フォーラムへの返信
-
投稿者投稿
-
令和6年開業のクリニックでの事務、おつかれさまです。比較の基準となる令和6年3月時点が存在しないと、自院は届出の対象外なのかと不安になられるのは当然です。結論から申し上げると、ご質問者様の解釈で合っています。令和6年3月時点との比較ができなくても、継続的な賃上げの取組に係る施設基準の届出はできます。開業時点の給与体系に基づく基本給等総額と、算定する月時点の基本給等総額とを比較し、水準を満たせばよいのです。この回答では、比較ができない場合の代替の方法を整理します。
ポイントは3つです。第一に、令和6年3月時点との比較ができなくても、届出は可能です。第二に、その場合は、開業時点の給与体系に基づく基本給等総額を比較の起点にします。第三に、開業時点と算定する月時点とを比較し、水準を満たせば届出できます。以下、順に解説します。
1. 令和6年3月時点との比較ができなくても届出は可能
令和6年3月時点との比較ができない場合でも、継続的な賃上げの取組に係る施設基準の届出はできます。疑義解釈資料(その5)問5は、この点を示しています。同問は、令和6年4月以降令和8年5月以前に開業し、ベースアップ評価料(Ⅰ)を届け出ていない医療機関等について、令和6年3月時点の基本給等総額と比較を行うことができないが、届出を行うことはできないのか、という問いを扱っています。これに対し、一定の方法によれば届出を行うことができる、と回答しています。つまり、令和6年3月時点が存在しないこと自体は、届出を諦める理由にはならない、ということです。
2. その場合は開業時点の給与体系に基づく基本給等総額を起点にする
令和6年3月時点が使えない場合は、開業時点の給与体系を比較の起点にします。問5は、比較の起点となる代替の基準を示しています。具体的には、令和6年3月時点ではなく、開業時点における給与体系に基づく基本給等総額を用いる、とされています。つまり、自院に存在しない過去の時点を無理に使うのではなく、実際に給与体系が始まった開業時点を、比較の出発点に置き換える、という考え方です。ご質問者様のように令和6年4月以降に開業した院では、この開業時点が比較の基準になります。
3. 開業時点と算定する月時点とを比較し水準を満たせば届出できる
起点を開業時点に置き換えたうえで、算定する月時点と比較します。問5は、開業時点における給与体系に基づく基本給等総額と、当該評価料を算定する月時点の基本給等総額とを比較し、施設基準に定める水準を満たす場合には、継続的な賃上げの取組に係る施設基準を満たすものとして届出を行うことができる、としています。つまり、比較の構造そのものは通常と同じで、起点だけが令和6年3月時点から開業時点に入れ替わる、と整理すると分かりやすくなります。
比較の起点が入れ替わるだけで、満たすべき水準は同じである点に注意が必要です。通常の医療機関が令和6年3月時点を起点にするのに対し、令和6年4月以降に開業した院は開業時点を起点にします。起点は異なりますが、施設基準に定める水準を満たす必要があるという点は共通です。起点の置き換えが認められているだけで、求められる賃上げの水準が緩和されるわけではない、とご理解ください。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、開業時点の給与体系に基づく基本給等総額を確定させましょう。これが比較の起点になります。開業時の給与表と、当時の対象職員の基本給等を整理し、起点となる総額を明確にしておくと、比較の準備が整います。
次に、算定する月時点の基本給等総額を算出し、開業時点との比較を行ってください。両者を比較し、施設基準に定める水準を満たしているかを確認します。水準を満たしていれば、継続的な賃上げの取組に係る施設基準の届出が可能です。満たしていない場合は、賃上げの上積みを検討することになります。
最後に、根拠を院内で共有しておきましょう。疑義解釈資料(その5)問5を印刷し、届出のファイルに綴じておくと、令和6年3月時点が存在しない理由と、開業時点を起点にする扱いを、明確に説明できます。来年度以降の担当者への引継ぎにも役立ちます。
まとめ
令和6年4月以降に開業し、ベースアップ評価料(Ⅰ)を届け出ていない医療機関でも、継続的な賃上げの取組に係る施設基準の届出はできます。令和6年3月時点との比較ができない場合は、開業時点の給与体系に基づく基本給等総額を起点とし、算定する月時点と比較して水準を満たせばよいのです。起点が入れ替わるだけで、満たすべき水準は同じです。根拠は疑義解釈資料(その5)問5です。まずは、開業時点の基本給等総額を確定させることから始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いません人事での継続的な賃上げの取組の確認、おつかれさまです。定期昇給や定年後再雇用が絡むと、何と何を比べればよいのか見えにくく、判断に迷われるのは当然です。結論から申し上げると、ご質問者様の解釈で合っています。定期昇給があった場合も、定年後の継続雇用があった場合も、比較の方法は同じです。算定する月時点の基本給等の合計と、その時点の職位等を令和6年3月時点の給与体系に当てはめた場合の合計とを比較します。この回答では、比較の2つの軸と、給与が動いても方法が変わらない理由を整理します。
ポイントは3つです。第一に、比較の一方の軸は、算定する月時点の基本給等の合計です。第二に、もう一方の軸は、その時点の職位等を令和6年3月時点の給与体系に当てはめた場合の合計です。第三に、定期昇給でも定年後再雇用でも、この比較の方法は変わりません。以下、順に解説します。
1. 比較の一方の軸は「算定する月時点の基本給等の合計」
比較の一方の軸は、当該評価料を算定する月時点の基本給等の合計です。疑義解釈資料(その5)問4は、この点を示しています。同問は、定期昇給や定年後の継続雇用による給与の変動があった場合の比較方法を問う問いに対し、比較する一方を「当該評価料を算定する月時点の基本給等の合計」としています。つまり、比較の起点は、過去の給与ではなく、評価料を算定している現在の月の基本給等である、ということです。
2. もう一方の軸は「その時点の職位等を令和6年3月の給与体系に当てはめた合計」
もう一方の軸は、算定する月時点の職位等を、令和6年3月時点の給与体系に当てはめた場合の基本給等の合計です。問4は、比較するもう一方を「当該評価料を算定する月時点の職位等に基づき、令和6年3月時点の給与体系に当該職位等を当てはめた場合の基本給等の合計」としています。ここで当てはめるのは、令和6年3月時点の給与「体系」であって、令和6年3月時点の給与「額」そのものではありません。現在の職位を、過去の給与表に当てはめ直して算出する、という考え方です。
2つの軸の違いを押さえておくことが大切です。一方は現在の給与体系での基本給等、もう一方は同じ職位を過去の給与体系に当てはめた基本給等です。職位という条件をそろえたうえで、給与体系の新旧だけを入れ替えて比べる、という構造になっています。これにより、給与体系そのものがどれだけ引き上げられたかを測れる、とご理解ください。
3. 定期昇給でも定年後再雇用でも比較の方法は変わらない
給与が変動する事情があっても、この比較の方法は変わりません。問4は、定期昇給による変動の場合も、定年後の継続雇用による変動の場合も、「いずれの場合においても」同じ方法で比較する、としています。つまり、定期昇給で給与が上がった職員も、定年後の再雇用で給与が変わった職員も、扱いは同一です。算定する月時点の基本給等と、その時点の職位等を令和6年3月時点の給与体系に当てはめた基本給等とを比べる、という一本の方法に統一されています。
給与変動の事情ごとに方法を変える必要はない点に注意が必要です。定期昇給と定年後再雇用は、給与が動く理由としては異なります。しかし、比較の方法という点では、どちらも同じ手順で扱います。事情の違いに惑わされず、2つの軸で比べるという一本の方法に当てはめれば足りる、と整理しておくと迷いません。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、対象職員の「算定する月時点の職位等」を確定させましょう。比較の両方の軸が、この職位等を出発点にしています。定期昇給後・定年後再雇用後の現在の職位を正確に把握しておけば、2つの軸の算出がぶれずに進みます。
