は責任者として認められますが、速やかに責任者要件の研修を修了することが望ましいとされています。調理師への研修は望ましいもので必須ではありません。まずは責任者の研修受講歴を確認し、足りない場合は早めに受講予約を進めましょう。届出に向けて、着実に一歩ずつ整えていきましょう。
♥ 0いいねをした人: いません回復期で日々栄養管理に向き合っておられる中での、とても実務的なご質問ですね。令和8年度改定で新設された特別食加算(嚥下調整食)は、対象患者の幅が広い一方で、算定の線引きが分かりにくく、返戻を心配する声が各地で上がっています。今回は、ご質問の2パターンについて、算定できる場合とできない場合の境界線をはっきりさせます。
結論から申し上げると、算定可否は「経口で提供する嚥下調整食だけで、常食と同等の必要栄養量が確保できているか」で決まります。この基準に照らすと、経管栄養を併用していても、嚥下調整食単独で必要栄養量を満たせていない場合は算定できません。同じく、嚥下訓練用のゼリー等を提供しているだけの場合も算定できません。そして、算定の前提として、対象患者は多職種で評価したうえで医師が嚥下調整食を必要と判断し、食事箋を発行した患者であることが必要です。
1.算定可否の判断基準は「必要栄養量が常食と同等に確保できているか」です。
この判断基準は、疑義解釈資料(その1)の問48に明記されています。問48では「嚥下訓練のためにゼリー等の嚥下訓練食品を提供した場合や、嚥下調整食と経管栄養を併用している場合も、特別食加算は算定できるか」という問いに対し、「患者に必要な栄養量が、1食の献立として常食で提供される場合と同等に確保できていない嚥下調整食は算定できない」と回答されています。
この回答を、ご質問の1人目(経管栄養併用)に当てはめてみましょう。経口の嚥下調整食だけでは必要栄養量に届かず、不足分を経管栄養で補っているのであれば、その嚥下調整食は「常食と同等の栄養量を確保できていない」状態です。したがって、この患者さんは算定できません。逆に、嚥下調整食だけで必要栄養量を満たしており、経管栄養はあくまで補助的という位置づけであれば、算定の余地が出てきます。
同じ基準を、2人目(嚥下訓練食品)にも当てはめます。ST の嚥下訓練で提供するゼリー等は、訓練を目的とした少量の食品であり、1食の献立として必要栄養量を確保するものではありません。したがって、この患者さんも算定できません。ご相談者様の「経口の嚥下調整食だけで必要栄養量が確保できているかで決まる」という解釈は、まさにこの問48の趣旨どおりで、正しいご理解です。
2.算定の前提として、対象患者の要件と品質管理の要件があります。
対象患者の要件は、疑義解釈資料(その1)の問46で示されています。問46では、対象となる「摂食機能又は嚥下機能が低下した患者」について、「内視鏡下嚥下機能評価や嚥下造影は必須ではないが、医師、看護師、言語聴覚士、管理栄養士等の多職種で評価を行う等により、適切な栄養量及び内容を有する嚥下調整食が必要であると医師が判断し、食事箋を発行した患者が対象である」と回答されています。VE や VF がなくても、多職種評価と医師の判断・食事箋発行が揃っていれば対象になる、という点が実務上のポイントです。
品質管理の要件は、疑義解釈資料(その1)の問47で示されています。問47では、硬さや付着性等のテクスチャーを計器で測定する必要はないとしたうえで、「嚥下調整食に係る責任者が品質管理を行うこと」と回答されています。計器測定は不要ですが、責任者による品質管理という運用は必須ですので、こちらも体制を整えておきましょう。
3.現場では、次の3点を確認・準備してください。
まず、対象患者ごとに栄養必要量と経口摂取量を確認しましょう。経口の嚥下調整食だけで必要栄養量を満たしているか、不足分を経管栄養で補っていないかを、栄養管理計画や食事箋上で明確にしておくと、算定根拠が残ります。
次に、医師の判断と食事箋発行の流れを確認しましょう。多職種評価を経て、医師が嚥下調整食を必要と判断し、食事箋を発行している記録が揃っているかを点検してください。
最後に、嚥下訓練食品のみの患者を算定対象から外す運用を、ST・医事課と共有しておきましょう。訓練食品の提供と、1食の献立としての嚥下調整食提供は別物である、という線引きを病棟全体で揃えておくと、返戻リスクを大きく減らせます。
