フォーラムへの返信
-
投稿者投稿
-
令和8年度改定で短期滞在手術等基本料3の注3として新設された入院手術対応加算は、外来手術の実績を有する病院が医学的に入院を要する患者に対応した場合の評価です。この加算を届け出るためには、様式58別紙25で外来移行指数を算出し、カットオフ値1.3と比較して判定する必要があります。本回答では、12件未満の対象手術の取扱いと、外来移行指数の計算方法を整理します。
結論として、年間実施件数が12件未満の対象手術は、外来移行指数の計算から除外されます。12件未満の手術は、別紙25において外来実施率が0として扱われます。計算式は、12件以上の手術のみを対象に、自院の患者構成割合で全病院の外来実施率を加重平均する仕組みです。カットオフ値1.3は、自院の外来実施率が期待値(自院の患者構成で重み付けした全病院平均)と等しい場合の指数1.0を基準とした判定値です。
入院手術対応加算で12件未満の手術はどう扱う?
年間実施件数が12件未満の対象手術は、外来移行指数の計算対象から除外されます。
この除外の根拠は、様式58別紙25の注釈※2に明記されています。注釈には「総実施件数が12件未満の場合、外来実施率は0となる」と記載されており、12件未満の手術は外来実施率が0として処理されます。
別紙25の集計行も、12件以上の手術に限定して合計値を算出する仕様です。集計行のラベルは「計(総実施件数が12件以上のものに限る)」と明記されており、12件以上の手術のみが計算式の構成要素として扱われます。
この限定により、症例数が少ない手術は統計的なばらつきの影響を受けずに、医療機関ごとの実態が指数に反映されます。
入院手術対応加算の外来移行指数の計算式
外来移行指数は、自院の外来実施率を、自院の患者構成割合で重み付けした全病院平均外来実施率で除した値です。
計算式は「④÷(手術毎の②×①/③)の総和」と定義されており、4つの値を組み合わせます。①は自院の各手術の総実施件数、②は対象手術毎の全病院における外来実施率、③は12件以上の対象手術における自院の総実施件数の合計、④は12件以上の対象手術全体での自院の外来実施率です。
この計算式は、自院の患者構成(どの手術をどれだけ実施しているか)を反映した期待値で、自院の実績を割り算する構造です。自院の外来実施率が全病院平均より高ければ指数は大きくなり、低ければ指数は小さくなります。
計算結果は小数第4位で四捨五入し、小数第3位までの値を記載します。たとえば、計算値が1.2345…の場合は1.235と記載することになります。
入院手術対応加算のカットオフ値1.3による判定
カットオフ値1.3は、外来移行指数の判定基準として用いられる固定値です。
別紙25の様式では、入力値に基づいて指数が自動算出され、判定列に「カットオフ値以上」または「カットオフ値未満」と表示されます。入院手術対応加算は外来手術の実績を一定程度有する病院を対象とした評価であるため、自院の外来実施率が高いほど指数は大きくなる仕組みです。
入院手術対応加算の届出に向けた現場アクション
届出準備は、直近1年間の対象手術実績の集計から始めましょう。
まず、対象手術ごとに、直近1年間の総実施件数、入院実施件数、外来実施件数を電子カルテや手術台帳から抽出してください。次に、年間実施件数が12件以上の対象手術を特定し、別紙25のExcel様式(赤枠内)に入力します。最後に、自動算出された外来移行指数を確認し、カットオフ値1.3との比較で届出可否を判断してください。
なお、令和8年6月1日以降の実績計算では、改定後の手術料区分を用いる必要があります。令和8年5月31日以前の実績は改定前の区分で計算するため、改定をまたぐ期間の集計には注意が必要です。様式58別紙25の参考表に名称変更があった手術が記載されているため、改定前後の手術コードの対応関係も併せて確認してください。
入院手術対応加算のまとめ
入院手術対応加算の届出には、年間12件以上の対象手術のみを対象に外来移行指数を算出し、カットオフ値1.3との比較で判定します。12件未満の手術は外来実施率が0として扱われ、実質的に計算から除外されます。改定前後の手術コードの対応関係を確認しつつ、直近1年間の実績集計から着実に準備を進めていきましょう。
関連メルマガのご案内
短期滞在手術等基本料の改定全体については、メルマガで詳しく解説しています。基本料1の点数引下げ、基本料3の対象拡大、DPC対象病院での算定統一、入院手術対応加算の新設という4つの見直しポイントを、背景から実務への影響まで包括的にまとめました。今回の入院手術対応加算と併せて、改定全体の文脈をつかみたい方はぜひご覧ください。
👉 【令和8年度改定】短期滞在手術等基本料の4つの見直しポイントを解説
♥ 0いいねをした人: いません回復期病棟でST3名という配置のなか、摂食嚥下機能回復体制加算1・2を維持しながら疾患別リハも回していくのは確かに頭の痛い課題です。今回の改定で要件が「専従」から「専任」に変わったことで、配置の自由度はぐっと上がりました。本回答では、兼務可否の結論、根拠となる疑義解釈、現場での具体的アクションを順にお伝えします。
摂食嚥下機能回復体制加算1・2の専任STは、疾患別リハの専従STまたは専任STを兼ねることができます。条件は「摂食嚥下支援チームの業務に支障がない範囲」であることのみです。根拠は疑義解釈資料その1の問45で、これに伴い令和4年7月13日事務連絡(その18)別添1問1は廃止されました。現場では、勤務表での業務配分の見える化と、摂食嚥下支援チーム業務の記録整備が必要となります。
兼務可否の根拠は、疑義解釈資料その1の問45にあります。問45では、専任の常勤STが疾患別リハの専従または専任STを兼ねられるかが問われました。これに対する回答は、「摂食嚥下支援チームの業務に支障がない範囲であれば差し支えない」です。従来この論点を扱っていた令和4年事務連絡(その18)別添1問1は、今回の改定にあわせて廃止されました。
廃止された旧Q&Aは、「専従」要件を前提とした制限的な解釈でした。これに対し新しい問45は、「専任」要件のもとで疾患別リハとの兼務を明確に認めた内容です。同じ論点でも、要件が「専従」から「専任」へ変わったことで、解釈の前提が根本から変わったわけです。
「業務に支障がない範囲」とは、摂食嚥下支援チームの業務量と質を確保できる体制を指します。具体的には、嚥下機能の評価、ミールラウンド、カンファレンス、計画書の作成といった業務に必要な時間が確保されている状態です。これらの業務時間が疾患別リハの単位数取得で圧迫されてしまうと、「支障あり」と判断されかねません。
支障の有無は、業務記録で客観的に示せる状態にしておくことが肝心です。摂食嚥下支援チームの活動が形骸化していないか、対象患者ごとの介入実績で確認できるようにしておきましょう。監査時に「兼務しているが業務は十分回っている」と説明できる材料を残すことが、算定継続の生命線となります。