次に、令和6年3月時点の給与体系(給与表)を、比較に使える形で手元に揃えてください。もう一方の軸は、現在の職位をこの過去の給与体系に当てはめて算出します。令和6年3月時点の給与表が参照できる状態にしておくと、当てはめの計算がスムーズに進みます。
最後に、根拠を人事内で共有しておきましょう。疑義解釈資料(その5)問4を印刷し、施設基準のファイルに綴じておくと、定期昇給や定年後再雇用がある職員の比較方法を、迷わず確認できます。来年度以降の担当者への引継ぎにも役立ちます。
まとめ
継続的な賃上げの取組に係る施設基準の比較では、算定する月時点の基本給等の合計と、その時点の職位等を令和6年3月時点の給与体系に当てはめた場合の合計とを比べます。定期昇給があった場合も、定年後の継続雇用があった場合も、この比較の方法は変わりません。根拠は疑義解釈資料(その5)問4です。まずは、対象職員の算定する月時点の職位等を確定させることから始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いません経営企画でのベースアップ評価料の運用設計、おつかれさまです。繰越要件が削除されたと聞くと、残余が出たときにどう扱えばよいのか、不安になられるのは当然です。結論から申し上げると、ご質問者様の解釈で合っています。改定後は、原則として得た収入を翌年度へ繰り越すことはできません。ただし、患者数の変動でやむを得ず残余が出た場合には、一定の範囲で充当が認められます。この回答では、繰越の原則と、残余が出たときの例外的な扱いを整理します。
ポイントは3つです。第一に、改定後は、得た収入を原則としてその年度内の賃金改善に用います。第二に、これは令和8年度・令和9年度に段階的に引上げを行う措置を踏まえたものです。第三に、患者数の変動でやむを得ず残余が出た場合には、一定の範囲で充当が認められます。以下、順に解説します。
1. 改定後は得た収入を原則としてその年度内の賃金改善に用いる
改定後は、得た収入を原則としてその年度内の賃金改善に用いる必要があります。疑義解釈資料(その2)問6は、この点を示しています。同問は、繰り越しに係る要件が削除されたが、得られた収入を翌年度の賃金改善に用いるために繰り越すことは認められないのか、という問いに対し、令和8年6月から令和9年5月までに得られた収入は、原則として令和9年5月までの賃金改善に用いる必要がある、と回答しています。あわせて、令和9年度についても同様、とされています。つまり、得た収入はその算定期間内に使い切るのが原則、ということです。
2. 段階的な引上げ措置を踏まえた取扱い
原則としてその年度内に用いるのは、段階的な引上げ措置を踏まえたものです。問6は、令和8年度・令和9年度において、段階的にベースアップ評価料により得られる収入を引き上げる措置が講じられていることを、その理由として示しています。年度ごとに収入が引き上げられていく仕組みであるため、得た収入を翌年度へ持ち越すのではなく、その年度の賃金改善に充てる、という考え方です。改定前の繰越を前提とした運用とは、考え方が変わった点に注意が必要です。
3. やむを得ず残余が出た場合は一定の範囲で充当が認められる
原則は年度内ですが、やむを得ず残余が出た場合には例外が認められます。問6は、それまでの患者数等に基づいて収入額および賃金改善額を見積もったにもかかわらず、患者数等の変動により、収入額が確定した後にやむを得ず残余が生じた場合について、例外を示しています。具体的には、該当年度の実績報告書を提出する8月までの対象職員への賃金改善分に充当し、当該充当分を含めて報告して差し支えない、とされています。つまり、見積もりを適切に行ったうえで生じた残余に限り、翌年度の8月までの賃金改善に充てられる、ということです。
例外が認められるのは、あくまで見積もりを適切に行ったうえでの残余に限られる点に注意が必要です。問6は、患者数等に基づいて収入額と賃金改善額を見積もったにもかかわらず、変動でやむを得ず残余が生じた場合、という条件を置いています。見積もりを行わずに残余を出した場合や、意図的に使い残した場合は、この例外には当たりません。適切な見積もりが前提である、とご理解ください。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、患者数の見込みに基づく収入額と賃金改善額の見積もりを、根拠とともに残しておきましょう。例外的な充当が認められるのは、適切に見積もったうえで残余が出た場合に限られます。見積もりの前提と計算過程を文書で残しておくと、残余が出た際に正当性を示せます。
次に、年度内に収入を使い切る配分を基本として運用してください。原則は、得た収入をその算定期間内の賃金改善に用いることです。年度の途中で収入と賃金改善額の差を定期的に確認し、年度内で過不足が出ないよう配分を調整しておくと安心です。
最後に、残余が生じた場合は、翌年度8月までの賃金改善への充当を計画してください。やむを得ず残余が出たときは、実績報告書を提出する8月までの賃金改善分に充て、その充当分を含めて報告します。根拠として疑義解釈資料(その2)問6を綴じておくと、説明や引継ぎがスムーズになります。
まとめ
改定後は、得た収入を原則としてその算定期間内の賃金改善に用います。これは令和8年度・令和9年度に段階的に引上げを行う措置を踏まえたものです。ただし、患者数の見込みを適切に立てたうえで、やむを得ず残余が出た場合には、実績報告書を提出する8月までの賃金改善に充当できます。根拠は疑義解釈資料(その2)問6です。まずは、収入額と賃金改善額の見積もりを根拠とともに残しておくことから始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いません労務・社会保険のご担当、おつかれさまです。賃上げに連動して動く法定福利費は、どこまで含めるのか線引きが細かく、整理に苦労されるのは当然です。結論から申し上げると、法定福利費として計上できるのは、賃金改善に応じた事業者負担の増加分です。健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険などの法定の保険料が対象で、任意加入のものは含みません。また、増加分は実額でなく概算でも算出できます。この回答では、対象となる範囲と、計算上の留意点を整理します。
ポイントは3つです。第一に、対象は賃金改善に応じた法定福利費の事業者負担の増加分です。第二に、任意加入の制度に係る増加分は含みません。第三に、増加分は概算によって算出することもできます。以下、順に解説します。
1. 対象は賃金改善に応じた法定福利費の事業者負担の増加分
法定福利費として計上できるのは、賃金改善に応じて増えた事業者負担の増加分です。疑義解釈資料(その3)問1は、その範囲を示しています。同問は、賃金改善に伴い増加する法定福利費として、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、子ども・子育て拠出金、雇用保険料、労災保険料等における、賃金改善に応じた事業者負担の増加分を想定する、と回答しています。つまり、ご質問にあった雇用保険料・労災保険料・子ども・子育て拠出金も、これらの法定の保険料に含まれる、ということです。
2. 任意加入の制度に係る増加分は含まない
法定の保険料が対象である一方で、任意加入のものは含みません。問1は、任意加入とされている制度に係る増加分は含まないものとする、としています。具体例として、退職手当共済制度等における掛金等が挙げられています。あわせて、企業型確定拠出年金の掛金についても含まない、と明記されています。つまり、ご質問にあった退職手当共済の掛金や、企業型確定拠出年金の掛金は、いずれも法定福利費の計上対象から外れる、とご理解ください。