まとめます。特別食加算(嚥下調整食)の算定可否は、経口の嚥下調整食だけで常食と同等の必要栄養量が確保できているかで決まります。経管栄養併用でも嚥下調整食単独で必要栄養量を満たせない場合は算定できず、嚥下訓練食品のみの提供も算定できません。算定の前提として、多職種評価に基づく医師の判断・食事箋発行と、責任者による品質管理を整えておきましょう。ご相談者様の解釈は正しいので、自信を持って運用を組み立てていただいて大丈夫です。
♥ 0いいねをした人: いません結論から申し上げます。本事例は、①を短手3、②をDPCとする「パターンB」が最も整合的です。②が「同一疾患で退院後7日以内の再入院」にあたり、短手3を算定できないためです。短手3を算定できない入院は、DPC算定病床ではDPC(診断群分類点数表)に落ちます。②の起算日は、再入院した6/5です。①と②は別建てとなり、②が①の「一連」に取り込まれることはありません。
根拠は、疑義解釈(その2・DPC編)の問2-15と問4-6です。問2-15は「短手3の要件を満たし5日以内に退院すれば短手3、それ以外はDPC」と整理しています。問4-6は「非包括の初回入院+同一傷病7日以内再入院」の取扱いを示しており、本事例にきわめて近い先例です。ただし、短手3そのものを起点とした再入院を正面から扱ったQ&Aではありません。算定を確定させる前に、審査支払機関への事前照会をおすすめします。以下、根拠を順にご説明します。
1.①は短手3で確定します
①は、短手3の要件をそのまま満たします。①は6/1に入院し、6/2に対象手術を行い、入院後3日目の6/3に退院しています。短手3は、対象手術を行った患者が入院後5日以内に退院する場合に算定する診療報酬です。①は5日以内退院に該当するため、短手3で算定します。①の退院時点では、②の再入院はまだ発生していません。後から②が起きても、いったん確定した①の短手3を遡って変える規定はありません。
2.②は短手3を算定できません
②は、短手3の除外規定に明確に該当します。②は、①の退院日6/3の2日後にあたる6/5に、同一疾患の白内障で再入院しています。短手3には、「同一疾病で退院後7日以内に再入院した場合は算定しない」という除外規定があります(A400の注2、および留意事項通知)。この規定は、短期滞在手術の不適切な分割入院を防ぐためのものです。②の再入院は退院からわずか2日後で、明確に7日以内にあたります。したがって②は、②自身が3日で退院していても、短手3を算定できません。
3.②はDPCで算定します(起算日は6/5)
短手3を算定できない②は、DPC算定病床ではDPCで算定します。問2-15は、「短手3の要件を満たし入院後5日以内に退院する場合は短手3、それ以外は診断群分類点数表」と整理しています。②は短手3の要件を満たさないため、この「それ以外」に該当します。DPC算定病床では、短手3に切り出されない入院をDPCで算定するのが原則です。よって②は、再入院日6/5を起算日とするDPCで算定します。
4.①と②は別建てで、「一連」にはなりません
①と②を「一連」の一入院にまとめる必要はありません。DPCで「7日以内の同一傷病再入院=一連」とされるのは、初回入院もDPC(診断群分類点数表)で算定している場合です(問9-4ほか)。本事例の①は、DPC包括ではなく短手3で算定しています。この「初回が非DPC包括」のケースは、問4-6が参考になります。問4-6は、初回入院(医科点数表)と同一傷病7日以内の再入院(DPC)について、「再入院はDPCで算定し、起算日は再入院日とする」と回答しています。初回が非包括であれば、再入院は別建てのDPCとなり、一連にはならない――この考え方を本事例に類推できます。
5.パターンA・C・Dが成立しない理由
残るパターンA・C・Dは、いずれも成立しません。理由を1つずつ整理します。
- パターンA(②=出来高)は不成立。DPC算定病床では、短手3を算定できない患者は出来高ではなくDPCに落ちます。問2-15が「それ以外は診断群分類点数表」と明記しており、出来高に戻す根拠がありません。