現場での兼務運用は、まず兼務STの業務配分を見える化することから始めましょう。週単位の勤務表に、摂食嚥下支援チーム業務の時間帯と、疾患別リハ業務の時間帯を分けて記録します。次に、摂食嚥下支援チームのカンファレンス記録、評価記録、計画書を継続的に整備し、業務実態を残します。最後に、対象患者数と介入回数を月次で集計し、業務量が確保されていることを確認しましょう。
兼務可能となった今、摂食嚥下機能回復体制加算1・2の専任STは、疾患別リハの専従・専任STと兼ねて配置できます。ただし、摂食嚥下支援チームの業務量と質を確保することが前提条件です。まずは勤務表での業務配分の見える化から着手し、記録整備の体制を整えてください。
♥ 0いいねをした人: いませんご質問ありがとうございます。重症患者搬送加算は、令和8年度診療報酬改定でも引き続き重要な加算の一つであり、施設基準の解釈にお悩みになる医療機関は少なくありません。お悩みの「関係学会により認定された施設」という表現は、施設基準通知の本文だけでは具体的な認定名称が読み取れず、現場で判断に迷うのも無理はない記載です。本回答では、当該認定の具体的内容と根拠、そして届出に向けた次の一手をお伝えし、貴院の算定可否判断と準備をスムーズに進められるよう支援いたします。
結論を先に申し上げると、「関係学会により認定された施設」とは「日本集中治療医学会認定集中治療施設」を指します。根拠は厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その1)」の問35に明記されています。貴院がすでに同認定を取得済みであれば算定要件を満たしますが、未取得の場合は同学会への認定申請から準備を始める必要があります。
ご質問への直接の回答は、「関係学会により認定された施設」=「日本集中治療医学会認定集中治療施設」です。
この認定は、日本集中治療医学会が定める基準を満たしたICU等を有する医療機関に対して付与される、集中治療提供体制の質を担保する認定制度です。重症患者搬送加算は、ICU等で受け入れる重症患者を医療機関間で安全に搬送する診療報酬であり、搬送元・搬送先のいずれにも一定水準の集中治療体制を求める趣旨から、本認定が要件として設定されています。施設基準通知の本文では「関係学会」とのみ記載されているため、現場では特定が困難ですが、疑義解釈で具体的な認定名が示されたかたちです。
根拠は、「疑義解釈資料の送付について(その1)」の問35に明記されています。
問35の問いは、「区分番号『C004』救急搬送診療料の『注4』に規定する重症患者搬送加算の施設基準における『関係学会により認定された施設』とは、具体的には何を指すのか」というものです。これに対する厚生労働省の回答は、「現時点では、日本集中治療医学会認定集中治療施設を指す」と一文で示されています。「現時点では」との文言があるため、将来的に対象認定が追加・変更される可能性は残りますが、令和8年度改定下での運用は同認定で確定です。
現場での具体的なアクションは、認定状況の確認と申請判断の二段構えで進めてください。
まずは、貴院がすでに「日本集中治療医学会認定集中治療施設」の認定を取得しているかを、ICU部門長または集中治療責任医師にご確認ください。認定取得済みであれば、認定証の写しを準備のうえ、厚生局への施設基準届出に進めます。届出様式と添付資料一式は、改定後の様式に従って整える必要があるため、医事課で並行して準備を進めましょう。
未取得の場合は、日本集中治療医学会のホームページで認定要件と申請手続きを確認し、申請可否を集中治療部門と協議してください。認定には、専門医の配置、ICUの体制、症例数等の要件があるため、即時取得は難しく、計画的な体制整備が必要です。当面は重症患者搬送加算の算定を見送り、認定取得後に届出を行う方針が現実的です。
以上のとおり、重症患者搬送加算の「関係学会により認定された施設」とは「日本集中治療医学会認定集中治療施設」を指し、根拠は疑義解釈資料その1の問35に明記されています。まずは自院の認定取得状況を確認し、取得済みであれば届出準備、未取得であれば認定申請の検討から着手してください。判断に迷う点があれば、いつでもご相談ください。
♥ 0いいねをした人: いませんご質問ありがとうございます。生活習慣病管理料の算定における「次回受診日」の取り扱いは、令和8年度改定後、現場で最も多く寄せられる質問のひとつです。患者さんの生活背景が多様化するなか、日付確定を一律に求めることは現実的ではなく、現場スタッフが板挟みになる典型的な悩みといえます。本稿では、厚生労働省の疑義解釈に基づき、日付未確定時の正しい対応を整理します。
結論として、次回受診日が確定しなくても生活習慣病管理料は算定できます。ただし、算定可能となる条件として「次回受診が必要な時期」について患者へ十分な指導を行うこと、さらに指導内容を診療録に記録することが求められます。本稿では、根拠となる疑義解釈の該当箇所、現場で運用可能な指導記録のポイント、明日から実践できる具体的アクションの順に解説します。
算定可否の結論:日付未確定でも算定可能
日付未確定でも生活習慣病管理料は算定できますが、患者への「時期」の指導が条件となります。算定要件である「次回受診日を決めること」は、必ずしも具体的な日付の確定を意味しません。患者の都合により日付が確定しない場合でも、次回受診の必要時期を指導していれば算定要件を満たします。
この取り扱いは、患者の生活背景に配慮した柔軟な運用を認める趣旨です。仕事のシフト、家族の介護、突発的な事情など、日付確定を妨げる要因は多岐にわたります。これらの事情を抱える患者にも、生活習慣病管理は継続的に提供される必要があります。日付確定を絶対条件とせず、受診時期の指導で代替できるのは、現場の実態を踏まえた合理的なルールといえます。
根拠となる疑義解釈:その1 問33
根拠は「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和8年3月時点事務連絡)の問33に明記されています。問33は、生活習慣病管理料(Ⅰ)および(Ⅱ)の算定における次回受診日の取り扱いを問うものです。
問33の問いは、「予約診療を実施している保険医療機関」と「予約診療を実施していない保険医療機関」の双方を対象に、患者の都合により次回受診する日付が確定しない場合の対応を問うています。これに対する答は、「次回受診する日について患者と十分な相談を行ってもなお、当該患者の都合により予約又は受診を行う日付が確定しない場合についても、次回の受診が必要な時期について、患者に対して十分な指導を行うこと」とされています。