法定か任意かで線引きされる点に注意が必要です。健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険のように法律で加入が定められたものは対象になりますが、退職手当共済や企業型確定拠出年金のように任意加入のものは対象になりません。加入が義務か任意かを軸に判断する、と整理しておくと迷いません。福利厚生として支出していても、任意加入のものは計上できない点を押さえておくことが大切です。
3. 増加分は概算によって算出することもできる
計上にあたっては、増加分を概算で算出することも認められています。問1は、実績報告書の記載における法定福利費の額の計算について、合理的な方法に基づく概算によることができる、としています。そのうえで、概算の場合は最大16.5%とされています。つまり、賃金改善額に対して、合理的な範囲で概算割合を用いて法定福利費を算出してよい、ということです。一件ずつ実額を積み上げなくても、概算で計上できる余地がある、と押さえておくと、報告書作成の負担が軽くなります。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、計上対象とする保険料を法定のものに絞り込みましょう。健康保険・介護保険・厚生年金・子ども・子育て拠出金・雇用保険・労災保険といった、法定の保険料の事業者負担増加分が対象です。退職手当共済や企業型確定拠出年金の掛金は対象から外す、と仕分けを明確にしておくと安心です。
次に、増加分を実額で出すか、概算で出すかを決めてください。概算による場合は最大16.5%の範囲で、合理的な方法を選びます。実額の集計が負担になる場合は、概算割合を用いる方法を検討すると、報告書作成がスムーズになります。
最後に、根拠を労務・経理内で共有しておきましょう。疑義解釈資料(その3)問1を印刷し、報告書のファイルに綴じておくと、対象となる保険料の範囲と概算の上限を、迷わず確認できます。来年度以降の担当者への引継ぎにも役立ちます。
まとめ
賃金改善に伴い増加する法定福利費として計上できるのは、健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険などの法定の保険料における、事業者負担の増加分です。退職手当共済や企業型確定拠出年金のような任意加入の掛金は含みません。増加分は、合理的な方法に基づく概算(最大16.5%)によって算出することもできます。根拠は疑義解釈資料(その3)問1です。まずは、計上対象を法定の保険料に絞り込むことから始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いません本部所属というお立場で、自分が対象に含まれるのか気にされるお気持ち、よくわかります。形式上の所属と、実際にやっている仕事がずれていると、なおさら判断に迷いますね。結論から申し上げると、ご質問者様の解釈で合っています。形式上は法人本部の所属でも、実態として主にその病院の業務を行っている場合は、対象職員に含まれます。所属の肩書きではなく、どこの業務を主に担っているかで判断する、という考え方です。この回答では、対象に含まれる条件と、判断の軸を整理します。
ポイントは3つです。第一に、本部所属でも、主にその病院の業務を行っていれば対象に含まれます。第二に、判断の軸は、所属の形式ではなく業務の実態です。第三に、「主として」その病院の業務を行っているかが、含める・含めないの分かれ目になります。以下、順に解説します。
1. 本部所属でも主にその病院の業務を行えば対象に含まれる
法人本部に所属していても、実態としてその病院の業務を行っている場合は、対象職員に含まれます。疑義解釈資料(その5)問8は、この点を示しています。同問は、対象職員について「当該保険医療機関に勤務する職員」とあるが、法人本部に所属する職員が、実態として保険医療機関における業務を行う場合は対象職員に含まれるのか、という問いに対し、「主として当該保険医療機関における業務を行っている場合には、対象職員に含まれる」と回答しています。つまり、本部所属という形式だけを理由に、対象から外れるわけではない、ということです。
2. 判断の軸は所属の形式ではなく業務の実態
含めるかどうかは、所属の肩書きではなく、業務の実態で判断します。問8の趣旨は、「当該保険医療機関に勤務する職員」という文言を、形式上の所属ではなく、実際にどこの業務を担っているかで読み解く点にあります。したがって、ご質問者様のように、本部所属でありながら、ほぼ毎日その病院の医事課業務を担当している場合は、実態に即してその病院の対象職員として扱われます。所属が本部だから対象外、と一律に判断するものではない、とご理解ください。
3. 「主として」その病院の業務を行っているかが分かれ目
実態で判断するうえで、鍵となるのが「主として」という条件です。問8は、対象に含まれるのを「主として当該保険医療機関における業務を行っている場合」としています。つまり、その病院の業務を主に担っているかどうかが、含める・含めないの分かれ目になります。複数の施設に分散して関わっている場合は、どの施設の業務を主に行っているかを見極める必要があります。逆に、本部業務が中心で、その病院の業務はごく一部にとどまる場合は、当てはまらない可能性がある、と整理しておくと迷いません。
「主として」の判断は、業務の比重に着目する点に注意が必要です。形式上の所属でも、勤務時間や業務の大半をその病院に充てているなら、その病院の対象職員に含まれます。一方で、肩書きが本部所属というだけでは、対象に含まれるとも外れるとも決まりません。あくまで業務の比重で判断する、という軸を押さえておくことが大切です。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、ご自身の業務がどの施設に、どれだけの比重で割かれているかを整理しましょう。本部業務とその病院の業務とで、勤務時間や担当範囲の比重を把握します。その病院の業務が主であれば、対象職員に含まれる方向で整理が進みます。
次に、所属先である本部と、業務先である病院の双方の事務担当に、対象職員の扱いを確認してみてください。本部所属の職員の扱いは、所属と業務先がまたがるため、認識のずれが起こりやすい部分です。ご自身が対象職員に含まれているかを、双方に一度たずねてみると、状況が見えやすくなります。
最後に、根拠として疑義解釈資料(その5)問8を示しながら相談すると、話が具体的に進みやすくなります。本部所属でも実態で判断される、という根拠を共有しておくと、双方の事務担当も判断しやすくなります。来年度以降の引継ぎにも役立ちます。
まとめ
法人本部に所属していても、実態として主にその病院の業務を行っている場合は、対象職員に含まれます。判断の軸は、所属の形式ではなく業務の実態です。「主として」その病院の業務を行っているかが、含める・含めないの分かれ目になります。根拠は疑義解釈資料(その5)問8です。まずは、ご自身の業務がどの施設にどれだけの比重で割かれているかを整理することから始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いません経理での繰越金の処理、おつかれさまです。改定をまたいだ繰越分は、いつまでに使うのか、どの欄に書くのか、判断材料が見えにくく、整理に苦労されるのは当然です。結論から申し上げると、ご質問者様の解釈で合っています。改定前の繰越分は、令和8年12月までに賃金改善を行う必要があります。そして報告書では、繰越額を「前年度からの繰越額」の欄に記載します。この回答では、繰越分の充当期限と、報告書への記載方法を整理します。
ポイントは3つです。第一に、改定前の繰越分は、令和8年12月までに賃金改善を行う必要があります。第二に、繰越額は報告書の「前年度からの繰越額」の欄に記載します。第三に、対象職員への実績は「ベア等に伴う賞与・時間外手当・法定福利費等の増加分に用いた額」に記載します。以下、順に解説します。
1. 改定前の繰越分は令和8年12月までに賃金改善を行う