- パターンC(①②ともDPC)は不成立。①は退院時点でいったん短手3として確定しています。後の②を理由に、①を遡ってDPCへ戻す規定がありません。
- パターンD(それ以外=両方短手3など)は不成立。②は7日以内の同一疾病再入院にあたり、A400の注2により短手3を算定できません。両方短手3とすることはできません。
6.留意点(明示回答ではなく、近接先例からの解釈です)
本事例には、厚生労働省の「ぴたりと一致する」回答はありません。疑義解釈のその1からその5までを確認しましたが、短手3を起点とした7日以内再入院を正面から扱ったQ&Aは見当たりませんでした。問4-6は近接先例ですが、初回入院が「医科点数表」であって「短手3」そのものではない点が異なります。パターンBは、問2-15と問4-6を組み合わせて導いた最も整合的な解釈であり、公式の確定回答ではない点にご留意ください。
7.現場では、この順で進めてください
まずは、算定を確定させる前に、地方厚生局または審査支払機関(社会保険診療報酬支払基金・国保連合会)へ事前照会してください。本事例は明示回答がなく、審査側の判断も分かれ得るためです。次に、②の様式1で「入院の契機となった傷病名」を確認し、②を起算日6/5のDPCとして登録してください。あわせて、②のレセプト摘要欄に、短手3を算定しない理由(同一疾病7日以内再入院・A400注2)と再入院の経緯を記載してください。後日の返戻や問い合わせにも、根拠を示して落ち着いて対応できます。
まとめ
本事例は、①を短手3、②をDPCとするパターンBが最も整合的です。②が同一疾病で7日以内に再入院した事例にあたり、A400の注2により短手3を算定できないためです。ただし厚生労働省の明示回答はありません。算定を確定させる前に、地方厚生局や審査支払機関への事前照会を必ず行ってください。難解な交錯事例を、告示の条文までさかのぼって確認しようとされる姿勢は、医事課として本当に頼もしい限りです。
♥ 0いいねをした人: いません医事課で病理請求を担当されている方からの、たいへん実務的なご質問ですね。算定可否の判断に迷うお気持ち、よくわかります。結論から申し上げます。特殊染色加算の対象となる「特殊染色」は、アザン染色・鉄染色・グロコット染色・チール・ネルゼン染色・グラム染色・パム染色・パス染色・ギムザ染色などです。ご懸念のグラム染色とギムザ染色も、いずれも対象に含まれます。
この回答の根拠は、疑義解釈資料(その2)の問102です。以下では、対象となる特殊染色の具体名、算定の根拠となる点数表の規定、そして明日からの実務で確認すべきポイントの順に、整理してお伝えします。
対象となる「特殊染色」は8種類が明示されています
対象となる特殊染色は、疑義解釈で8種類が具体名で示されています。具体的には、アザン染色、鉄染色、グロコット染色、チール・ネルゼン染色、グラム染色、パム染色、パス染色、ギムザ染色です。
この8種類には、ご質問にあったグラム染色とギムザ染色も含まれます。グラム染色は細菌の鑑別に、ギムザ染色は血液系細胞や微生物の観察に用いる染色です。いずれも臨床で広く使われますが、特殊染色加算の対象として明確に位置づけられています。安心して算定の対象としてお考えください。
この8種類の末尾には「等」が付いています。つまり、列挙された染色は代表例であり、対象がこの8種類に限定されるわけではありません。報告書に記載された染色が一覧にない場合は、自己判断で算定を見送るのではなく、病理検査室や病理医に「特殊染色加算の対象に該当するか」を確認するのが確実です。
算定の根拠はN000の「注」とN004の「注3」です
特殊染色加算の根拠は、2つの区分に置かれています。1つは病理組織標本作成(N000)の「注」、もう1つは細胞診(N004)の「注3」です。今回の疑義解釈・問102は、この2つの規定にいう「特殊染色」の中身を説明したものです。
この2つの規定は、対象とする検体が異なります。N000の「注」は組織標本に対する特殊染色を、N004の「注3」は細胞診に対する特殊染色を、それぞれ対象とします。算定時には、実施した検査がどちらの区分に当たるかを取り違えないことが大切です。
まずは染色名と区分の突き合わせから始めましょう
明日からの実務では、報告書の染色名を一覧と突き合わせる運用を整えてください。病理検査室から上がる報告書に記載された染色名を、先ほどの8種類(+等)と照合する流れを作っておくと、算定可否の判断が安定します。