この回答が示すポイントは、二段階の対応です。第一段階は、患者との「十分な相談」の実施です。第二段階は、それでも日付が確定しない場合における「受診時期の指導」の実施です。この二段階を満たせば算定可能であり、日付確定そのものは絶対条件ではありません。
現場で運用すべき指導記録のポイント
現場運用の鍵は、指導内容を診療録に明確に残すことです。日付未確定で算定する以上、「十分な相談」と「時期の指導」を実施した事実を、後から第三者が確認できる形で記録する必要があります。記録が曖昧だと、個別指導や監査で算定根拠を問われた際、説明に窮する事態を招きます。
記録すべき項目は、相談内容、指導した受診時期、患者の事情の三点です。相談内容としては、次回受診日の候補をどのように提示したかを記載します。指導した受診時期としては、「概ね1か月後」「血圧が安定するまで2週間ごと」など、具体的な目安を記載します。患者の事情としては、日付確定が困難となった理由を簡潔に記載します。
記録の標準化には、テンプレート化が有効です。電子カルテの定型文機能やシール印字を活用し、「次回受診時期:◯◯頃と指導。日付未確定理由:◯◯」といった形式を院内で統一しましょう。スタッフ個々の記載に委ねると、記録漏れや表現の揺らぎが発生し、結果として算定リスクを抱えることになります。
明日から実践すべき具体的アクション
まずは、声かけマニュアルの整備から着手してください。受付および診察室での声かけを、「次回は◯月頃の受診をお勧めします。ご都合のよい日を一緒に決めましょう」と統一しましょう。日付確定が難しい患者には、「具体的な日付は後日でも構いません。まずは◯月頃に受診が必要であることを覚えておいてください」と切り替えます。
次に、診療録テンプレートを作成してください。指導した受診時期、日付未確定の理由、患者へ伝えた内容の三項目を記載する欄をテンプレート化します。記載漏れを防ぐため、医師・看護師・医事課で記載責任を明確に分担しましょう。
最後に、医事課での算定前チェック体制を構築してください。生活習慣病管理料を算定する患者の診療録について、「次回受診時期の指導記録」の有無をレセプトチェック時に確認します。記録がない場合は、即日で医師に確認し、記録を追記する運用を徹底しましょう。
結論
生活習慣病管理料は、次回受診日が確定しなくても算定可能です。算定の条件は、患者と十分相談したうえで「次回受診が必要な時期」を指導し、その内容を診療録に記録することです。根拠は疑義解釈その1の問33に明記されており、現場では声かけマニュアル・診療録テンプレート・算定前チェックの三点をセットで整備してください。日付確定にこだわらず、患者の生活背景に寄り添った継続的な管理こそが、本管理料の本旨です。
♥ 0いいねをした人: いません令和8年度診療報酬改定で、在宅患者支援病床初期加算の区分(①②)の振り分け基準が変更されました。この変更により、6月1日をまたぐ入院患者の算定区分について、現場で混乱が生じています。本回答では、経過措置の取扱いを整理し、貴院での運用判断を支援します。
結論として、5月31日までに算定していた区分を6月1日以降も継続して算定してください。改定前に①で算定していた患者は改定後も①を、改定前に②で算定していた患者は改定後も②を、それぞれ引き続き算定します。ご質問の患者さんは、改定前に②で算定していたため、6月1日以降も②を継続算定するのが正解です。
改定で変わったのは「区分の振り分け基準」です
改定前後で、在宅患者支援病床初期加算の①と②に該当する患者像が入れ替わっています。改定前は「救急搬送されていない緊急入院の患者」が②に該当していました。改定後は、同じ条件の患者が①に該当する区分となっています。このように、患者の状態は同じでも、区分番号の意味が改定前後で変わったのです。
この変更が、現場の混乱を生む原因となっています。ご質問の患者さんは、5月中旬の入院時点で「救急搬送なし・緊急入院」の②として算定を開始しました。しかし、改定後の新しいルールに当てはめ直すと、同じ条件の患者は①に分類されます。「6月以降は①に切り替えるべきか」という疑問は、ごく自然な発想です。
経過措置の原則は「入院時の区分を継続」です
疑義解釈(その1)の問32は、5月31日までに算定していた区分を6月1日以降も継続するよう明示しています。つまり、改定前①で算定していた患者は改定後も①を継続し、改定前②で算定していた患者は改定後も②を継続します。区分番号の意味が改定で入れ替わっても、患者単位では入院時の区分を維持するのが原則です。
ご質問のケースに当てはめると、患者さんは改定前の②で算定を開始しました。したがって、6月1日以降も改定後の②を継続して算定します。新しい区分基準に合わせて①へ切り替える必要はありません。レセプト摘要欄への特記事項記載は不要ですが、診療録に経過措置による継続算定である旨を残しておくと、後日の指導監査対策として安心です。
現場で取るべきアクションを3つに整理します
まず、5月31日時点で在宅患者支援病床初期加算を算定中の患者リストを抽出してください。算定区分(①または②)と入院日を一覧化し、6月1日をまたぐ患者を可視化することが第一歩です。地域包括ケア病棟入院料の算定患者一覧から、初期加算算定者を絞り込めば作業は短時間で済みます。
次に、リスト化した患者ごとに、6月1日以降のレセプト算定区分を「入院時と同じ区分」で固定する運用ルールを医事課内で共有してください。新規入院患者については改定後の新しい振り分け基準で区分を判定し、継続入院患者については入院時の区分を維持する、という二重ルールを徹底することがポイントです。
最後に、レセプトコンピュータの設定確認と、診療録への記載運用を整備してください。レセコンによっては、改定後の新基準で自動的に区分が切り替わる設定になっている場合があります。継続入院患者の区分が意図せず変更されないよう、ベンダーへの確認とテスト算定を6月の本算定前に済ませておくことをお勧めします。
令和8年度改定では、在宅患者支援病床初期加算の区分基準が変更されましたが、6月1日をまたぐ患者は入院時の区分を継続算定します。改定前①は改定後も①、改定前②は改定後も②です。患者リストの抽出、運用ルールの共有、レセコン設定の確認の3点を進めれば、貴院の現場運用は問題なく回ります。
♥ 0いいねをした人: いません重症患者対応体制強化加算の届出は、令和8年度診療報酬改定で救命救急入院料の区分が再編された影響を受けます。施設基準の文言は改定後の区分で記載されているため、改定前から在籍する看護師の経験をどこまで5年要件に算入できるかが、現場で判断に迷いやすい論点となっています。本回答では、勤務経験要件の正しい読み替え方と、届出に向けて整備すべき実務対応を整理します。