令和7年度から繰り越した改定前の収入は、令和8年12月までに賃金改善へ充てる必要があります。疑義解釈資料(その5)問1は、この点を示しています。同問は、改定後のベースアップ評価料には収入の繰り越しに係る規定はないが、改定前のベースアップ評価料等による収入を令和8年度に繰り越した場合の取扱いを問う問いに対し、「令和8年度診療報酬改定前の施設基準に基づき、令和8年12月までに賃金の改善措置を行う必要がある」と回答しています。つまり、繰越分は改定前のルールに従って、令和8年12月という期限までに使い切る、ということです。
2. 繰越額は報告書の「前年度からの繰越額」の欄に記載する
充当した繰越分は、報告書の所定の欄に記載します。問1は、報告書への記載方法も示しています。具体的には、令和7年度のベースアップ評価料による収入の繰越額を、令和8年度の賃金改善実績報告書の「前年度からの繰越額(令和8年度分報告時のみ記載)」の欄に記載する、とされています。この欄は令和8年度分の報告時にのみ記載するものである点も、あわせて押さえておくと安心です。つまり、繰越額の入口は、この専用の欄に記載する、ということです。
3. 対象職員への実績は「ベア等に伴う増加分」の欄に記載する
繰越額を記載する一方で、それを対象職員にどう充てたかも報告します。問1は、対象職員への実績の記載先も示しています。具体的には、対象職員への実績として、「ベア等に伴う賞与、時間外手当、法定福利費(事業者負担分等を含む。)等の増加分に用いた額」の欄に記載する、とされています。つまり、繰越額は「前年度からの繰越額」の欄に、その使い道は「ベア等に伴う増加分」の欄に、と入口と出口を分けて記載する、と整理しておくと迷いません。
2つの欄を使い分ける点に注意が必要です。繰り越してきた金額そのものは「前年度からの繰越額」へ、その繰越額を賃金改善に充てた実績は「ベア等に伴う増加分」へと、記載先が分かれます。一方の欄だけで完結させようとすると、繰越額の流れが報告書上で追えなくなります。入口と出口をそれぞれの欄に書くことで、繰越分の処理が正しく示せる、とご理解ください。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、令和7年度から繰り越した改定前収入の金額を確定させましょう。賃金改善に使い切れずに残った額がいくらかを、令和7年度の実績から正確に把握します。繰越額が確定すれば、報告書の「前年度からの繰越額」の欄に記載する数字が定まります。
次に、令和8年12月までに繰越分を賃金改善へ充てる計画を立ててください。改定前の繰越分には令和8年12月という期限があります。賞与や手当など、どの形で対象職員に充てるかを早めに決め、期限内に確実に実施できる段取りを組んでおくと安心です。
最後に、根拠を経理内で共有しておきましょう。疑義解釈資料(その5)問1を印刷し、報告書のファイルに綴じておくと、繰越分の期限と記載欄を、迷わず確認できます。来年度以降の担当者への引継ぎにも役立ちます。
まとめ
令和7年度から繰り越した改定前のベースアップ評価料による収入は、令和8年12月までに賃金改善へ充てる必要があります。報告書では、繰越額を「前年度からの繰越額(令和8年度分報告時のみ記載)」の欄に、その使い道を「ベア等に伴う増加分」の欄に、それぞれ記載します。根拠は疑義解釈資料(その5)問1です。まずは、令和7年度から繰り越した改定前収入の金額を確定させることから始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いませんその解釈は、残念ながら誤りです。全身麻酔を伴っても、対象手術の一覧に載っていない手術では入院手術対応加算を算定できません。要件アは、あくまで「対象手術を行う患者」が満たすべき条件の一つだからです。全身麻酔の有無だけで加算が決まるわけではありません。本稿では、要件アと対象手術の関係を整理してお伝えします。
整理すると、二つの条件を同時に満たす必要があります。第一に、告示「注3」に列挙された対象手術を行うことです。第二に、要件ア・イ・ウのいずれかに該当することです。要件アの全身麻酔は、この二つ目の条件にあたります。土台となる対象手術がなければ、要件アを満たしても加算は算定できません。
対象手術であることが、加算の大前提です
入院手術対応加算の対象手術は、告示「注3」に限定列挙されています。この一覧に載っている手術を行うことが、加算の出発点です。一覧にない手術は、たとえ閉鎖循環式全身麻酔で実施しても、加算の対象になりません。まずは予定している手術が一覧に含まれるかをご確認ください。
この対象手術は、短期滞在手術等基本料3の対象手術とも連動しています。基本料3を算定できる対象手術のうち、さらに「注3」で指定されたものだけが加算の対象です。基本料3が算定できても、加算の対象手術一覧になければ加算は算定できません。対象手術の範囲を、二段階で確認する必要があります。
要件アは、対象手術を行う患者の条件の一つです
要件アは、対象手術を行う患者が満たすべき条件にすぎません。通知(17)は、対象手術を行う場合に、要件ア・イ・ウのいずれかに該当すれば加算できると定めています。要件アは、その選択肢の一つとして全身麻酔を挙げているだけです。全身麻酔が加算そのものを生み出すわけではありません。
この要件アの全身麻酔は、「L008」声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴う閉鎖循環式全身麻酔を指します。対象手術をこの全身麻酔で行えば、要件アを満たします。逆に、対象手術であっても局所麻酔で行う場合は、要件アではなく要件イや要件ウへの該当を検討することになります。要件は、患者の状態に応じて使い分ける仕組みです。
二段階で確認すると、判断を誤りません
加算の可否は、二段階で確認すると確実です。第一段階で、予定の手術が告示「注3」の対象手術一覧にあるかを確認します。第二段階で、要件ア・イ・ウのいずれかに該当するかを確認します。両方が「はい」のときに限り、入院手術対応加算を算定できます。
ご質問のケースに当てはめると、対象手術一覧にない手術は第一段階で外れます。第一段階で外れる以上、要件アを満たしても加算は算定できません。順番を「対象手術が先、要件は後」と固定しておくと、全身麻酔の有無に引きずられずに判断できます。
現場での確認手順
まずは、予定している手術が告示「注3」の対象手術一覧にあるかをご確認ください。一覧にない手術は、麻酔の種類を問わず加算の対象外です。対象手術の一覧を医事課で共有しておくと、確認がスムーズになります。
次に、対象手術である場合に限り、要件ア・イ・ウへの該当を確認してください。全身麻酔なら要件ア、偶発症リスクが高ければ要件イ、全身状態が不良なら要件ウです。患者の状態に合わせて、該当する要件を選びましょう。
最後に、要件イや要件ウに該当する場合は、その根拠を診療録へ残しておきましょう。全身麻酔の要件アと異なり、要件イ・ウは個別判断にもとづくためです。判断根拠を記録しておくと、後日の説明がしやすくなります。
改めて整理します。全身麻酔を伴っても、対象手術でなければ入院手術対応加算は算定できません。対象手術であることが大前提で、要件アはその上での条件の一つです。対象手術かどうかを先に確認する手順を、ぜひ徹底してください。
♥ 0いいねをした人: いません結論から申し上げます。入院手術対応加算について、算定理由を診療報酬明細書の摘要欄へ記載する必要はありません。算定要件を定めた通知にも、ご指摘の記載要領にも、摘要欄記載の定めがないためです。記載要領まで確認されたご判断は、まさに正しい着眼点です。本稿では、記載が不要である根拠と、診療録への記録との違いを整理してお伝えします。
整理すると、三つのポイントになります。第一に、算定要件を定めた通知(17)には摘要欄記載の要件がない点です。第二に、ご確認のとおり記載要領にも入院手術対応加算の摘要欄記載は明記されていない点です。第三に、過去のトピックで推奨した「診療録への記録」は、摘要欄記載とは別の話である点です。
通知(17)には、摘要欄記載の要件がありません
