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中小病院の事務担当
ゲストお世話になっております。100床ほどの中小病院で、施設基準の届出を担当している事務職員です。
令和8年度の改定で、ベースアップ評価料には「令和8年度・令和9年度にそれぞれ3.2%分(看護補助者や事務職員はそれぞれ5.7%分)のベースアップを支援する」という趣旨があると理解しています。
そこで不安なのが、当院の試算では、ベースアップ評価料を算定しても、この3.2%・5.7%のベースアップにどうしても届きそうにない、という点です。患者数や算定見込みから逆算すると、目標の引上げ率を達成しきれません。
この場合でも、ベースアップ評価料は算定してよいのでしょうか。それとも、3.2%・5.7%を達成できる見込みがなければ算定してはいけないのでしょうか。「目標に届かなくても算定はできる」という解釈で合っていますか。ご教示いただけますと幸いです。
♥ 0いいねをした人: いません施設基準の届出ご担当、お疲れさまです。改定で示された「3.2%・5.7%」という数字を前に、届かなければ算定できないのではと不安になるお気持ち、よくわかります。結論から申し上げると、ご質問者様の解釈で合っています。3.2%・5.7%のベースアップを達成できない場合であっても、ベースアップ評価料は算定できます。ただし、得られた収入の使い道には、守らなければならない条件があります。この回答では、算定の可否と、あわせて守るべき条件を整理します。
ポイントは3つです。第一に、3.2%・5.7%に届かなくても算定そのものは可能です。第二に、得られた収入は、全額を対象職員の賃上げに充てる必要があります。第三に、3.2%・5.7%はあくまで「支援の目安」であり、算定の合否ラインではありません。以下、順に解説します。
1. 目標に届かなくても算定は可能
3.2%・5.7%のベースアップを達成できない場合でも、ベースアップ評価料は算定できます。疑義解釈資料(その2)問7は、この点を明確にしています。同問は「ベースアップ評価料を算定しても3.2%及び5.7%のベースアップを達成できない場合であっても、ベースアップ評価料は算定できるのか」という問いに対し、「可能」と回答しています。つまり、目標の引上げ率に届くかどうかは、算定の前提条件ではない、ということです。
2. 得られた収入は全額を賃上げに充てる
算定が可能である一方で、得られた収入の使い道には明確な条件が付いています。同じ問7は「可能」としたうえで、ただし書きで条件を示しています。具体的には、当該評価料により得られる収入は、全て、対象職員の基本給または決まって毎月支払われる手当の引上げ、およびそれに伴う賞与・時間外手当・法定福利費(事業者負担分等を含む)等の増加分に用いること、とされています。算定できるかどうかではなく、得た収入を漏れなく賃上げに回せるかどうかが、本当に問われている点だとご理解ください。
この条件は、引上げ率の大小にかかわらず一律に適用されます。3.2%に届く病院も、届かない病院も、得た収入を全額賃上げに充てる義務は同じです。届かないこと自体は問題になりませんが、得た収入を賃上げ以外に使うことは認められません。ここを取り違えると、後の実績報告で説明がつかなくなりますので、注意が必要です。
3. 3.2%・5.7%は「支援の目安」であり合否ラインではない
3.2%・5.7%という数字は、達成を義務づける合否ラインではなく、国が示した支援の目安です。令和8年度・令和9年度にそれぞれ3.2%分(看護補助者・事務職員はそれぞれ5.7%分)のベースアップ実現を支援するために、評価料という形で原資を手当てした、という位置づけです。あくまで支援の規模感を示した数字であって、各医療機関にその達成を強制するものではありません。この整理ができると、試算で目標に届かなくても、過度に身構える必要がないことが見えてきます。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、算定の可否ではなく「得た収入を全額賃上げに回せる設計」になっているかを確認しましょう。ご懸念の3.2%・5.7%は、達成できなくても算定の妨げにはなりません。優先すべきは、ベースアップ評価料による収入が、基本給・手当・賞与・法定福利費の引上げに過不足なく充てられる仕組みを整えることです。
次に、賃上げの配分計画を、対象職員ごとに見える形で残しておいてください。実績報告の段階で、得た収入と賃上げ額が対応していることを示せるよう、配分の根拠を記録しておくと安心です。試算が目標率に届かない場合でも、得た収入を全額賃上げに充てた記録があれば、施設基準上の問題は生じません。
最後に、根拠を院内で共有しておきましょう。疑義解釈資料(その2)問7を印刷し、届出ファイルに綴じておくと、経営層への説明や、来年度以降の担当者の引継ぎがスムーズになります。
まとめ
3.2%・5.7%のベースアップに届かなくても、ベースアップ評価料は算定できます。ただし、得られた収入は全額を対象職員の賃上げに充てる必要があります。3.2%・5.7%は支援の目安であり、達成を義務づける合否ラインではありません。根拠は疑義解釈資料(その2)問7です。まずは、得た収入を漏れなく賃上げに回せる設計になっているかを確認することから始めましょう。
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