令和8年度の診療報酬改定により、A221-3産科管理加算が新設されました。この新加算をめぐっては、「分娩が開始した日以降」という算定要件の解釈で現場が混乱する事態が生じています。本回答では、厚生労働省の疑義解釈(その1)問15を根拠に、算定開始日の取扱いを2つのケースに分けて整理します。
ご質問の2つのケースは、いずれも算定可能です。陣痛発来で入院した患者は、その入院日から算定できます。予定帝王切開で未陣発のまま手術となった患者は、手術の開始時刻が含まれる日から算定できます。これらの取扱いはいずれも、疑義解釈(その1)問15で明示されています。
陣痛発来による入院日は、産科管理加算の算定対象日に含まれます。
「分娩が開始した日」の解釈について、疑義解釈は明確に「含めてよい」と回答しています。医事課で迷われやすいポイントは、入院日が「分娩開始日」と同一かどうかという判断です。この点について疑義解釈は、陣痛発来によって分娩が開始していることを認めて入院した日を、算定対象の起算日として認めています。したがって、陣痛発来時に入院した患者は、入院当日から産科管理加算を算定可能です。
予定帝王切開で未陣発の患者も、手術開始日から産科管理加算を算定できます。
未陣発の予定帝王切開についても、疑義解釈は「含めてよい」と明示しています。この取扱いの根拠は、未陣発で帝王切開術による分娩となった場合に、手術自体を分娩の開始と捉える考え方にあります。具体的には、手術の開始時刻が含まれる日から当該加算を算定できると、疑義解釈は規定しています。したがって、「陣痛が来ていない」という医学的判断にかかわらず、手術日を起算日として算定して差し支えありません。
両ケースの算定にあたっては、診療録への記録と部門間の認識統一が不可欠です。
部門間の認識統一については、医師・看護部門・医事課の三者で算定ルールを共有することから始めましょう。まずは疑義解釈(その1)問15の該当箇所を院内マニュアルに転記し、関係部署に周知してください。次に、分娩台帳と医事会計システムの連携を確認し、入院日または手術開始日が算定起算日として正しく取り込まれる運用を構築しましょう。最後に、レセプト点検時には、入院日と分娩開始日の整合性をダブルチェックする体制を整えてください。
産科管理加算の算定開始日は、陣痛発来による入院日と予定帝王切開の手術日の双方を含みます。この取扱いは令和8年度の疑義解釈(その1)問15に明記されています。院内マニュアルへの反映と部門間の周知から、確実な算定運用を進めましょう。