御院のお悩みは、改定前の精神科地域包括ケア病棟入院料を届け出ていた病棟の今後の方向性に関するものですね。令和8年度改定で病棟区分の見直しが入り、現場では同様の判断に迷う病院が少なくありません。精神科急性期治療病棟入院料1と2の混在禁止という原則と、改定に伴う経過措置の両方を踏まえて、御院の対応方針を整理いたします。
結論として、御院のケースでは令和8年9月30日までの間に限り、改定前の精神科地域包括ケア病棟入院料を届け出ていた病棟について、精神科急性期治療病棟入院料2の届出が可能です。原則として入院料1と2は同一保険医療機関内で混在できません。ただし、改定前の精神科地域包括ケア病棟入院料を届け出ていた病棟は、経過措置として例外的な併存が認められます。この経過措置は令和8年10月1日以降に終了するため、期限を見据えた早期の方針決定が必要です。
原則:入院料1と2は同一医療機関内で混在できない
施設基準の原則として、精神科急性期治療病棟入院料1と2は同一保険医療機関内で混在できません。これは「A311-2」精神科急性期治療病棟入院料の施設基準に明記されており、病棟ごとに異なる入院料区分を持つことを禁止する強いルールです。
この原則の背景には、入院料1と2の機能や患者像の違いを、病院単位で明確に位置付ける狙いがあります。そのため、通常であれば御院のように入院料1を届け出ている病院は、入院料2の病棟を新たに設けることができません。
例外:令和8年9月30日までの経過措置
ただし、令和8年度改定では、改定前の精神科地域包括ケア病棟入院料を届け出ていた病棟に限り、例外的な経過措置が設けられました。この経過措置の根拠は、疑義解釈資料(その2)の問82です。
疑義解釈資料(その2)問82では、御院と同様のケースが正面から扱われています。具体的には「精神科急性期治療病棟入院料1を届け出る病棟を有する保険医療機関において、令和8年3月31日において現に令和8年度診療報酬改定前の医科点数表における精神科地域包括ケア病棟入院料に係る届出を行っている病棟が、精神科急性期治療病棟入院料2を届け出ることは可能か」という問いに対し、答えは「令和8年9月30日までの間に限り可能」と明示されています。
この経過措置は、令和8年10月1日以降は適用されません。御院の入院料1の病棟と、改定前の精神科地域包括ケア病棟入院料を届け出ていた病棟は、この期間に限って併存できます。期限経過後は、原則どおり入院料1か2のいずれかに統一する必要があります。
現場での具体的なアクション
経過措置を活用するには、令和8年10月1日以降の運用方針を早急に固める必要があります。期限まで猶予が短いため、院内協議と地方厚生局への届出を計画的に進めましょう。
まずは、改定前に精神科地域包括ケア病棟入院料を届け出ていた病棟が、現時点で精神科急性期治療病棟入院料2の施設基準を満たしているかを確認してください。次に、令和8年10月1日以降、入院料1と2のどちらに統一するかの院内方針を、医局・看護部・精神保健福祉士と協議しましょう。最後に、入院料2への届出を行う場合は、令和8年9月30日までに地方厚生局への届出を完了させる準備を進めてください。
まとめ
御院では令和8年9月30日までの間に限り、改定前の精神科地域包括ケア病棟入院料を届け出ていた病棟について、精神科急性期治療病棟入院料2の届出が可能です。原則は入院料1と2の混在禁止ですが、経過措置として令和8年9月30日まで例外が認められています。期限を見据えた早めの方針決定と届出準備を進め、令和8年10月1日以降の病棟運営にスムーズに移行しましょう。