回復期での理学療法、お疲れさまです。出向という慣れない立場で、自分の処遇がどちらの病院に紐づくのか見えないのは、不安になって当然です。結論から申し上げると、ご質問者様の解釈で合っています。在籍型出向の場合、あなたは実際に勤務している「出向先」の病院の対象職員として扱われます。給与の振込元が出向元であっても、対象職員としてカウントするのは出向先です。この回答では、なぜ出向先で扱うのか、そして賃上げがどう確保されるのかを整理します。
ポイントは3つです。第一に、在籍型出向の職員は出向先の対象職員として扱われます。第二に、ベースアップ評価料による収入は、出向先から出向元へ精算されます。第三に、賃金改善の実績は、出向元と出向先が連携して報告します。以下、順に解説します。
1. 在籍型出向は「出向先」の対象職員として扱う
在籍型出向の職員は、給与の支払い元ではなく、実際に勤務している出向先で対象職員に数えます。ご質問者様のように、出向元との労働契約を維持したまま出向先とも契約を結び、出向先で継続的に勤務し、給与は出向元から受け取る形が、典型的な在籍型出向です。このケースでは、出向先の病院が、あなたを対象職員に含めて区分計算と賃金改善実績報告書を作成します。給与の振込が出向元から行われていても、この扱いは変わりません。
2. 収入は出向先から出向元へ精算される
出向先で扱うとはいえ、賃上げの原資が宙に浮くわけではありません。疑義解釈資料(その5)問9は、この点を明確にしています。同問は「出向先の保険医療機関の対象職員として、区分計算及び賃金改善実績報告書等の作成を行う」と回答しています。そのうえで、出向先で得たベースアップ評価料による収入は、出向先から出向元へ支払うなど、両者の合議で適切に精算する、とされています。つまり、出向先が得た原資が、精算を通じて出向元のあなたの賃上げに回る仕組みです。
報告書の作成も、出向元と出向先の連携で行われます。出向先が報告書を作成するにあたっては、出向元と相談したうえで、実際の賃金改善額などの記載に必要な情報を、出向元から提供してもらう取扱いです。あなたの賃上げ実績は、出向元の給与データをもとに出向先が記載するため、どちらか一方だけで完結するものではない、とご理解ください。
3. 現場での具体的なアクション
まずは、出向元・出向先の両事務担当が「あなたを出向先で計上する」認識を共有できているかを確認しましょう。在籍型出向は事務処理が両者にまたがるため、認識のずれが最も起こりやすい部分です。出向先の医事課に、自分が対象職員に含まれているかを一度たずねてみてください。
次に、賃上げの原資が出向元へ精算される取り決めがあるかを確認しておくと安心です。原資の精算と給与への反映は、出向元・出向先の合議に委ねられています。ご自身の賃上げが給与にどう反映されるのかは、出向元の人事・給与担当に確認するのが近道です。
なお、医師が医療機関間で短期間の研修を行うようなケースは、扱いが異なります。短期研修中の医師は、例外的に出向元の対象職員として扱って差し支えないとされています。あなたのケース(継続的な在籍型出向)とは別の取扱いですので、混同しないよう、念のため申し添えます。
まとめ
在籍型出向の職員は、給与の振込元ではなく、実際に勤務している出向先の対象職員として扱われます。出向先が区分計算と報告書を作成し、得た収入は出向先から出向元へ精算されます。報告書は、出向元から賃金改善額の情報提供を受けて作成されます。根拠は疑義解釈資料(その5)問9です。まずは出向先の医事課に、ご自身が対象職員に含まれているかを確認することから始めましょう。