あわせて、検体区分の確認も習慣づけてください。同じ特殊染色でも、組織標本ならN000、細胞診ならN004と算定先が変わります。報告書のどこを見れば検体区分がわかるかを、病理検査室と事前にすり合わせておくと迷いが減ります。
一覧にない染色が出てきたときは、病理検査室への確認ルートをあらかじめ決めておきましょう。「等」に含まれるかどうかの最終判断は、検査の内容を把握している病理医・病理検査室が適切です。確認の窓口と記録の残し方を決めておけば、返戻や査定のリスクを抑えられます。
最後に要点を繰り返します。特殊染色加算の対象は、アザン染色・鉄染色・グロコット染色・チール・ネルゼン染色・グラム染色・パム染色・パス染色・ギムザ染色などで、グラム染色もギムザ染色も対象に含まれます。根拠はN000の「注」とN004の「注3」、検体区分に応じて算定先を分けてください。まずは染色名と検体区分の突き合わせから始め、一覧にない染色は病理検査室に確認する運用を整えましょう。
♥ 0いいねをした人: いません放射線治療科の医事課担当さん、改定をまたぐ算定はいちばん神経を使うところですね。結論から申し上げます。5月に開始し6月以降も続く照射は、原則として「ロ その他の場合」で算定します。乳癌の全乳房照射は「M001」体外照射の「2」高エネルギー放射線治療の「ロ」、前立腺癌のIMRT前立腺照射は「M001」体外照射の「3」強度変調放射線治療(IMRT)の「ロ」です。お考えの理解で合っています。
この取扱いは「疑義解釈資料の送付について(その5)」問18が根拠です。要点は3つあります。1つ目は、5月開始・6月継続の照射は原則「ロ その他の場合」で算定する点です。2つ目は、5月末までに体外照射を算定していなければ、6月以降の治療終了時に新区分の「イ」で算定して差し支えない点です。3つ目は、迷ったらまず5月中の体外照射の算定実績を確認する点です。以下で順に解説します。
1. 原則は「ロ その他の場合」で算定する
5月に開始し6月以降も続く照射は、原則「ロ その他の場合」で算定します。改定で新設された「イ」の区分は、6月以降に治療を開始した患者さんを想定したものです。一方、貴院のように5月から一連の治療が始まっている患者さんは、6月をまたいでも従来の枠組みで扱います。そのため、6月以降の照射分は新区分の「イ」ではなく「ロ」で算定します。
具体的な算定区分は、治療の種類で分かれます。乳癌に対する全乳房照射は、「M001」体外照射の「2」高エネルギー放射線治療の「ロ その他の場合」で算定します。前立腺癌に対するIMRT前立腺照射は、「M001」体外照射の「3」強度変調放射線治療(IMRT)の「ロ その他の場合」で算定します。いずれも新設の「イ」ではなく「ロ」を選ぶ、と覚えてください。
2. 5月末までに体外照射を算定していなければ「イ」も可
5月末までに体外照射を算定していない場合は、例外として「イ」で算定できます。疑義解釈(その5)問18は、ただし書きでこの例外を認めています。つまり、5月中に「M001」体外照射を一度も算定していなければ、6月以降の治療終了時に新区分の「イ」を算定して差し支えありません。
この例外を使う場合も、算定区分は治療の種類で対応します。乳癌の全乳房照射なら「2」高エネルギー放射線治療の「イ 乳癌に対する全乳房照射」、前立腺癌のIMRTなら「3」強度変調放射線治療(IMRT)の「イ 前立腺癌に対する前立腺照射」です。ご自身のケースが原則と例外のどちらに当たるかは、5月中の算定実績で決まります。
3. 現場で進めていただきたいこと
まず、対象患者さんの5月中の体外照射の算定実績を確認してください。5月に「M001」体外照射を算定済みであれば、6月以降は迷わず「ロ その他の場合」を選びます。5月に一度も算定していなければ、「イ」での算定も選べます。レセプト作成前に、この1点を患者さんごとに切り分けておくと、返戻のリスクをぐっと下げられます。
次に、放射線治療科の医師や診療放射線技師と照射開始日を突き合わせておきましょう。「いつから一連の治療が始まったか」が算定区分を決めるからです。最後に、判断に迷う症例は地方厚生局へ確認した記録を残しておくと、後の説明がスムーズになります。
