精神科慢性身体合併症管理加算(A230-5)と精神療法の併算定は、どの医師が精神療法を行ったかで可否が分かれます。令和8年度改定の留意事項通知では、加算を算定する内科の医師自身が精神療法を行うと、加算を算定できないと定められました。一方で、現場では身体合併症を内科の医師が診て、精神療法を精神科の医師が担うケースも多く、この場合まで加算を諦めるべきか判断に迷います。本回答では、併算定の可否を医師の担当区分から整理します。
結論として、精神科を担当する医師が精神療法を行った場合は、加算と精神療法を併算定できます。これに対して、内科を担当する医師が精神療法を行った場合は、加算を算定できません。可否の分岐点は、加算に係る身体合併症を診る内科の医師と、精神療法を行う医師が同一かどうかです。根拠は留意事項通知と、疑義解釈資料(その5)問3にあります。
内科を担当する医師が精神療法を行った場合は、加算を算定できません。留意事項通知(令和8年3月5日 保医発0305第6号)の(2)では、当該内科を担当する医師が、当該医療機関において1回以上「I001」入院精神療法又は「I002」通院・在宅精神療法を行った場合は、当該加算は別に算定できないと定めています。つまり、身体合併症の管理と精神療法を一人の内科医が兼ねた月は、加算そのものが算定対象から外れます。
精神科を担当する医師が精神療法を行った場合は、加算と精神療法を併算定できます。疑義解釈資料(その5)問3では、内科を担当する医師とは別の、精神科を担当する医師が精神療法を行った場合は、同一の患者に対し加算と精神療法を併算定できると明示されました。身体合併症を内科の医師が診て、精神療法を精神科の医師が担う体制であれば、両者はそれぞれ別の評価として成立します。
まずは、精神療法を算定した医師の担当区分をカルテで確認しましょう。レセプト点検では、加算を算定する月にI001・I002を算定した医師が、内科担当か精神科担当かを区別します。両者が同一医師の月は加算を外し、別医師の月は併算定を維持してください。あわせて、加算に係る診察の担当医と精神療法の担当医が診療録上で区別できる記録運用を整えておくと、返戻や査定のリスクを下げられます。
精神科慢性身体合併症管理加算と精神療法の併算定は、医師の担当区分で決まります。内科を担当する医師が精神療法を行うと加算は算定できず、精神科を担当する医師が精神療法を行うと併算定できます。まずは精神療法を算定した医師の区分を確認し、レセプト点検の判断基準に組み込んでください。