ご認識のとおりで問題ありません。改定後の施設基準は、救命救急入院料1又は特定集中治療室管理料の届出医療機関での5年以上の勤務経験を求めています。改定前の経験については、救命救急入院料2、4又は特定集中治療室管理料の届出医療機関での勤務経験に読み替えて算入でき、根拠は疑義解釈資料の送付について(その1)の問26に明記されています。実務では、対象看護師の経歴確認と裏付け資料の整備を、届出までに必ず完了させる必要があります。
改定後の施設基準は、5年以上の勤務経験を、救命救急入院料1又は特定集中治療室管理料の届出医療機関で積んでいることを求めています。当該経験要件は、A300救命救急入院料の注11及びA301特定集中治療室管理料の注6に規定する重症患者対応体制強化加算の中核となる施設基準です。要件がここまで厳しく設定されているのは、加算が対象とする重症患者対応の質を、長期間ICUや救命救急で実務を積んだ看護師の配置によって担保するためです。
改定前の経験については、救命救急入院料2、4又は特定集中治療室管理料の届出医療機関での勤務経験に読み替えて、5年に算入できます。読み替えの根拠は、疑義解釈資料の送付について(その1)の問26です。同問では、改定前の期間の経験について「救命救急入院料2若しくは4又は特定集中治療室管理料に係る届出を行っている保険医療機関における経験を指す」と明記されています。この読み替えが認められた背景には、改定前の救命救急入院料2や4の病棟が改定後の救命救急入院料1に相当する重症患者対応を担っていたという経緯があります。
実務対応としては、対象看護師の経歴確認と裏付け資料の整備を、届出に間に合うよう早急に進めてください。最初に、対象となる看護師ごとに過去の勤務先と勤務期間を人事台帳で確認しましょう。次に、過去の勤務先に対して、当時の届出区分(救命救急入院料2、4又は特定集中治療室管理料)がわかる在職証明書の発行を依頼してください。最後に、自院での勤務期間も5年に通算できるため、自院の届出履歴と勤務記録もあわせて整理しておくと、地方厚生局からの照会に迅速に対応できます。
以上のとおり、改定前の救命救急入院料2、4又は特定集中治療室管理料を算定していた医療機関での勤務経験は、重症患者対応体制強化加算の5年要件に算入できます。根拠は疑義解釈資料の送付について(その1)の問26です。届出時期を逃さないよう、人事台帳の確認と在職証明書の取得に早めに取りかかってください。
♥ 0いいねをした人: いませんお疲れさまです。地域医療体制確保加算2の届出を進めるなかで、看護職員の研修要件で立ち止まる病院は少なくありません。施設基準通知の本文だけを読むと「集中治療、術後疼痛管理、呼吸ケア等」という抽象的な表現にとどまり、現場で該当者を特定できないという声が、当院の医事課にもよく届きます。本記事では、厚生労働省の疑義解釈資料(その4)問10で示された具体的な研修区分を整理し、届出準備の判断材料を提供します。
結論として、「特定診療科に係る適切な研修」は、疑義解釈(その4)問10に示された①から④までの4区分のいずれかを修了した看護師、または日本集中治療医学会の集中治療認証看護師が該当します。①は日本看護協会の認定看護師教育課程です。②は看護系大学院の専門看護師教育課程です。③は特定行為研修の指定9区分です。④は特定行為研修の領域別パッケージ研修4領域です。ご質問の「術後疼痛管理関連」修了者は③に該当するため、要件を満たします。
区分①と②は、看護師の専門資格取得課程が対象となります
区分①は、日本看護協会の認定看護師教育課程のうち3つが対象です。具体的には「クリティカルケア」、「新生児集中ケア」、「小児プライマリケア」の3課程が該当します。ただし、「新生児集中ケア」と「小児プライマリケア」は、小児外科を特定診療科とする場合に限り対象となります。なお、平成30年度の認定看護師制度改正前の教育内容による研修も、区分①に含まれます。
区分②は、日本看護協会が認定する看護系大学院の専門看護師教育課程のうち1つが対象です。具体的には「急性・重症患者看護」の専門看護師教育課程が該当します。区分①と異なり、特定診療科の種類による限定はありません。
区分③は、特定行為研修の指定9区分のいずれか1つ以上が対象となります
区分③の特定行為研修は、厚生労働大臣が指定する指定研修機関で実施されるものに限られます。9区分のうち1つ以上を修了していれば、区分③の要件を満たします。9区分は、呼吸器(気道確保に係るもの)関連、呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連、栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連、動脈血液ガス分析関連、血糖コントロールに係る薬剤投与関連、循環動態に係る薬剤投与関連、術後疼痛管理関連、循環器関連、精神及び神経症状に係る薬剤投与関連の9つです。
ご質問の「術後疼痛管理関連」修了者は、9区分のうち7番目に該当します。したがって、当該看護師1名が心臓血管外科病棟の術前術後管理に携わっていれば、区分③の要件を単独で満たします。
区分④は、特定行為研修の領域別パッケージ研修4領域が対象となります
区分④は、区分③と同じ指定研修機関で実施される領域別パッケージ研修が対象です。4領域は、集中治療領域、救急領域、術中麻酔管理領域、外科術後病棟管理領域の4つです。区分③が個別の特定行為単位であるのに対し、区分④は領域単位でパッケージ化された研修である点が異なります。
なお、上記4区分のいずれにも該当しない場合でも、日本集中治療医学会の集中治療認証看護師の認証を得た看護師は要件を満たします。認証書を受領する前であっても、合否結果に基づき合格を確認している段階の看護師も対象に含まれます。
病棟業務に携わる看護職員も研修対象者として算入できます
施設基準通知では「術前術後の管理等に携わる看護職員」と記載されていますが、対象範囲はこれに限定されません。疑義解釈(その1)問25で、特定診療科において病棟業務に携わる看護職員に研修修了者がいる場合も含まれることが明示されています。したがって、術前術後管理だけでなく、特定診療科の入院患者を担当する病棟看護師も研修修了者としてカウントできます。
この取扱いにより、要件充足の可能性が広がります。手術室や術後回復室の看護師に該当者がいない場合でも、特定診療科病棟の看護師に研修修了者がいれば、要件を満たすことが可能です。
まずは研修修了証の収集と該当者リストの作成から始めましょう
届出準備の第一歩として、特定診療科の看護職員全員に対し、上記4区分または集中治療認証看護師の修了状況を調査してください。看護部と連携し、研修修了証の写しを収集する作業を進めましょう。次に、特定診療科ごとに該当者リストを作成し、研修区分・修了年月日・配属部署を一覧化してください。
