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回復期病棟の管理栄養士
ゲスト令和8年度の診療報酬改定で、入院時食事療養の特別食加算に「嚥下調整食」が追加されました。当院の回復期病棟では嚥下調整食を提供している患者さんが多く、ぜひ算定したいと考えています。
ただ、対象となる「摂食機能又は嚥下機能が低下した患者」の判断方法がはっきりしません。全員にVE(内視鏡下嚥下機能評価)やVF(嚥下造影)を実施しなければ算定できないのでしょうか。当院ではVE・VFを実施できる体制が限られており、対象患者が大幅に絞られてしまうのではないかと心配しています。
VE・VFなしでも算定できるのか、その場合にどのような評価や手続きが必要になるのか、教えていただけると助かります。
♥ 0いいねをした人: いません嚥下調整食の特別食加算について、VE・VFが必須かどうかのご質問をいただきました。VE・VFの実施体制が限られる病院は少なくないため、算定範囲に直結する切実な問題です。この回答では、疑義解釈(その1)の問46をもとに、対象患者の判断方法と現場で必要な対応を整理します。
結論から申し上げると、VE・VFは必須ではありません。多職種で評価を行い、医師が嚥下調整食の必要性を判断して食事箋を発行すれば、算定の対象となります。ただし、多職種評価の体制整備と記録の運用が重要です。以下、詳しく解説します。
VE・VFは評価手段のひとつにすぎない
疑義解釈その1の問46は、「内視鏡下嚥下機能評価や嚥下造影は必須ではない」と明確に回答しています。VE・VFはあくまで嚥下機能を評価する手段のひとつであり、これらを実施しなければ算定できないわけではありません。VE・VFが必須とされなかった趣旨は、嚥下機能の評価方法が検査だけに限られないためです。ベッドサイドでの観察、水飲みテスト、食事場面の評価など、多職種が日常的に行う臨床評価も嚥下機能の判断材料として有効です。VE・VFの実施体制が限られる施設でも、適切な評価プロセスを整えれば算定の道は開けます。
算定に必要な3つの要件
VE・VFが不要であっても、算定には次の3つの要件を満たす必要があります。1つ目は、多職種による評価の実施です。医師、看護師、言語聴覚士、管理栄養士等が連携して、患者の摂食機能又は嚥下機能を評価します。
2つ目は、医師による必要性の判断です。多職種評価の結果をもとに、「適切な栄養量及び内容を有する嚥下調整食が必要」と医師が判断します。
3つ目は、食事箋の発行です。医師の判断に基づき、食事箋を発行した患者が算定の対象となります。
この3つの要件は、疑義解釈その1・問46の回答に沿ったものです。逆に言えば、多職種評価を経ずに漫然と嚥下調整食を提供しているだけでは、算定要件を満たしません。
あわせて押さえておきたい注意点
対象患者の判断方法に加えて、2つの注意点があります。1つ目は、栄養量の確保です。疑義解釈その1の問48では、「常食で提供される場合と同等の栄養量が確保できていない嚥下調整食は算定できない」とされています。嚥下訓練用のゼリーだけを提供している場合や、経管栄養との併用で嚥下調整食単体の栄養量が不十分な場合は、算定の対象外です。
2つ目は、品質管理の体制です。疑義解釈その1の問47では、テクスチャーの計器測定は不要とされていますが、嚥下調整食に係る責任者が品質管理を行うことが求められています。この責任者には所定の研修修了が施設基準として必要です。
まとめと現場でのアクション
以上のとおり、VE・VFがなくても嚥下調整食の特別食加算は算定可能です。ポイントは、多職種評価、医師の判断、食事箋の発行という3つのプロセスを確実に踏むことです。まずは、多職種で嚥下機能を評価するフローを院内で標準化してください。次に、評価結果の記録方法と食事箋発行の手順を整備してください。そのうえで、責任者の研修修了状況や嚥下調整食の栄養量基準もあわせて確認を進めてください。
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