まとめます。5月開始・6月継続の照射は原則「ロ その他の場合」で算定し、乳癌の全乳房照射は「2」の「ロ」、IMRT前立腺照射は「3」の「ロ」です。5月末までに体外照射を算定していなければ「イ」も選べます。まずは5月の算定実績を1件ずつ確認するところから進めてください。
♥ 0いいねをした人: いません結論から申し上げます。公印のない修了証書のまま、届出に添付して構いません。取り直しは不要です。期限が迫るなかでの確認、おつかれさまです。安心して、お手元の証書で準備を進めてください。
判断の根拠は3点です。第一に、緩和ケア研修会の修了証書は「公印省略」で差し支えないと明示されています。第二に、その根拠は研修会の開催指針が定める証書の様式そのものにあります。第三に、これに伴い、公印を求めていた過去の疑義解釈は廃止されました。以下、順に解説します。
1. 公印のない修了証書で、そのまま添付してよい
公印のない修了証書は、届出の添付書類として正式に認められます。緩和ケア診療加算等(A226-2)の届出では、緩和ケアに関する研修を修了したことが確認できる文書の添付が求められます。この「修了証書」について、厚生労働省健康・生活衛生局長の公印は不要です。つまり、証書に公印が押されていないこと自体は、何の問題もありません。
2. 根拠は「開催指針の様式2」と「疑義解釈その2・問93」
この取扱いは、令和8年度改定の疑義解釈(その2)の問93で明確に示されています。問93は、まさに「修了証書に厚生労働省健康・生活衛生局長の印が必要か」という、貴院と同じ問いを扱っています。これに対する答えは、次のとおりです。
「がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会の開催指針」(令和7年11月27日一部改正)様式2のとおり、公印省略として構わない。
この答えのポイントは、公印省略が「開催指針の様式2」に組み込まれている点です。修了証書の様式は、指針の様式2として定められています。その様式が、もともと公印を省略する形式になっています。したがって、公印がない証書こそが正規の様式どおりの証書だ、とご理解ください。
3. 公印を求めていた過去の疑義解釈は廃止された
この問93によって、公印に関する古い取扱いは廃止されました。従来は「疑義解釈資料の送付について(その1)」(平成22年3月29日事務連絡)別添1の問54が、関連する取扱いを示していました。問93は、この問54を廃止すると明記しています。そのため、過去資料の記載を根拠に公印を求められる余地は、もうありません。古い情報に引きずられて取り直しに走らないよう、ご注意ください。
現場での具体的なアクション
まずは、お手元の修了証書が「開催指針の様式2」に沿ったものかを確認してください。様式2に沿った証書であれば、公印の有無を気にせず、そのまま届出書類に添付して差し支えありません。
次に、発行元への取り直し依頼は不要ですので、その作業はキャンセルして構いません。期限が迫る局面で、不要な発行手続きに時間を割く必要はありません。
最後に、緩和ケア診療加算等の届出書類一式の最終チェックを進めてください。修了証書の公印は論点から外れましたので、研修内容が要件を満たしているか、対象者の証書がそろっているか、といった本来の確認に注力していただくのがよいでしょう。
緩和ケア診療加算は、患者さんとご家族の苦痛にチームで向き合う、病院の姿勢そのものを支える診療報酬です。手続きの不安は早めに片づけて、現場が本来の役割に集中できるようにしていきましょう。期限内のご準備、応援しています。
※本回答は「疑義解釈資料の送付について(その2)」問93に基づくものです。最終的な届出可否は、念のため管轄の地方厚生(支)局の窓口でもご確認ください。
♥ 0いいねをした人: いません結論から申し上げます。連携型機能強化型在宅療養支援診療所・病院の月1回以上の定期カンファレンスは、オンライン会議を併用しても施設基準の要件を満たします。この点は、令和8年度改定にあわせて発出された「疑義解釈資料の送付について(その4)」問26で、厚生労働省が明確に「よい」と回答しています。日々バラバラに訪問へ出ている先生方を毎月一か所へ集める負担を考えれば、現場にとって大きな朗報といえます。