該当者が確認できない場合は、研修受講計画の立案に着手しましょう。特定行為研修の指定研修機関は厚生労働省のホームページで公開されています。受講開始から修了までに一定期間を要するため、早期の計画立案が届出時期の前倒しに直結します。
地域医療体制確保加算2の届出においては、看護職員の研修要件は4区分のいずれかの修了者、または集中治療認証看護師が該当します。区分①は認定看護師教育課程3つ、区分②は専門看護師教育課程「急性・重症患者看護」、区分③は特定行為研修9区分、区分④は領域別パッケージ研修4領域が対象です。ご質問の「術後疼痛管理関連」修了者は区分③に該当し、単独で要件を満たします。まずは看護部と連携した修了者調査から着手し、不足する場合は研修受講計画を並行して進めてください。
♥ 0いいねをした人: いません今回の疑義解釈は、「同一敷地内」に含める範囲を明確化するために発出されました。訪問看護の現場では、団地や病院敷地内の複数建物を訪問するケースで判定に迷う声が多く寄せられていました。そこで本回答では、判定基準と例外の考え方を整理し、現場の算定判断を支援します。
同一敷地内の判定は、「地番」と「一体利用」を軸に行います。同一地番の敷地内であれば原則として該当します。同一地番でなくても、公道に出ずに行き来できる一体利用の敷地であれば該当します。ただし、広大な敷地で建物間が他者の土地で隔てられ距離も離れている場合は、例外として該当しません。
同一敷地内の基本的な判定基準は「地番」と「一体利用」です
同一敷地内に該当するかは、二つの基準で判断します。ひとつ目は同一地番の敷地内であるかどうかです。ふたつ目は、同一地番でなくとも一体的に利用されている敷地であるかどうかです。同一地番の敷地内であれば、原則として同一敷地内に該当します。例えば、ひとつの病院敷地内に外来棟と入院棟と職員寮が建っているような場合が典型例です。この場合、各建物の利用者を続けて訪問しても移動時間が短いため、同一建物居住者として扱うのが合理的です。
一体的に利用されている敷地も、同一敷地内に該当します。具体的には、公道に出ずに敷地を行き来できるようなケースが該当します。例えば、地番は別でも隣接する法人敷地が内部通路でつながっている場合などです。この基準は、地番という形式ではなく、実際の移動のしやすさという実態で判断する考え方に基づいています。
広大な敷地で建物間が離れている場合は例外として扱います
広大な敷地で建物が点在しているケースは、同一敷地内に含まれません。具体例としては、URの大規模団地や、敷地に沿って複数のバス停留所があるような規模の敷地が挙げられます。このようなケースでは、建物間の移動時間が同一建物の利用者を訪問する場合と明らかに異なるため、例外として扱われます。
例外に該当する要件は、建物間の位置関係で判断します。ひとつ目の要件は、他者が占有する土地によって建物と建物が隔てられていることです。ふたつ目の要件は、建物と建物の距離が離れていることです。この二つの要件を両方満たす場合に、同一敷地内から除外されます。
例外の趣旨は、移動時間の実態と算定の整合性を取ることです。同一建物居住者の減額算定は、短時間で複数の利用者を訪問できる効率性を反映した評価です。したがって、敷地が広大で移動時間が通常の別建物訪問と変わらない場合は、減額の対象とする根拠がなくなります。
現場では「地図」と「移動実態」の二段階で確認します
現場での判定は、まず地図で地番と敷地形状を確認しましょう。登記情報やゼンリン地図、自治体のハザードマップ等で地番と敷地境界を把握してください。その上で、建物間の位置関係や通路の有無を現地で確認します。この二段階の確認で、ほとんどのケースは判定できます。
判断に迷うケースは、必ず記録を残したうえで保険者に確認しましょう。特に大規模団地や複合施設では、ステーション内で判定基準がぶれないよう、判定フローと判定結果を文書化しておくことをお勧めします。保険者への確認記録も、後日の指導監査に備えて保管してください。
以上のとおり、同一敷地内の判定は「地番」と「一体利用」を基本とし、広大な敷地の例外に注意する必要があります。まずは訪問先の地番と敷地形状を地図で確認しましょう。次に、建物間の移動実態を現地で把握してください。最後に、判定結果と根拠を記録に残し、ステーション内で基準を共有する準備を進めてください。
♥ 0いいねをした人: いません電子的診療情報連携体制整備加算の施設基準は、令和6年度改定で新設された要件です。要件の文言だけを読んでも、院内処方の医療機関が何をすればよいか、接続インターフェースとは何を指すのかがわかりにくい構造になっています。本稿では、両要件を満たすために現場が踏むべき具体的手順を解説します。
結論として、施設基準を満たすには「処方情報の電子登録」と「運用開始日の公表」の2点が必要です。院外処方の医療機関は、電子処方箋の発行、または引換番号付き紙処方箋による処方情報登録を行います。院内処方の医療機関は、院内調剤した薬剤情報を電子処方箋管理サービスに登録します。接続インターフェース要件は、厚生労働省ウェブサイトで電子処方箋対応施設として公表された状態を指します。
処方情報の登録体制は院外・院内で対応が分かれる
処方情報の登録体制は、院外処方と院内処方で求められる対応が明確に異なります。疑義解釈その4の問1で、両者の対応が区分して示されています。自院の処方形態を正しく把握したうえで、該当する体制を整備する必要があります。
院外処方を行う医療機関は、電子処方箋の発行または引換番号付き紙処方箋の発行を原則とします。電子処方箋をそのまま発行する場合はもちろん、紙処方箋を発行する場合でも、引換番号を印字して処方情報を電子処方箋管理サービスに登録することが求められます。いずれの形態でも、処方情報が電子的に登録される状態をつくることが要件です。
院内処方を行う医療機関は、院内で調剤した薬剤の情報を電子処方箋管理サービスに登録することが原則です。院外処方のような「処方箋発行」の行為は発生しないため、調剤後に薬剤情報をサービスへ登録する運用を整える必要があります。院内処方専業のクリニックであっても、この登録運用を行えば要件を満たせます。
接続インターフェース要件は運用開始日の公表状態を指す
接続インターフェース要件は、システム的な接続仕様ではなく、厚生労働省ウェブサイトでの公表状態を意味します。疑義解釈その4の問2で、「電子処方箋の運用開始日が登録され、厚生労働省ウェブサイトにおいて電子処方箋対応施設として公表されている状態」と明示されました。単にシステムを導入しただけでは要件を満たさない点に注意が必要です。
運用開始日の登録は、医療機関等向け総合ポータルサイトから行います。ポータルサイト上で運用開始日を入力すると、厚生労働省ウェブサイトの対応施設一覧に自院が掲載されます。この掲載状態をもって、はじめて「接続インターフェースを有している」と認められます。