入院手術対応加算の算定要件は、通知(17)に定められています。この通知(17)は、診療所を除く保険医療機関であること、基本料3を算定すること、そして三つの要件のいずれかに該当することを求めています。しかし、その理由を摘要欄へ記載せよという定めは置かれていません。算定要件と記載要件は、明確に区別されています。
短期滞在手術等基本料には、摘要欄記載を求める規定が別に存在します。たとえば通知(14)は基本料を算定しない理由の記載を、通知(15)は基本料1の対象手術の記載を求めています。これらはいずれも特定の場面に限った記載要件です。入院手術対応加算は、これらの記載要件の対象に含まれていません。
記載要領にも、入院手術対応加算の記載は明記されていません
ご確認のとおり、記載要領にも入院手術対応加算の摘要欄記載は明記されていません。摘要欄への記載が必要な項目は、原則として記載要領に列挙されます。その記載要領に項目がないということは、記載が義務づけられていないことを意味します。ご自身で記載要領まで確認されたうえでのご質問でしたので、その結論で問題ありません。
したがって、現時点では摘要欄に算定理由を書く必要はありません。通知にも記載要領にも定めがない以上、記載は任意の対応となります。要件ア・イ・ウのいずれに該当するかを摘要欄に書かなくても、算定要件を満たしていれば算定は適正です。
診療録への記録と、摘要欄記載は別の話です
過去のトピックで推奨したのは、摘要欄記載ではなく診療録への記録です。この二つは目的も性格も異なります。摘要欄記載は、レセプト上で算定根拠を示すための義務的な記載です。一方、診療録への記録は、要件該当の判断根拠を診療上残しておくための任意の備えです。
診療録への記録は、義務ではないものの引き続きお勧めします。要件イや要件ウは、患者の病態という個別判断に基づく要件だからです。たとえば「全身状態が不良である」と判断した根拠を診療録に残しておくと、後日の照会や個別指導の際に説明しやすくなります。レセプトに書く必要はありませんが、診療録に一言あると安心です。
現場での対応
まずは、摘要欄への記載を必須項目から外して運用してください。記載がなくても算定は適正です。記載要領を確認済みとのことですので、自信を持って運用を進めていただいて差し支えありません。
次に、要件該当の根拠を診療録へ残す運用は続けてください。摘要欄は不要でも、診療録への記録は審査対応の備えになります。主治医に一言の記載を依頼しておくと、現場の負担も大きくなりません。
最後に、今後の疑義解釈に目を通しておいてください。入院手術対応加算は令和8年度の新設項目です。運用の細部について、今後の事務連絡で記載要件が追加される可能性は残ります。新しい疑義解釈が出た際に、摘要欄記載の追加がないかをご確認ください。
改めて整理します。入院手術対応加算の算定理由を、摘要欄に記載する必要はありません。通知にも記載要領にも定めがないためです。診療録への記録は別の備えとして、引き続き残しておかれることをお勧めします。
♥ 0いいねをした人: いませんご提示のケースは、入院手術対応加算をそのまま算定できます。この加算は、入院5日以内に対象手術を行ったことへの評価だからです。入院3日目に手術を実施されているため、6日目以降に入院が延びても加算は取り消されません。一方、6日目以降の費用は出来高で算定します。本稿では、加算の取扱いと6日目以降の費用を、通知の規定にそって整理します。
結論として、二つのポイントを押さえれば判断できます。第一に、入院手術対応加算は5日以内の手術実施で評価されるため、その後の入院延長では算定できなくならない点です。第二に、6日目以降の費用は短期滞在手術等基本料3に含まれず、出来高で算定する点です。手術日と算定区分を分けて考えると、整理しやすくなります。
入院手術対応加算は、5日以内の手術実施で評価されます
入院手術対応加算は、入院した日から5日までの期間に対象手術を行った場合に算定できます。告示「注3」が、対象手術を「入院した日から起算して5日までの期間に限る」として算定を認めているためです。ご提示の患者は入院3日目に手術を実施されており、この期間の要件を満たしています。
この5日以内の実施という要件を満たした以上、その後の入院延長は加算に影響しません。加算はあくまで手術を行った時点の状況に対する評価だからです。したがって、6日目以降も入院が必要になっても、いったん算定要件を満たした入院手術対応加算は算定できます。ご提示の透析患者は全身状態が不良とのことですので、算定要件ウ(原疾患により全身状態が不良である場合)に該当しうる状態です。
6日目以降の費用は、出来高で算定します
6日目以降に入院が必要な場合は、その費用を出来高で算定します。通知(8)は、基本料3を算定する患者で6日目以降も入院が必要なときは、6日目以降の療養費用を第1章基本診療料及び第2章特掲診療料に基づき算定すると定めています。つまり、短期滞在手術等基本料3がカバーするのは入院1日目から5日目までです。
この出来高算定では、6日目以降の入院料や検査料などを個別に積み上げます。短期滞在手術等基本料3は1日目から5日目までの包括点数として算定し、それに入院手術対応加算を上乗せします。6日目以降は別建てで出来高算定する、という二段構えで整理してください。
透析患者ならではの注意点もあります
透析患者の場合は、人工腎臓の費用が基本料3に含まれない点にご注意ください。告示「注5」及び通知(7)は、「J038」人工腎臓を基本料3の包括対象から除外しています。したがって、入院期間中に行った人工腎臓は、基本料3とは別に算定できます。シャント拡張術と人工腎臓を混同しないよう、区分してレセプトを作成しましょう。
あわせて、再入院の取扱いもご確認ください。通知(2)は、同一の疾病につき退院から7日以内に再入院した場合、基本料3を算定しないと定めています。透析患者は再入院が起こりやすいため、退院後の経過にも注意が必要です。基本料3が算定できなければ、入院手術対応加算も算定できなくなります。
現場での確認手順
まずは、手術日が入院5日以内に収まっているかをご確認ください。5日以内であれば、入院延長があっても加算は算定できます。手術日と入院日の関係を、算定前にチェックしておきましょう。
次に、6日目以降の費用を出来高で算定する準備を進めてください。1日目から5日目までの基本料3と、6日目以降の出来高を、レセプト上で明確に分けて記載します。算定区分を分けておくと、審査時の説明がスムーズです。
最後に、要件ウに該当する根拠を診療録へ残しておきましょう。全身状態が不良であると判断した根拠を記録しておくと、加算の妥当性を説明しやすくなります。主治医に一言の記載を依頼しておくと安心です。
改めて整理します。入院手術対応加算は、5日以内に手術を実施していれば、その後の入院延長があっても算定できます。6日目以降の費用は、基本料3とは別に出来高で算定してください。手術日と算定区分を分けて考えることが、判断の鍵です。
♥ 0いいねをした人: いませんご質問の二つのケースは、算定の可否が分かれます。①の両眼に同じ手術を行う場合は、入院手術対応加算を算定できます。一方、②の異なる2種類の手術を行う場合は、加算を算定できません。判断の分かれ目は、短期滞在手術等基本料3そのものを算定できるかどうかにあります。本稿では、複数手術の取扱いを通知の規定にそって整理します。
結論として、加算の可否は基本料3の可否と連動します。両眼の同一手術は、通知上「2以上の手術」に該当しないため、基本料3を算定できます。異なる2種類の手術は、「2以上の手術」に該当するため、基本料3を算定できません。そして、基本料3を算定できない場合は、入院手術対応加算も算定できません。
①両眼の同一手術は、加算の対象になります
両眼に同じ手術を行う場合は、基本料3を算定できます。通知(6)は、5日以内に対象手術を2以上行うと基本料3を算定しないと定めています。ただし、その注書きで「眼科で同一の手術を両眼に実施した場合等、同一の手術等を複数回実施する場合は含まれない」と明記しています。したがって、両眼のK282水晶体再建術は、この2以上の手術には当たりません。
