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急性期病院の経営企画担当
ゲストお世話になっております。急性期病院で経営企画を担当している者です。
ベースアップ評価料の収入の繰り越しについて、整理がつかず困っています。令和8年度の改定で、翌年度の賃金改善のために繰り越しを行う場合の要件が削除されたと聞きました。そうすると、ベースアップ評価料で得た収入を、翌年度の賃金改善に回すために繰り越すことは、もうできなくなったのでしょうか。
当院では、患者数の見込みをもとに収入額と賃金改善額を見積もって運用しています。ただ、実際の患者数は見込みどおりにいかないこともあり、年度末に収入の残余が出ることも想定されます。こうした残余が出た場合に、それを翌年度へ繰り越せないとなると、運用がかなり厳しくなりそうです。
「原則として翌年度への繰り越しはできないが、患者数の変動でやむを得ず残余が出た場合には、一定の範囲で充当が認められる」という解釈で合っていますか。ご教示いただけますと幸いです。
♥ 0いいねをした人: いません経営企画でのベースアップ評価料の運用設計、おつかれさまです。繰越要件が削除されたと聞くと、残余が出たときにどう扱えばよいのか、不安になられるのは当然です。結論から申し上げると、ご質問者様の解釈で合っています。改定後は、原則として得た収入を翌年度へ繰り越すことはできません。ただし、患者数の変動でやむを得ず残余が出た場合には、一定の範囲で充当が認められます。この回答では、繰越の原則と、残余が出たときの例外的な扱いを整理します。
ポイントは3つです。第一に、改定後は、得た収入を原則としてその年度内の賃金改善に用います。第二に、これは令和8年度・令和9年度に段階的に引上げを行う措置を踏まえたものです。第三に、患者数の変動でやむを得ず残余が出た場合には、一定の範囲で充当が認められます。以下、順に解説します。
1. 改定後は得た収入を原則としてその年度内の賃金改善に用いる
改定後は、得た収入を原則としてその年度内の賃金改善に用いる必要があります。疑義解釈資料(その2)問6は、この点を示しています。同問は、繰り越しに係る要件が削除されたが、得られた収入を翌年度の賃金改善に用いるために繰り越すことは認められないのか、という問いに対し、令和8年6月から令和9年5月までに得られた収入は、原則として令和9年5月までの賃金改善に用いる必要がある、と回答しています。あわせて、令和9年度についても同様、とされています。つまり、得た収入はその算定期間内に使い切るのが原則、ということです。
2. 段階的な引上げ措置を踏まえた取扱い
原則としてその年度内に用いるのは、段階的な引上げ措置を踏まえたものです。問6は、令和8年度・令和9年度において、段階的にベースアップ評価料により得られる収入を引き上げる措置が講じられていることを、その理由として示しています。年度ごとに収入が引き上げられていく仕組みであるため、得た収入を翌年度へ持ち越すのではなく、その年度の賃金改善に充てる、という考え方です。改定前の繰越を前提とした運用とは、考え方が変わった点に注意が必要です。
3. やむを得ず残余が出た場合は一定の範囲で充当が認められる
原則は年度内ですが、やむを得ず残余が出た場合には例外が認められます。問6は、それまでの患者数等に基づいて収入額および賃金改善額を見積もったにもかかわらず、患者数等の変動により、収入額が確定した後にやむを得ず残余が生じた場合について、例外を示しています。具体的には、該当年度の実績報告書を提出する8月までの対象職員への賃金改善分に充当し、当該充当分を含めて報告して差し支えない、とされています。つまり、見積もりを適切に行ったうえで生じた残余に限り、翌年度の8月までの賃金改善に充てられる、ということです。
例外が認められるのは、あくまで見積もりを適切に行ったうえでの残余に限られる点に注意が必要です。問6は、患者数等に基づいて収入額と賃金改善額を見積もったにもかかわらず、変動でやむを得ず残余が生じた場合、という条件を置いています。見積もりを行わずに残余を出した場合や、意図的に使い残した場合は、この例外には当たりません。適切な見積もりが前提である、とご理解ください。
4. 現場での具体的なアクション
まずは、患者数の見込みに基づく収入額と賃金改善額の見積もりを、根拠とともに残しておきましょう。例外的な充当が認められるのは、適切に見積もったうえで残余が出た場合に限られます。見積もりの前提と計算過程を文書で残しておくと、残余が出た際に正当性を示せます。
次に、年度内に収入を使い切る配分を基本として運用してください。原則は、得た収入をその算定期間内の賃金改善に用いることです。年度の途中で収入と賃金改善額の差を定期的に確認し、年度内で過不足が出ないよう配分を調整しておくと安心です。
最後に、残余が生じた場合は、翌年度8月までの賃金改善への充当を計画してください。やむを得ず残余が出たときは、実績報告書を提出する8月までの賃金改善分に充て、その充当分を含めて報告します。根拠として疑義解釈資料(その2)問6を綴じておくと、説明や引継ぎがスムーズになります。
まとめ
改定後は、得た収入を原則としてその算定期間内の賃金改善に用います。これは令和8年度・令和9年度に段階的に引上げを行う措置を踏まえたものです。ただし、患者数の見込みを適切に立てたうえで、やむを得ず残余が出た場合には、実績報告書を提出する8月までの賃金改善に充当できます。根拠は疑義解釈資料(その2)問6です。まずは、収入額と賃金改善額の見積もりを根拠とともに残しておくことから始めましょう。
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