現場で進めるべき具体的アクション
施設基準を満たすための現場対応は、処方形態の確認から公表状態の最終チェックまで、順を追って進めることが重要です。手順を飛ばさず、各段階で要件充足を確認しながら進めてください。
まずは、自院が院外処方か院内処方かを確認し、該当する登録運用を整備してください。次に、医療機関等向け総合ポータルサイトにログインし、電子処方箋の運用開始日を登録してください。最後に、厚生労働省ウェブサイトの電子処方箋対応施設一覧で自院が公表されているかを確認してください。この3段階を終えれば、施設基準の要件を満たしたと判断できます。
電子的診療情報連携体制整備加算の施設基準は、「処方情報の電子登録」と「運用開始日の公表」の2点を押さえれば確実に満たせます。院内処方の医療機関であっても、院内調剤した薬剤情報をサービスに登録すれば要件に該当します。ポータルサイトでの運用開始日登録を忘れずに行い、厚生労働省ウェブサイトでの公表状態を最終確認して、安心して加算を算定できる体制を整えましょう。
♥ 0いいねをした人: いません電子的診療情報連携体制整備加算は、令和8年度診療報酬改定で新設された加算です。この加算は、初診料の注16、再診料の注19、外来診療料の注10にそれぞれ規定されており、同月内で複数回算定できるかの取扱いに現場で混乱が生じています。そこで、疑義解釈資料の送付について(その4)問4を根拠に、同月内の重複算定の可否を整理します。
結論として、電子的診療情報連携体制整備加算は、同月内で患者1人につき1回しか算定できません。初診料の注16の加算を算定した月には、同じ患者さんへの再診料の注19の加算を算定できません。再診料の注19の加算を算定した月には、別の疾患で初診となっても、初診料の注16の加算を算定できません。つまり、この加算は初診と再診を通算して月1回が上限です。
同月内の重複算定ができない根拠は、疑義解釈資料の送付について(その4)の問4に明記されています。
この問4では、2つのケースが示されています。1つ目のケースは、初診料の注16の加算を算定した月に、同じ患者が再診となった場合です。2つ目のケースは、再診料の注19や外来診療料の注10の加算を算定した月に、別の疾患で初診となった場合です。厚生労働省は、いずれのケースも「算定不可」と明確に回答しています。
この算定不可の原則は、加算の性質から理解できます。電子的診療情報連携体制整備加算は、医療DX推進の観点から電子処方箋や電子カルテ情報共有サービスとの連携体制を評価する加算です。この体制は医療機関単位で整備されるものであり、同じ患者さんに対して月内に何度も評価する性質のものではありません。したがって、初診料と再診料にそれぞれ規定があっても、併算定できない設計になっています。
同月1回の原則を守るには、レセプト業務の運用ルールを明確にする必要があります。
まず意識すべきは、同じ患者さんの月内の来院履歴を必ず確認することです。初診で加算を算定したあと、同じ月に同じ患者さんが再診で来院されたときは、再診料の注19の加算を自動算定しないように、レセコンの設定やダブルチェック運用を見直してください。逆に、再診で先に加算を算定している患者さんについては、月内に別の疾患で初診扱いとなっても、初診料の注16の加算を算定しないよう注意が必要です。
次に意識すべきは、月をまたいだ算定は別扱いという点です。先月、初診料の注16で加算を算定した患者さんが、今月再診で来院されたときは、今月分として再診料の注19の加算を算定することに制限はありません。この加算は月単位でリセットされるため、レセプト集計の月境目で取り扱いを切り替えてください。
同月重複算定を防ぐには、レセコンとスタッフ運用の両面で準備を進めることが有効です。
1つ目の準備は、レセコンの自動算定設定の確認です。初診料・再診料・外来診療料のそれぞれに加算マスタが別々に登録されている場合、同月内の重複を検知できない設定になっている可能性があります。ベンダーに同月1回の排他制御が可能か確認し、設定変更を依頼してください。
2つ目の準備は、医事課内でのチェックリストの整備です。同月内に初診・再診が混在する患者さんを月末に抽出し、加算の算定状況を目視で確認する運用を組み込むと、返戻リスクを大幅に減らせます。
結論として、電子的診療情報連携体制整備加算は、同月内で患者1人につき1回限りの算定となります。疑義解釈資料の送付について(その4)の問4を根拠に、初診料の注16と再診料の注19・外来診療料の注10の加算は、同月内で併算定できません。まずはレセコンの排他制御設定と医事課のダブルチェック運用を見直し、返戻の発生を未然に防ぎましょう。
♥ 0いいねをした人: いません令和8年度診療報酬改定により、入退院支援加算の退院困難な要因に「家族や親族との連絡が困難であること」が追加されました。この改定は、身寄りのない独居高齢者など、従来の算定要件では拾いきれなかった支援ニーズに対応するためのものです。本稿では、患者の意思確認も家族への連絡もできない場合の算定対応について整理します。
ご質問のケースは、診療録への記載と代替者への説明により算定可能です。具体的には、連絡困難に該当する理由と連絡を試みた経緯を診療録等に記載します。次に、患者の退院に向けた支援をする者等へ必要に応じて説明を行います。そして、家族や親族を特定する努力を尽くした記録が算定の前提となります。
第一のポイントは、本ケースが算定対象となることです。疑義解釈資料(その1)の問23では、「家族や親族との連絡が困難であること」に該当し、かつ患者の意思を確認できない場合の対応方針が明示されました。この疑義解釈により、話合いや文書説明が物理的に実施できない状況でも、算定を諦める必要はないことが確認されています。
算定対象となる「連絡が困難」の定義は、疑義解釈資料(その2)の問24に具体的に示されています。この定義によれば、患者本人への確認や入院前に利用していた医療・介護・福祉サービスの事業者、行政機関等への照会を行い、家族や親族を特定する努力を尽くしたにもかかわらず特定できない場合が該当します。また、家族や親族への相談を本人や当該家族・親族が拒んでいる場合も対象に含まれます。
第二のポイントは、診療録への記載事項です。疑義解釈資料(その1)の問23(答)では、該当する理由や連絡を試みた経緯等を診療録等に記載すれば、話合いや文書説明に代える取扱いが認められています。この記載は、算定の根拠を保険者に対して明確に示すための重要な証跡となります。
診療録への具体的な記載内容は、次の3点を網羅することが望まれます。まず、連絡困難に該当する理由を記載します(例:重度認知症で意思確認不能、住民票上の親族と連絡不通など)。次に、連絡を試みた経緯を時系列で記載します(例:●月●日電話連絡試行、●月●日前利用事業者へ照会など)。そして、家族等を特定する努力として照会した機関名を記載します。