基本料3を算定できるため、要件を満たせば入院手術対応加算も算定できます。ご提示の患者は糖尿病があり全身状態に不安があるとのことです。これは算定要件ウ(原疾患により全身状態が不良である場合)、又は要件イ(偶発症の重症化の可能性が高い場合)に該当しうる状態です。主治医の判断のもと、該当する根拠を診療録に記録しておきましょう。
②異なる2種類の手術は、基本料3ごと算定できません
異なる2種類の対象手術を5日以内に行う場合は、基本料3を算定できません。通知(6)が、5日以内に対象手術を2以上実施した場合を基本料3の算定対象外と定めているためです。片眼の水晶体再建術と別の対象手術を組み合わせると、まさにこの2以上の手術に該当します。この場合は、基本料3ではなく出来高(医科点数表)で算定します。
基本料3を算定できないため、入院手術対応加算も算定できません。入院手術対応加算は、告示「注3」が基本料3を算定する場合の上乗せと位置づけているためです。①と異なり、土台となる基本料3が成立しない点が分かれ目です。出来高算定では、各手術料や検査料を個別に積み上げて算定することになります。
加算は、基本料3が算定できることが大前提です
入院手術対応加算は、基本料3に連動する加算です。基本料3を算定する場合に限り、その所定点数へ上乗せできます。逆に言えば、再入院や複数手術などで基本料3が算定できなくなると、加算も同時に算定できなくなります。まずは基本料3を算定できるかを判断し、その後に加算の要件を確認する流れが確実です。
なお、加算の点数は手術ごとに告示で定められています。K282水晶体再建術の「1」「ロ」(片側)の加算は548点です。両眼で実施する場合の点数の取扱いについては、告示が片側を基準に規定していますので、地方厚生局へ事前にご確認いただくと確実です。
現場での確認手順
まずは、予定している手術の組み合わせを確認してください。同一手術を両眼に行うのか、異なる手術を組み合わせるのかで、算定の道筋が変わります。手術予定の段階で医事課が把握できると、事前のシミュレーションがしやすくなります。
次に、基本料3を算定できるかを先に判定してください。基本料3が成立して初めて、加算の検討に進めます。判定の順番を固定しておくと、算定誤りを防げます。
最後に、要件ウ等に該当する根拠を診療録へ残しておきましょう。糖尿病による全身状態の評価など、加算の根拠を記録しておくと審査時の説明がスムーズです。主治医に一言の記載を依頼しておくと安心です。
改めて整理します。両眼の同一手術は加算を算定でき、異なる2種類の手術は加算を算定できません。鍵は、基本料3を算定できるかどうかにあります。基本料3の可否を先に判断し、その上で加算の要件を確認してください。
病院事務長 岡 大徳
♥ 0いいねをした人: いませんご提示のケースは、入院手術対応加算を算定できます。心疾患という持病により偶発症のリスクが高い患者は、算定要件の一つに該当するためです。ただし、この加算には施設基準の届出が前提となります。短期滞在手術等基本料3を算定しているだけでは、入院手術対応加算は算定できません。本稿では、算定の可否を要件ごとに整理してお伝えします。
結論として、入院手術対応加算の算定には三つの条件をすべて満たす必要があります。第一に、施設基準を地方厚生局長等へ届け出ていることです。第二に、令和8年度改定で定められた三つの算定要件のいずれかを満たすことです。第三に、告示で列挙された対象手術等を行うことです。
前提として、施設基準の届出と基本料3の算定が必要です
入院手術対応加算は、短期滞在手術等基本料3を算定する場合にのみ算定できます。短期滞在手術等基本料1を算定する日帰り手術では、この加算は対象外です。まずは自院がどちらの基本料を算定しているかをご確認ください。貴院は基本料3を算定されているとのことですので、この点は満たしています。
この基本料3の算定に加えて、施設基準の届出が欠かせません。告示「注3」は、施設基準に適合し地方厚生局長等へ届け出た保険医療機関に限り、加算を認めています。したがって、基本料3を算定しているだけでは、入院手術対応加算は自動的には算定できません。届出をしていなければ、要件を満たしても算定はできない点にご注意ください。
なお、診療所はこの加算を算定できません。通知(17)は、算定できる医療機関を「診療所を除く保険医療機関」と明記しています。貴院は急性期病院とのことですので、この要件にも問題はありません。
算定要件は、三つのうちいずれか一つを満たせば足ります
入院手術対応加算は、通知(17)が定める三つの要件のいずれかに該当する場合に算定できます。三つの要件は、いずれも患者の状態に着目したものです。具体的には、次のとおりです。
- 要件ア(全身麻酔):手術に全身麻酔が必要な患者に対し、「L008」声門上器具又は気管挿管による気道確保を伴う閉鎖循環式全身麻酔を伴う場合
- 要件イ(偶発症リスク):患者の病態や内服薬等により、偶発症の発生する可能性、又は偶発症が発生した場合に重症化する可能性が高い場合
- 要件ウ(全身状態不良):原疾患により全身状態が不良である場合
ご提示の患者は、この要件イに該当します。心疾患という持病をお持ちのため、偶発症が発生した場合に重症化する可能性が高いと考えられるためです。全身麻酔を用いない硬化療法であっても、要件イを満たせば算定できます。要件アの全身麻酔は三つの要件の一つにすぎず、必須条件ではありません。
対象手術は限定列挙であり、ご予定の硬化療法も含まれます
入院手術対応加算の対象手術は、告示「注3」に限定列挙されています。ご予定の「K617」下肢静脈瘤手術の「2」硬化療法(一連として)は、この一覧に含まれます。加算の点数は235点です。
主な対象手術と加算点数は、次のとおりです。
区分番号・手術名 加算点数 K268 緑内障手術 6 水晶体再建術併用眼内ドレーン挿入術(片側) 1,043点 K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 2 802点 K823-6 尿失禁手術(ボツリヌス毒素によるもの) 751点 K617-6 下肢静脈瘤血管内塞栓術 645点 K093-2 手根管開放手術(内視鏡下) 568点 K617 下肢静脈瘤手術 2 硬化療法(一連として) 235点 これらの手術は、入院した日から起算して5日までの期間に行うことが条件です。手術が一覧に含まれていても、6日目以降に実施した場合は加算の対象外となります。実施日が入院後5日以内に収まっているかを、あわせてご確認ください。
現場での確認手順
まずは、施設基準の届出状況を医事課でご確認ください。届出が済んでいなければ、要件を満たしても算定はできません。届出がまだの場合は、地方厚生局への届出準備を進めましょう。
次に、要件イに該当する根拠を診療録に残しておくことをお勧めします。通知上の明記はありませんが、心疾患による偶発症リスクの判断根拠を記録しておくと、審査時の説明がしやすくなります。主治医に一言記載をお願いしておくと安心です。
最後に、対象手術と実施日のチェックリストを作成してください。一覧に該当するか、入院後5日以内に実施しているかを、算定前に確認できる仕組みが有効です。レセプト点検の負担も軽くなります。
改めて整理します。ご提示のケースは、入院手術対応加算を算定できます。算定の鍵は、施設基準の届出、三つの要件のいずれかの充足、対象手術の実施という三点です。この三点をそろえて、適正な算定を進めてください。
♥ 0いいねをした人: いませんご質問の答えは、後者です。貴院が特定機能病院へ「診療状況を示す文書」を提供した日に、連携強化診療情報提供料を算定します。術後フォローで患者様が貴院へ戻られる連携は、地域医療でますます増えています。この連携では、算定のタイミングを「お手紙を受け取った日」と取り違えやすく、返戻のもとになります。そこで以下では、算定の正しい起点と、その前提となる要件を整理します。
押さえるべきポイントは、3つです。1つ目は、算定の起点が「貴院による文書の提供」であり、文書の受け取りではない点です。2つ目は、算定の前提に、特定機能病院からの「求め」または「共同管理の合意」が必要な点です。3つ目は、提供する文書に実質的な診療内容を記載し、その写しを診療録へ添付する点です。
