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新米施設基準管理士
ゲストお世話になっております。
新設の投与時閉鎖式接続器具使用加算を算定できるか問われております。CSTDは使用する予定なのですが、すべての薬剤に使用するわけではなく、一部の揮発性の高い薬剤を調剤または投与する際に使用するようです。無菌製剤処理料1の対象患者は悪性腫瘍に対して用いる薬剤であって・・という文言があるのでこれに付随する加算なら抗がん剤投与時だけCSTD使用でも算定できるのかと思いましたが、、
どなたかご意見を頂戴できると助かります。
どうぞよろしくお願いいたします。♥ 0いいねをした人: いません新米施設基準管理士さん、ご質問ありがとうございます。令和8年度診療報酬改定で、投与時閉鎖式接続器具使用加算(150点)が新設されました。閉鎖式接続器具(CSTD)を一部の薬剤だけに使う運用で算定できるかは、多くの医療機関が迷うポイントです。この回答では、告示と通知をもとに、算定できる範囲と現場で確認すべき点を整理します。
結論として、CSTDを一部の薬剤だけに使う運用でも、要件を満たす患者と場面に限れば算定できます。第1の要件は、調製時と投与時の両方でCSTDを使うことです。第2の要件は、使用する薬剤が「細胞毒性を有する抗悪性腫瘍剤」であることです。第3の要件は、外来腫瘍化学療法診療料1の届出があることです。
1. 全薬剤への使用は求められていない
投与時閉鎖式接続器具使用加算は、要件を満たした患者について算定する加算です。院内の全薬剤や全患者にCSTDを使うという要件はありません。
この加算の根拠は、無菌製剤処理料の注2です。注2は「1のイを実施した場合であって、患者への投与時にも閉鎖式接続器具を用いた場合」に150点を加算すると定めています。つまり、加算は無菌製剤処理料1のイ(180点)に上乗せされる形で算定します。CSTDを使わなかった患者は、従来どおり無菌製剤処理料1のロ(45点)で算定します。
2. 第1の要件:調製時と投与時の両方でCSTDを使う
この加算で最も注意すべき点は、調製時と投与時の両方でCSTDを使う必要があることです。ご質問にある「調製または投与する際に使用」という運用では、要件を満たさない場面が出てきます。
通知(6)は、CSTDを用いて無菌製剤処理を行い、「かつ」患者への投与時にもCSTDを用いた場合に算定すると定めています。調製時だけCSTDを使った場合は、無菌製剤処理料1のイは算定できますが、加算は算定できません。投与時だけCSTDを使った場合は、無菌製剤処理料1のイを実施していないため、加算も算定できません。「抗がん剤の投与時だけCSTDを使えば算定できる」という解釈は誤りですので、ご注意ください。
前提となる無菌製剤処理料1のイにも条件があります。通知(2)は、常勤の薬剤師が安全キャビネットを用いた無菌環境下で処理を行うことを求めています。また、通知(4)は、薬剤の漏出防止性能を有するとして薬事承認された医療機器をCSTDとして用いることが望ましいとしています。
3. 第2の要件:対象薬剤は「細胞毒性を有する抗悪性腫瘍剤」で判断する
加算の対象薬剤は、揮発性の高さではなく、無菌製剤処理料1の対象かどうかで判断します。現場で「揮発性が高い薬剤」として選ばれた薬剤が、この定義に当てはまるかを確認する必要があります。
通知(2)は、無菌製剤処理料1の対象を「悪性腫瘍に対して用いる薬剤であって細胞毒性を有するもの」としています。具体的には、医薬品等副作用被害救済制度の対象とならない医薬品(平成16年厚生労働省告示第185号)のうち、悪性腫瘍に対して用いる注射剤です。この定義に当てはまらない薬剤にCSTDを使っても、無菌製剤処理料1のイも加算も算定できません。
投与経路にも注意が必要です。通知(2)は、無菌製剤処理料1の対象となる投与経路として、点滴注射や皮下注射などを列挙しています。一方で、中心静脈注射と植込型カテーテルによる中心静脈注射は、この列挙に含まれていません。これらは無菌製剤処理料2の対象として別に規定されています。CVポートから抗がん剤を投与する患者が多い場合は、取扱いを事前に確認しておきましょう。
4. 第3の要件:外来腫瘍化学療法診療料1の届出がある
患者と薬剤の要件を満たしても、施設基準を満たさなければ加算は算定できません。施設基準は、外来腫瘍化学療法診療料1に係る届出を行っている保険医療機関であることです。
外来腫瘍化学療法診療料2または3の届出のみの医療機関は、この加算を算定できません。また、前提となる無菌製剤処理料そのものの施設基準の届出も必要です。施設基準管理のご担当として、まずは両方の届出状況を確認されるとよいでしょう。
5. 現場で進めていただきたい4つのアクション
算定漏れと誤算定を防ぐには、薬剤部・看護部・医事課の3部門で運用をすり合わせることが大切です。次の4つを順に進めてください。
- 届出の確認:外来腫瘍化学療法診療料1と無菌製剤処理料の届出状況を確認しましょう。
- 対象薬剤と投与経路の照合:CSTDを使う予定の薬剤が告示第185号の抗悪性腫瘍注射剤に該当するか、投与経路が通知(2)の列挙に含まれるかを薬剤部と照合しましょう。
- 運用の統一:CSTDを使う薬剤は、調製から投与まで一貫して使う運用になっているかを看護部と確認しましょう。
- 記録の整備:通知(3)は、調製時に使ったCSTDの製品名と数量の記録を求めています。投与時の使用も記録に残しておくと、算定根拠を説明しやすくなります。
なお、告示・通知からは判断できないケースもあります。たとえば、同じ日に複数の抗がん剤を投与し、一部だけにCSTDを使うケースです。このようなケースが想定される場合は、最新の疑義解釈を確認するか、地方厚生局へ照会されることをおすすめします。
まとめ
投与時閉鎖式接続器具使用加算は、CSTDを一部の薬剤だけに使う運用でも算定できます。ただし、調製時と投与時の両方でCSTDを使うこと、細胞毒性を有する抗悪性腫瘍剤であること、外来腫瘍化学療法診療料1の届出があることの3つがそろう場合に限ります。まずは届出状況と対象薬剤・投与経路を確認し、調製から投与まで一貫した運用を整えていきましょう。新しい加算の立ち上げは大変ですが、スタッフを抗がん剤ばく露から守る取り組みでもあります。一緒に着実に進めていきましょう。
参考:【令和8年度診療報酬改定】投与時閉鎖式接続器具使用加算|150点新設の要件と実務への影響
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