第三のポイントは、代替的な説明対象者への対応です。疑義解釈資料(その1)の問23(答)の後段では、「必要に応じて、患者の退院に向けた支援をする者等に説明を行う等の対応を行うこと」と明記されています。この規定は、家族不在でも支援体制を切らさないための実務上の工夫です。
代替的な説明対象者は、疑義解釈資料(その2)の問24(答)が参考になります。この疑義解釈では、「家族や親族以外で治療方針等に関する意思決定や退院の支援を行う者を特定して連絡する等、適切な対応を行うこと」とされています。具体的には、成年後見人、地域包括支援センターの担当者、前利用ケアマネジャー、市区町村の高齢者福祉担当者などが該当します。
現場でまず着手すべきアクションは、3つの準備です。第一に、連絡困難ケース用の診療録記載テンプレートを作成し、記載漏れを防ぎましょう。第二に、連絡試行の記録様式(連絡先・日時・結果)を入退院支援部門で統一し、証跡を残してください。第三に、地域包括支援センターや成年後見制度の窓口をあらかじめリストアップし、代替説明対象者への連絡ルートを確保しておきましょう。
以上のとおり、家族との連絡困難かつ患者の意思確認不能のケースでも、入退院支援加算は算定可能です。算定の鍵は、連絡困難の理由と連絡試行の経緯を診療録に記載すること、そして退院支援をする者等への説明を行うことの2点です。身寄りのない患者さんほど支援を必要としています。制度を正しく使い、必要な支援を届けていきましょう。
♥ 0いいねをした人: いませんリハビリテーション・栄養・口腔連携加算(以下、連携加算)について、同一医療機関内で病棟間転棟が発生した際の算定可否に悩む声が現場で増えています。地域包括医療病棟から地域包括ケア病棟への転棟は、令和8年度改定で連携加算が地域包括ケア病棟にも拡大されたことで、新たに発生した実務論点です。本回答では、転棟後の算定可否と評価の引継ぎについて、疑義解釈資料(その2)問41を根拠に整理します。
結論として、同一医療機関内で連携加算(または体制加算)を既に算定していた患者は、転棟先の病棟で連携加算を再算定できません。算定不可の根拠は、疑義解釈資料(その2)問41で明確に示されています。一方で、ADL・栄養状態・口腔状態の評価および計画は、転棟前のものを引き継いで差し支えありません。引継ぎを行う場合も、リスクに応じた定期的な再評価が求められます。
連携加算は、同一医療機関内の他病棟で既に算定された患者には、転棟後も再算定できません。再算定できないルールは、転棟先の病棟における算定開始日から14日以内であっても適用されます。「転棟すれば14日カウントがリセットされる」と誤解している現場担当者は少なくありません。同一医療機関内の転棟は一連の入院として扱われるため、連携加算の算定機会は患者1入院につき1回限りです。
このルールは、令和8年度診療報酬改定の疑義解釈資料(その2)問41で示されています。問41では、A308-3地域包括ケア病棟入院料でも連携加算の算定が可能となったことを踏まえ、A233体制加算やA304地域包括医療病棟の連携加算を算定する病棟から転棟したケースが取り上げられました。回答は「転棟後の病棟では、当該加算の算定開始日から14日以内であっても、リハビリテーション・栄養・口腔連携加算は算定できない。」と明示しています。改定の趣旨は、同一医療機関内で同一加算を重複取得することの防止にあります。
評価および計画は、転棟前のものをそのまま引き継いで活用できます。引継ぎの対象は、ADL、栄養状態、口腔状態に関する評価と、それに基づく計画です。引継ぎを行う際には、患者の状態変化に対応するため、リスクに応じた期間で定期的な再評価を実施しなければなりません。再評価の頻度は、急変リスクが高い患者ほど短く設定することが望ましい運用です。
現場で取るべき対応は3点あります。まずは、転棟予定患者の入棟時に、前病棟での連携加算(または体制加算)の算定有無を電子カルテで確認するフローを、医事課と病棟で共有してください。次に、評価と計画の引継ぎを担保するため、リハ・栄養・口腔の各専門職が転棟時カンファレンスで情報を一元化する仕組みを準備しましょう。最後に、定期的な再評価の頻度を院内ルールとしてあらかじめ定め、評価漏れによる質低下を防いでください。
同一医療機関内で連携加算を算定済みの患者は、転棟後の病棟では算定できません。算定不可の根拠は疑義解釈資料(その2)問41にあります。評価と計画は転棟前のものを引き継ぎ、リスクに応じて再評価を行いましょう。算定確認フローと評価引継ぎの仕組みを、今のうちに整備しておくことをお勧めします。
♥ 0いいねをした人: いません令和8年度の診療報酬改定により、A221-3産科管理加算が新設されました。この新加算をめぐっては、「分娩が開始した日以降」という算定要件の解釈で現場が混乱する事態が生じています。本回答では、厚生労働省の疑義解釈(その1)問15を根拠に、算定開始日の取扱いを2つのケースに分けて整理します。
ご質問の2つのケースは、いずれも算定可能です。陣痛発来で入院した患者は、その入院日から算定できます。予定帝王切開で未陣発のまま手術となった患者は、手術の開始時刻が含まれる日から算定できます。これらの取扱いはいずれも、疑義解釈(その1)問15で明示されています。
陣痛発来による入院日は、産科管理加算の算定対象日に含まれます。
「分娩が開始した日」の解釈について、疑義解釈は明確に「含めてよい」と回答しています。医事課で迷われやすいポイントは、入院日が「分娩開始日」と同一かどうかという判断です。この点について疑義解釈は、陣痛発来によって分娩が開始していることを認めて入院した日を、算定対象の起算日として認めています。したがって、陣痛発来時に入院した患者は、入院当日から産科管理加算を算定可能です。
予定帝王切開で未陣発の患者も、手術開始日から産科管理加算を算定できます。
未陣発の予定帝王切開についても、疑義解釈は「含めてよい」と明示しています。この取扱いの根拠は、未陣発で帝王切開術による分娩となった場合に、手術自体を分娩の開始と捉える考え方にあります。具体的には、手術の開始時刻が含まれる日から当該加算を算定できると、疑義解釈は規定しています。したがって、「陣痛が来ていない」という医学的判断にかかわらず、手術日を起算日として算定して差し支えありません。
両ケースの算定にあたっては、診療録への記録と部門間の認識統一が不可欠です。
部門間の認識統一については、医師・看護部門・医事課の三者で算定ルールを共有することから始めましょう。まずは疑義解釈(その1)問15の該当箇所を院内マニュアルに転記し、関係部署に周知してください。次に、分娩台帳と医事会計システムの連携を確認し、入院日または手術開始日が算定起算日として正しく取り込まれる運用を構築しましょう。最後に、レセプト点検時には、入院日と分娩開始日の整合性をダブルチェックする体制を整えてください。
