-
投稿者投稿
-
内科クリニックの医事課主任
ゲスト当院は予約診療を実施していない内科クリニックです。生活習慣病管理料(Ⅱ)を算定している高血圧の患者さんに、診察後、次回受診日を相談しました。しかし、「仕事のシフトが直前にならないと分からない」「家族の介護があり予定が立てられない」と言われ、次回受診日が確定しないまま会計となるケースが続いています。算定要件には「患者と相談の上、次回受診する日を決めること」とありますが、日付が決まらない場合、算定要件を満たさず返戻になってしまうのでしょうか。現場スタッフへの声かけのルール化に困っており、ご教示ください。
♥ 0いいねをした人: いませんご質問ありがとうございます。生活習慣病管理料の算定における「次回受診日」の取り扱いは、令和8年度改定後、現場で最も多く寄せられる質問のひとつです。患者さんの生活背景が多様化するなか、日付確定を一律に求めることは現実的ではなく、現場スタッフが板挟みになる典型的な悩みといえます。本稿では、厚生労働省の疑義解釈に基づき、日付未確定時の正しい対応を整理します。
結論として、次回受診日が確定しなくても生活習慣病管理料は算定できます。ただし、算定可能となる条件として「次回受診が必要な時期」について患者へ十分な指導を行うこと、さらに指導内容を診療録に記録することが求められます。本稿では、根拠となる疑義解釈の該当箇所、現場で運用可能な指導記録のポイント、明日から実践できる具体的アクションの順に解説します。
算定可否の結論:日付未確定でも算定可能
日付未確定でも生活習慣病管理料は算定できますが、患者への「時期」の指導が条件となります。算定要件である「次回受診日を決めること」は、必ずしも具体的な日付の確定を意味しません。患者の都合により日付が確定しない場合でも、次回受診の必要時期を指導していれば算定要件を満たします。
この取り扱いは、患者の生活背景に配慮した柔軟な運用を認める趣旨です。仕事のシフト、家族の介護、突発的な事情など、日付確定を妨げる要因は多岐にわたります。これらの事情を抱える患者にも、生活習慣病管理は継続的に提供される必要があります。日付確定を絶対条件とせず、受診時期の指導で代替できるのは、現場の実態を踏まえた合理的なルールといえます。
根拠となる疑義解釈:その1 問33
根拠は「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和8年3月時点事務連絡)の問33に明記されています。問33は、生活習慣病管理料(Ⅰ)および(Ⅱ)の算定における次回受診日の取り扱いを問うものです。
問33の問いは、「予約診療を実施している保険医療機関」と「予約診療を実施していない保険医療機関」の双方を対象に、患者の都合により次回受診する日付が確定しない場合の対応を問うています。これに対する答は、「次回受診する日について患者と十分な相談を行ってもなお、当該患者の都合により予約又は受診を行う日付が確定しない場合についても、次回の受診が必要な時期について、患者に対して十分な指導を行うこと」とされています。
この回答が示すポイントは、二段階の対応です。第一段階は、患者との「十分な相談」の実施です。第二段階は、それでも日付が確定しない場合における「受診時期の指導」の実施です。この二段階を満たせば算定可能であり、日付確定そのものは絶対条件ではありません。
現場で運用すべき指導記録のポイント
現場運用の鍵は、指導内容を診療録に明確に残すことです。日付未確定で算定する以上、「十分な相談」と「時期の指導」を実施した事実を、後から第三者が確認できる形で記録する必要があります。記録が曖昧だと、個別指導や監査で算定根拠を問われた際、説明に窮する事態を招きます。
記録すべき項目は、相談内容、指導した受診時期、患者の事情の三点です。相談内容としては、次回受診日の候補をどのように提示したかを記載します。指導した受診時期としては、「概ね1か月後」「血圧が安定するまで2週間ごと」など、具体的な目安を記載します。患者の事情としては、日付確定が困難となった理由を簡潔に記載します。
記録の標準化には、テンプレート化が有効です。電子カルテの定型文機能やシール印字を活用し、「次回受診時期:◯◯頃と指導。日付未確定理由:◯◯」といった形式を院内で統一しましょう。スタッフ個々の記載に委ねると、記録漏れや表現の揺らぎが発生し、結果として算定リスクを抱えることになります。
明日から実践すべき具体的アクション
まずは、声かけマニュアルの整備から着手してください。受付および診察室での声かけを、「次回は◯月頃の受診をお勧めします。ご都合のよい日を一緒に決めましょう」と統一しましょう。日付確定が難しい患者には、「具体的な日付は後日でも構いません。まずは◯月頃に受診が必要であることを覚えておいてください」と切り替えます。
次に、診療録テンプレートを作成してください。指導した受診時期、日付未確定の理由、患者へ伝えた内容の三項目を記載する欄をテンプレート化します。記載漏れを防ぐため、医師・看護師・医事課で記載責任を明確に分担しましょう。
最後に、医事課での算定前チェック体制を構築してください。生活習慣病管理料を算定する患者の診療録について、「次回受診時期の指導記録」の有無をレセプトチェック時に確認します。記録がない場合は、即日で医師に確認し、記録を追記する運用を徹底しましょう。
結論
生活習慣病管理料は、次回受診日が確定しなくても算定可能です。算定の条件は、患者と十分相談したうえで「次回受診が必要な時期」を指導し、その内容を診療録に記録することです。根拠は疑義解釈その1の問33に明記されており、現場では声かけマニュアル・診療録テンプレート・算定前チェックの三点をセットで整備してください。日付確定にこだわらず、患者の生活背景に寄り添った継続的な管理こそが、本管理料の本旨です。
♥ 0いいねをした人: いません -
投稿者投稿
ログイン
統計情報
- 登録済みユーザー
- 1
- フォーラム
- 1
- トピック
- 57
- 返信
- 56
- トピックタグ
- 0