算定の起点は「貴院が文書を提供した日」
連携強化診療情報提供料は、診療状況を示す文書を「提供する」保険医療機関が算定する点数です。告示の注1は、文書を「提供した場合」に、「提供する保険医療機関ごとに患者1人につき3月に1回に限り算定する」と定めています。つまり、算定の起点は、貴院が文書を提供する行為です。一方、患者様が特定機能病院のお手紙を持参した行為は、特定機能病院側の文書提供にあたります。この提供は、貴院の算定の起点にはなりません。したがって、貴院は、自院の文書を特定機能病院へ提供した日に算定します。
算定の前提は「求め」または「合意」の確認
算定の前提として、特定機能病院からの「求め」または「共同管理の合意」が必要です。告示の注1は、「当該他の保険医療機関からの求めに応じて、又は当該他の保険医療機関と共同して当該患者の治療管理を継続的に行う旨の合意に基づき」と定めています。この求めや合意は、必ずしも文書で得る必要はありません。ただし、求めがあった事実は、診療録に記載してください(疑義解釈 R4.3.31 その1・問166)。文書で得た場合は、その文書を診療録に添付すれば足ります。
提供する文書には「実質的な内容」と「必須項目」を記載
貴院が提供する文書には、診療状況の実質的な内容を記載します。単に「受診した旨」だけを記した文書では、算定できません(疑義解釈 R2.3.31 その1・問86)。具体的には、診療の方針、患者様への指導内容、検査結果、投薬内容などを記載してください。あわせて、患者様の氏名・生年月日・連絡先、提供先の医療機関名、貴院の名称と担当医師名も記載が必要です。最後に、交付した文書の写しを診療録へ添付してください(通知(2))。
算定前に確認したい4つのポイント
算定の前に、貴院で次の4点を確認しましょう。
- 患者様の同意を得ているか、確認します。同意は算定の必須要件です。
- 同一の特定機能病院へ同月に「B009」診療情報提供料(Ⅰ)を算定していないか、確認します。算定済みの月は、連携強化診療情報提供料を算定できません(注6・通知(6))。
- 算定日が初診料の算定日でないか、確認します。ただし、次回受診日を予約していれば算定できます(注1)。
- 提供先が「特別の関係」にある医療機関でないか、確認します。特別の関係への情報提供は算定できません(通知(7))。
まとめ
もう一度、整理します。貴院の算定タイミングは、特定機能病院へ自院の文書を提供した日です。患者様がお手紙を持参しただけでは、算定できません。算定の前提として、特定機能病院からの「求め」または「合意」を確認し、その事実を診療録へ記載してください。そのうえで、実質的な内容の文書を提供し、写しを診療録へ添付すれば、貴院は自信を持って算定できます。術後の患者様を地域で支える大切な連携です。根拠を診療録にきちんと残し、安心して算定を進めてください。
♥ 0いいねをした人: いません新規開業の事務、おつかれさまです。開業準備で動くことが山ほどあるなか、届出のタイミングまで気にかけられているのは心強い限りです。結論から申し上げると、ご質問者様の解釈で合っています。新設の医療機関でも、届出には対象職員への給与の支払い実績が必要です。そして、必要な実績の期間は評価料の種類によって異なり、届出前の1か月分または3か月分が求められます。この回答では、実績が必要な理由と、評価料ごとに必要な期間を整理します。
ポイントは3つです。第一に、新設の医療機関でも給与の支払い実績が必要です。第二に、(Ⅰ)系などは届出前の1か月分の実績が必要です。第三に、(Ⅱ)系と入院は届出前の3か月分の実績が必要です。以下、順に解説します。
1. 新設の医療機関でも給与の支払い実績が必要
新しく開設した医療機関でも、届出には対象職員への給与の支払い実績が必要です。疑義解釈資料(その2)問3は、この点を示しています。同問は、新設した保険医療機関等がベースアップ評価料の届出を行うにあたって、対象職員に対する給与の支払い実績は必要か、という問いに「必要」と回答しています。つまり、開業したばかりであっても、実績なしに即座に届け出ることはできず、一定期間の給与の支払い実績を積んでから届け出る、ということです。
2. (Ⅰ)系などは届出前の1か月分の実績が必要
必要な実績の期間は、評価料の種類によって分かれます。問3は、まず1か月分の実績で足りる評価料を示しています。具体的には、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)、歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)、調剤ベースアップ評価料、訪問看護ベースアップ評価料(Ⅰ)について、届出前の1か月における給与の支払い実績が必要、とされています。これらの評価料であれば、開業後ひと月分の実績を積めば、届出の要件を満たします。
3. (Ⅱ)系と入院は届出前の3か月分の実績が必要
一方で、より長い実績が求められる評価料もあります。問3は、3か月分の実績が必要な評価料も示しています。具体的には、外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)、歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅱ)、入院ベースアップ評価料、訪問看護ベースアップ評価料(Ⅱ)について、届出前の3か月における給与の支払い実績が必要、とされています。これらの評価料を届け出る場合は、開業後3か月分の実績を積む必要がある、とご理解ください。
(Ⅰ)系と(Ⅱ)系・入院とで、必要な期間が分かれる点に注意が必要です。(Ⅰ)系などは1か月分、(Ⅱ)系と入院は3か月分と、求められる実績の長さが異なります。同じベースアップ評価料でも、どの評価料を届け出るかによって、届出できる時期が変わってきます。開業後すぐに算定を始めたい評価料がどちらに当たるかを、あらかじめ押さえておくことが大切です。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、届け出たい評価料が(Ⅰ)系か、(Ⅱ)系・入院かを確認しましょう。(Ⅰ)系などなら1か月分、(Ⅱ)系・入院なら3か月分の給与の支払い実績が必要です。届け出る評価料が決まれば、必要な実績期間が自動的に定まります。
次に、必要な実績期間から逆算して、届出と算定開始のスケジュールを組んでください。3か月分が必要な評価料を開業直後から算定するのは難しいため、開業日から実績を積む期間を見込んでおく必要があります。給与の支払い実績がいつ揃うかを基準に、届出の時期を計画しておくと安心です。
最後に、根拠を院内で共有しておきましょう。疑義解釈資料(その2)問3を印刷し、開設関連のファイルに綴じておくと、評価料ごとに必要な実績期間を、迷わず確認できます。届出スケジュールを関係者と調整する際の根拠としても役立ちます。
まとめ
新設の医療機関でも、ベースアップ評価料の届出には対象職員への給与の支払い実績が必要です。必要な期間は評価料の種類によって分かれ、(Ⅰ)系などは届出前の1か月分、(Ⅱ)系と入院は届出前の3か月分が求められます。根拠は疑義解釈資料(その2)問3です。まずは、届け出たい評価料が(Ⅰ)系か(Ⅱ)系・入院かを確認することから始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いません総務課での施設基準対応、おつかれさまです。条例改正が絡むと賃上げのタイミングを自由に動かせず、算定開始に間に合うのかと不安になられるのは当然です。結論から申し上げると、ご質問者様の解釈で合っています。賃金改善は、原則として算定開始月から実施します。ただし、条例改正などやむを得ない理由がある場合は、年度末までに算定開始月へ遡及して実施すれば、算定開始月から実施したものとみなせます。この回答では、原則と例外、そして遡及の条件を整理します。