産科管理加算の算定開始日は、陣痛発来による入院日と予定帝王切開の手術日の双方を含みます。この取扱いは令和8年度の疑義解釈(その1)問15に明記されています。院内マニュアルへの反映と部門間の周知から、確実な算定運用を進めましょう。
♥ 0いいねをした人: いません令和8年度診療報酬改定では、看護職員が一時的に不足した際の施設基準の取扱いが明文化されました。しかし「突発的で想定が困難な事象によりやむを得ない事情」という表現は抽象的なため、現場では該当判断に迷う声が多く聞かれます。本回答では、疑義解釈資料(その1)問9を根拠に、該当する3つのケースと体調不良ケースでの追加留意点を整理します。
ご質問の自己都合退職が複数重なるケースは、やむを得ない事情に該当します。該当事例は、感染症拡大による患者急増または職員感染、看護職員や家族の体調不良による1か月超の不在、自己都合退職の複数重なりの3つです。なお体調不良で1か月超の不在が見込まれる場合は、求人内容の検討にも追加の配慮が求められます。
該当する3つの具体例
やむを得ない事情に該当するケースは、疑義解釈問9で3つ示されています。いずれも「看護職員が一時的に不足する状況」が対象となる点が共通します。1つ目は、感染症拡大に起因する看護職員不足です。新型コロナウイルス感染症等の感染症が拡大し、患者を受け入れた結果、入院患者が一時的に急増した場合が該当します。また、職員自身が感染症に感染して出勤できないケースも対象です。
2つ目は、看護職員本人や家族の突発的な体調不良です。この場合、不在期間が1か月を超えて見込まれることが要件になります。
3つ目は、看護職員の自己都合による急な離職等が複数重なるケースです。ご質問の3名退職のケースは、まさにこの3つ目に該当します。離職が「複数」重なることが要件のため、単発の退職では該当しない点に留意してください。
体調不良ケースで求められる追加配慮
体調不良による1か月超の不在ケースでは、求人活動にも追加の配慮が求められます。公共職業安定所や都道府県ナースセンター等に求人申込みを行う際、短期的な不在を補う視点だけで求人内容を組んではいけません。長期的に安定的な人材確保を図る観点から、求人内容を検討すべきとされています。この留意点は、目先の人員補充で満足せず、組織として持続可能な看護体制を構築する姿勢を求めています。突発事象を一過性のトラブルで終わらせず、組織課題として捉え直す機会と位置づけましょう。
現場での具体的アクション
まずは退職3名分の離職届と離職時期を時系列で整理してください。次に、看護配置基準を満たせなくなる見込み月を試算し、地方厚生局への相談時期を逆算しましょう。求人活動については、ハローワークやナースセンターへの申込みを進めると同時に、短期補充と長期確保の両面で求人内容を整理してください。なお本規定は「1年に1回に限る」適用ですので(疑義解釈問10)、適用タイミングは慎重に判断しましょう。看護職員が一時的に不足した際の「やむを得ない事情」は、感染症拡大、体調不良による1か月超の不在、自己都合退職の複数重なりの3つが該当します。ご質問のケースは3つ目に該当しますので、事実関係の記録と計画的な求人活動を並行して進めてください。
♥ 0いいねをした人: いません令和8年度診療報酬改定では、情報通信機器等を用いた看護職員及び看護補助者の業務効率化の施設基準が新設されました。この施設基準には「月平均10時間以下の超過勤務時間」という届出要件が定められていますが、算出方法が通知文だけでは読み取りにくい状況です。本稿では、超過勤務時間の具体的な算出手順を整理し、届出実務を円滑に進めるための道筋を解説します。
結論として、届出時は直近3月の常勤看護要員の月平均超過勤務時間の合計を3で除した値で判断します。算出の対象者は、病棟に配置された常勤の看護要員に限定されます。計算式は、直近3月分の月平均超過勤務時間を単純平均する形です。記載は、別添7の様式60に沿って行います。
算出の対象は病棟の常勤看護要員に限定されます
算出の対象者は、病棟に配置された常勤の看護要員に限定されます。この対象範囲を誤認すると、届出数値が実態と乖離し、施設基準を満たさない事態を招きます。常勤以外の職員の超過勤務時間は、本算出には含めません。非常勤職員やパートタイム職員の勤務実績は、別途勤怠管理で把握する必要はありますが、今回の要件判定には反映させません。この取扱いにより、病棟における恒常的な業務負荷を、常勤職員の働き方から判定できます。
対象となる病棟は、施設基準の届出を行う病棟です。複数病棟で届出する場合は、病棟ごとに個別に算出する必要があります。したがって、病棟単位での勤務記録の整理が前提となります。
計算式は直近3月の月平均超過勤務時間を3で除した値です
計算方法は、直近3月の月平均超過勤務時間を単純平均する形です。この方法は、別添7の様式60に示された算出式に基づきます。直近3月の各月の月平均超過勤務時間を合計し、その合計を3で除します。例えば8月に届出する場合、算出対象は5月・6月・7月の3か月分です。届出月の直前3か月、という期間設定が原則となります。
具体例で示すと、5月が10時間、6月が3時間、7月が5時間であれば、(10+3+5)÷3=6時間となります。この6時間が基準値である10時間以下であるため、要件を満たす計算結果です。単月で10時間を超える月があっても、3か月平均で10時間以下に収まれば届出可能となります。
届出実務では様式60への記載と関連資料の準備が必要です
届出実務では、別添7の様式60に算出結果を記載します。様式60は、超過勤務時間の算出過程を記録するための専用様式です。記載に先立ち、直近3月分の看護要員の勤務記録を整えてください。タイムカードや勤怠システムの記録から、常勤職員の超過勤務時間を月単位で集計する必要があります。併せて、常勤・非常勤の区分を明確にした看護要員名簿も準備しましょう。
勤務記録の精度が算出結果を左右します。タイムカードの打刻漏れや残業申請の未処理がある場合は、事前に修正を済ませてください。この準備を丁寧に行えば、届出後の指導監査にも自信を持って対応できます。
結論
以上のとおり、届出時の超過勤務時間は、直近3月の常勤看護要員の月平均超過勤務時間を合計して3で除した値で判断します。まずは、対象病棟の常勤職員の直近3月分の勤務記録を確認し、月単位で超過勤務時間を集計しましょう。次に、様式60への記載準備を進めてください。現場の働き方改革と連動する施設基準ですので、算出結果を看護部と共有し、継続的な業務効率化の指標としても活用されることをお勧めします。♥ 0いいねをした人: いません -
投稿者投稿