ただし、ひとつだけ例外があります。連携体制に新たな医療機関が加わる場合は、オンラインだけでは足りません。以下では、オンライン併用が認められる範囲、新規参加時に残る対面要件、そして御院でいますぐ進めていただきたい準備の順に整理します。御院の毎月の運用がそのまま使えるかどうか、判断の材料にしてください。
1. 月1回カンファレンスはオンライン併用が認められる
月1回以上のカンファレンスは、これまで原則対面とされてきました。連携型の機能強化型在宅療養支援診療所・病院の施設基準では、「当該在宅支援連携体制を構築する保険医療機関間において、診療を行う患者の診療情報の共有を図るため、月1回以上の定期的なカンファレンスを実施すること」と定められています。このカンファレンスは、長らく原則対面での開催が求められてきました。
この原則対面のカンファレンスについて、オンライン会議の併用が正式に認められました。疑義解釈(その4)問26は、「オンライン会議を併用してもよいのか」という問いに対し、端的に「よい」と回答しています。つまり、移動が難しい先生にオンラインで参加していただく運用は、施設基準上まったく問題ありません。御院がお考えの「全員集合をやめてオンライン併用にしたい」という方針は、この解釈に沿った正しい運用です。
2. 新たな医療機関が参加する場合だけ対面要件が残る
オンライン併用が認められる一方で、連携に新たな医療機関が参加する場合には例外が設けられています。疑義解釈(その4)問26は、新規参加のケースについて「ただし」と但し書きを置き、追加の対応を求めています。既存メンバーだけのカンファレンスと、新しい仲間を迎えるカンファレンスとで、ルールが分かれるとお考えください。
この新規参加時の対応は、次のいずれか一方を満たせば足ります。ひとつ目は、その新規参加の回のカンファレンスを対面で開催する方法です。ふたつ目は、連携に新たに参加する医療機関の常勤医師が、連携内の他の医療機関の常勤医師と対面で面談し、連携の在り方や各医療機関の診療方針等について共有しておく方法です。どちらか片方を実施すれば、その後の定例カンファレンスはオンライン併用に戻して差し支えありません。
3. このカンファレンスは往診医の「事前面談」も兼ねられる
この月1回カンファレンスには、もうひとつ実務上ありがたい役割があります。患家に事前に氏名を提供していない往診医が往診を行う際に必要な「事前の対面面談」を、このカンファレンスへの対面出席で満たせるのです。疑義解釈(その2)問89は、面談の実施方法として「当該保険医療機関が開催若しくは参画するカンファレンスへの対面での出席」を認め、ここに月1回の定期カンファレンスが含まれると明記しています。
この兼用の仕組みは、御院の運用設計に直接効いてきます。往診医に対面で参加してもらう回を意図的に設ければ、面談要件とカンファレンス要件を一度に満たせるからです。オンライン併用で負担を減らしつつ、面談が必要な医師には対面回に出てもらう。こうしたメリハリのある設計が、これからの連携体制では現実的です。
現場で進めていただきたいこと
まずは、御院の連携カンファレンスの運用ルールを文書で整理しましょう。「定例回はオンライン併用可」「新規参加の回は対面または事前の対面面談」という2本立てを、連携先と共有できる形にまとめてください。口頭の合意だけでは、参加医療機関ごとに認識がずれます。
次に、新たな医療機関を迎える予定があるなら、初回の対応方法を先に決めておきましょう。対面カンファレンスを設定するのか、それとも常勤医師同士の対面面談で済ませるのか。スケジュールの取りやすい方を、相手院と早めにすり合わせておくと安心です。
最後に、往診医の面談要件とカンファレンスを兼ねる回を、年間予定に組み込んでおくことをおすすめします。負担を減らすオンライン併用と、要件を満たす対面回。この両方を計画的に配置できれば、連携体制はぐっと回しやすくなります。御院の体制づくりが前に進むことを願っています。
【根拠資料】疑義解釈資料の送付について(その4)問26/疑義解釈資料の送付について(その2)問89。実際の届出・運用にあたっては、必ず原文および所管の厚生局へご確認ください。
♥ 0いいねをした人: いません -
投稿者投稿