ポイントは3つです。第一に、賃金改善は原則として算定開始月から実施します。第二に、条例改正などやむを得ない理由があれば、年度末までの遡及が認められます。第三に、遡及する場合は、算定開始月または当該年の4月まで遡って実施する必要があります。以下、順に解説します。
1. 賃金改善は原則として算定開始月から実施する
賃金改善は、原則として評価料の算定を開始した月から実施します。疑義解釈資料(その2)問5は、この点を示しています。同問は、賃金の改善は算定開始月から実施する必要があるか、という問いに対し、「原則として算定開始月から賃金改善を実施し、算定する月においては継続する必要がある」と回答しています。つまり、算定を始めた月から賃上げを実施し、算定を続ける間は賃上げも継続する、というのが基本の考え方です。
あわせて、収入の充当には一定の幅も認められています。問5は、6月から翌年5月までの1年間に算定した評価料による収入を、当該年の4月から翌年3月の賃金改善に充てることは差し支えない、としています。算定期間と賃金改善の対象年度に多少のずれがあっても、この範囲での充当は認められる、とご理解ください。
2. やむを得ない理由があれば年度末までの遡及が認められる
原則は算定開始月からですが、やむを得ない理由がある場合には例外が認められます。問5は、条例の改正が必要であること等やむを得ない理由により、算定開始月からの賃金改善が実施困難な場合について、例外を示しています。具体的には、同年度末までに算定開始月へ遡及して賃金改善を実施する場合に限り、算定開始月から実施したものとみなすことができる、とされています。ご質問のように条例改正に時間がかかるケースは、まさにこの例外に当てはまります。
3. 遡及する場合は算定開始月または当該年の4月まで遡る
遡及が認められる一方で、どこまで遡るかも定められています。問5は、遡及の対象を「算定開始月(又は当該年の4月)」と示しています。つまり、年度末までに、算定開始月または当該年の4月まで遡って賃金改善を実施すれば、その月から実施したものとみなされます。年度末という期限と、遡る起点の両方を満たして初めて、原則どおり実施したものと扱われる、と整理しておくと安心です。
遡及はあくまで例外的な取扱いである点には注意が必要です。やむを得ない理由がないのに賃上げを後ろにずらすことは認められず、原則は算定開始月からの実施です。条例改正のように客観的な事情がある場合に限って、年度末までの遡及が認められる、とご理解ください。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、条例改正の見込み時期を確認し、年度末までに間に合うかを見極めましょう。遡及が認められるのは、同年度末までに賃金改善を実施できる場合に限られます。改正のスケジュールを早めに把握し、年度内の実施に確実に間に合う段取りを組んでおくと安心です。
次に、遡及の起点を「算定開始月または当該年の4月」で確定させてください。どの月まで遡って賃上げを実施するかを決め、遡及分の支給額を試算しておきます。起点が固まれば、賃金システム側で遡及支給の準備も進められます。
最後に、やむを得ない理由を記録として残しておきましょう。条例改正が必要であった経緯や、改正スケジュールを文書で残しておくと、後の実績報告や説明の際に、遡及の正当性を明確に示せます。根拠として疑義解釈資料(その2)問5をあわせて綴じておくと万全です。
まとめ
賃金改善は、原則として評価料の算定開始月から実施し、算定する間は継続します。条例改正などやむを得ない理由がある場合は、年度末までに算定開始月または当該年の4月まで遡及して実施すれば、算定開始月から実施したものとみなせます。遡及はあくまで例外的な取扱いです。根拠は疑義解釈資料(その2)問5です。まずは、条例改正が年度末までに間に合うかを見極めることから始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いません事務長補佐として対象職員の線引きを整理されるの、おつかれさまです。院長やオーナーが現場で診療していると、含めてよいのか迷うのは当然です。結論から申し上げると、ご質問者様の解釈で合っています。開設者・管理者、および法人の代表者・役員は、いずれも対象職員には含まれません。実際に診療にあたっているかどうかは関係なく、これらの立場の方は対象外です。この回答では、対象外となる範囲と、線引きの考え方を整理します。
ポイントは3つです。第一に、開設者・管理者は対象職員に含まれません。第二に、法人の代表者・役員も対象職員に含まれません。第三に、診療に従事しているかどうかは、含める・含めないの判断に影響しません。以下、順に解説します。
1. 開設者・管理者は対象職員に含まれない
開設者および管理者は、対象職員に含まれません。疑義解釈資料(その4)問1は、この点を示しています。同問は、外来・在宅ベースアップ評価料、歯科外来・在宅ベースアップ評価料、入院ベースアップ評価料の対象職員について、「当該保険医療機関に勤務する職員」とあるが、開設者および管理者は含まれないか、という問いに「そのとおり」と回答しています。つまり、施設基準でいう「勤務する職員」には、開設者・管理者は当たらない、ということです。ご質問の院長が開設者であり管理者でもある場合、その立場では対象に含めません。
2. 法人の代表者・役員も対象職員に含まれない
開設者・管理者と同様に、法人の代表者および役員も対象職員に含まれません。問1は、開設者・管理者と並べて、法人の代表者および役員についても「いずれも含まれないか」と問うており、その答えも「そのとおり」です。つまり、開設者・管理者・代表者・役員という4つの立場は、いずれも一律に対象職員から外れる、ということです。肩書きの上で在籍していても、これらの立場にある方は区分計算の対象職員数に含めません。
3. 診療に従事していても判断は変わらない
これらの立場の方が実際に診療にあたっていても、対象外という扱いは変わりません。問1の趣旨は、勤務実態の有無ではなく、開設者・管理者・代表者・役員という「立場」に着目して対象から外す点にあります。したがって、院長が毎日診療していても、開設者・管理者である以上は対象に含めません。実際に働いているのに対象外なのは、と感じられるかもしれませんが、ここは立場で一律に線を引く、とご理解ください。
一方で、立場が変われば扱いも変わる点には注意が必要です。たとえば、役員でない一般の勤務医や、その他の対象職種の職員は、通常どおり対象職員に含まれます。あくまで対象外となるのは、開設者・管理者・代表者・役員という特定の立場に限られます。一人が複数の立場を兼ねる場合は、対象外の立場に該当するかどうかで判断する、と整理しておくと迷いません。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、職員名簿から開設者・管理者・代表者・役員に該当する人を洗い出しましょう。これらの立場の方は、診療の有無にかかわらず対象職員数から除外します。誰がどの立場に該当するかを一覧化しておくと、区分計算の母数が明確になります。
次に、その除外を踏まえて区分計算をやり直してください。対象職員数が変われば、届出区分そのものが変わる可能性があります。これまで院長や役員を含めて計算していた場合は、除外後の人数で区分を再確認しておくと安心です。
最後に、根拠を院内で共有しておきましょう。疑義解釈資料(その4)問1を印刷し、届出ファイルに綴じておくと、院長や役員の扱いをたずねられたときに、立場を根拠として明確に説明できます。来年度以降の担当者の引継ぎにも役立ちます。
まとめ
開設者・管理者、および法人の代表者・役員は、いずれもベースアップ評価料の対象職員には含まれません。これらの立場の方が実際に診療にあたっていても、対象外という扱いは変わりません。対象外となるのは特定の立場に限られ、一般の勤務医やその他の職員は通常どおり対象に含まれます。根拠は疑義解釈資料(その4)問1です。まずは、職員名簿から該当者を洗い出し、対象職員数から除外することから始めましょう。
♥ 0いいねをした人: いません -
投稿者投稿